夜刀 4
もう限界。。。
おめめつかれたよーーーー。。。
透は相手を吹き飛ばした。
しかし相手はすぐに体勢を立て直すと槍をどんどん投げてくる。
一体どこからこの槍は出てくるのか分からないがなんとか倒すしかない、と思いながら近づくと刀で弾かれる。
透は刀が軽くなって来たのを感じていた。
そこで連続で突きを繰り出し相手が避けると足を蹴った。
すると体勢を崩しそこをめがけて突きを繰り出すが盾が出てきて弾かれてしまった。
「君はとても面白いよ」と笑いながら言いすぐに盾を消すと次はハンマーを出した。
透が斬り込むとハンマーで受けた。
よくこの重いハンマーで受けたなと思いながらもすぐに離れる。
何も無いところからナイフが現れ先程まで透が居た地面に突き刺さった。
「早く死んで欲しいんだけれど」と少年は言うと透は笑い出す。
「俺は死なんよ、お前の名前も知らねぇし、仲間も守らないといけないしな」
「わかったよ、僕の名前はロキ・クロスと言う、仲間も何も君の仲間は人間ではないのが混じっているぞ」
「関係なく仲間だ。 お前の名前も聞けてよかったよこれで心置きなく倒せる」
と言い走り刀を振る。
ロキは避けながらハンマーを消し刀を出すと透の足に目掛け突きを繰り出す。
透は片足で跳ぶと刀を上から踏みつけ地面に叩きつける。
そのまま首を狙い刀を振るがすでにロキはそこにはおらず遠くから槍を投げつける。
透はそれを避けながら衝撃波を繰り出しロキを攻撃するがロキは槍を出すと振り回して衝撃波を回避した。
透は更に深く集中し始めた。
透は気が付いていないが刀身の蛇の模様が赤く浮かぶ。
「へぇ、人間でここまで出来るのはすごいよただそれでは僕には勝てないけれどね」
「ほざいてろ」と言い刀を振ると刀身が八つに分かれて見えロキが一つを受け止めると残りの七つが体に傷をつけた。
「僕の体になんてことを……」と自分の体を見ながら言う。
「やっとかよ」と透は苦しそうにしながら言った。
「うーん、困ったな」と言いながら傷口を触ると傷が全て消えた。
「そんなこともできるのかよ」と言いつつも更に刀を振る。
ロキは全てを素手で受け止めると透を蹴り飛ばした。
さすがの透も気を失ってしまった。
「終わったか、人間の中では強いな、彼を味方に引き入れたいな」と一人呟いていると透が立ち上がった。
「嘘だろ?」と言うが透は何も話さない。
顔を下に向けたままなのでどんな顔をしているのかも見えない。
徐々に顔が上がると完全に瞳孔が開き切っており口元が笑っている。
その場から透が消えた。
ロキが振り返るとすでに刀が振られていた。
何とか避けるとすぐに次が来る。
盾を出したがそれすらも貫く。
刀身がちらりと見えると真っ黒になっていて蛇の部分だけが光り輝いていた。
「何だこれは……」と言ってる側から蹴り飛ばされた。
そして壁にぶつかる前に追いつかれ腹を突くとそのまま壁に押し込まれた。
ロキは血を吐くと透はすぐに刀を抜きまた突いた。
ロキの首を左手で掴み右手で刀を抜き差ししている。
もうすでにロキは動かないがそれでも透は続けロキの下半身が落ちた。
透はそのまま上半身を投げ飛ばすと広間に向かって歩き始めた。
先程までみんながいたはずの広間にはUMAが大量にいた。
透は刀を振ると敵を一掃した。
さらに奥に歩いて行きながら一振りで数十体のUMAを殺していく。
シャッターの前に突進しているティラノサウルスを見つけるとすぐに跳び首を切り落とすと胴体の切り口に手を突っ込み核を掴み取ると潰した。
そしてシャッターに向き合うと切り崩した。
中にはみんながいたが透の目を見ると引いた。
そんな中北が出てきた。
