猿と豚と河童と変態
もうストックありません。
大変です。
かきまくります!!!
砂漠を半分くらい歩くとオアシスが現れた。
三人がゆっくり近づくと何かに吸い込まれる様な気がした。
「何かに引っ張られた気がするんだが」
「感じだね、リンさんは?」
「これは変態の仕業よ」
「変態?」
「昔有名な変態坊主がいたの、それを凝らしめる為に邪魔な妖怪達をつけたの」
「それって……まさか」
「その中の猿があなた達の欲しがってる物をもってるはずよ」
そこに一人の人が現れた。
髪の毛は無く、男か女かよく分からない見た目だが声も高い。
「私は三蔵法師と言う、君たちは知らないだ……」
リンを見つけると動きが止まった。
「変態、猿の輪っかが欲しいから出しなさい」
しかし三蔵法師は動かない。
「困ったね」とリンは言