「お前をそんなんにしたやつは許せんがお前は正気じゃあ無い、俺が目を覚まさせてやる」
と言いつつ跳び殴りつけたが拳に合わせ回転するとそのまま蹴り飛ばされる。
その瞬間を狙いオオクニヌシが刀を掴む。
「これを離せれば肉弾戦だから余裕だ」
それを聞いた稲羽と朱雀も透に飛び付き押さえる。
リンと命と有は後ろに下がらされボスが透の目の前に立つと思いっきり腹を殴った。
透の体が一瞬宙に浮きそれから崩れ落ちた。
刀が手から離れたので腰に差してあった鞘にしまう。
「これでいいはずよ」とボスが言った時建物が揺れ始めた。
「崩れる」と言うと北が透を背中に乗せ全員で外に向かって走った。
外に出るまでUMAは全て死んでおり戦うことなく外まで出られた。
そこには金髪の少年が立っていた。
「ロキ、あなたまだいたのね」とボスが言うとロキは笑い出した。
「僕は死なないよ、ただ君の所の人間はとても興味深い。 ぜひともくれないか?」
「ふざけないで、あなたには渡さないわよ」と言いながらボスは左耳に手を当てた。
「それは勘弁してください、今回は引きますが彼のことは諦めません」と言うと消えた。
「逃げたか」と悔しそうにボスが言う。
アジトは完全に崩れてしまった。
みんなが休憩をしていると有が何かに気がついた。
「黒田さんは? 彼がいないと神の場所がわからない」
しかし誰も見ていない。
「神の使いは死んだりしないよ、神のご加護で守られているはずよ」とリンが教えてくれた。
「でも神のご加護があるならばどこか光っているはずよ」とボスが言いみんなで瓦礫をどかしながら探すことになった。
しかしどこを探しても彼は見つからない。
「ねぇ彼は本当に神の使いなの?」と朱雀が言い出した。
「何か確かめる方法はないの?」と有が聞いてみる。
ボスは首を横に振る。
リンが少し考えた後、「やっぱり危険に陥った時しかわからないよ」と答えた。
オオクニヌシが匂いを探すが彼の匂いは見つからなかったそうだ。
それ以外にもやる事が山程あるが取り敢えず無事だったキャンピングカーに全員乗り込むとその場から離れる様に車を走らせた。
「俺たちは空港でいいよ」とオオクニヌシが言うので先に空港に向かうことにした。
そしてそこからどうするのか考えることにした。
空港までは三十分もかからないで着いてしまった。
オオクニヌシ達四人が降りると急に車内が広く感じた。
「それで、どこに向かいますか?」
「そうね、一応緊急時のアジトはあるんだけれどそこが無事かどうか」
「どこにあるんですか?」
「それが一番の問題、忘れちゃったの」とボスは舌をぺろりと出しながら可愛らしく言った。
「大問題ですよ」
「そうよね、でも大分昔に使っていた場所だから」と言うと考え始めた。
有は取り敢えず空港を出ると近くのキャンプ場を目指した。
「場所を思い出すまではキャンプ場を転々としますからね」と有は言った。
そして走ってる途中でようやく透が目を覚ました。
「よう、どうだ?」と聞いてくる。
「ダーリン、アジト壊れたよ」とリンが言う。
「あいつは?」と慌てて起き上がると辺りを見渡した。
「逃げられたわ」とボスが透を寝かしつけながら言う。
「そうか、負けたか」と悔しそうに言うと、
「負けてはいないと思うよ」と命が慰めてくれた。
「ありがとよ」と言いながら素直に横になる。
「でアジトが壊れたんだろ? どうするんだ?」
「キャンプ場を巡るさ」
「兵達は?」
「みんな亡くなった」
「それは残念だ」
取り敢えず富士の麓のキャンプ場を目指して走った。
読んでいただきありがとうございます。
続きはまた明日考えます!
ではさらば!!!




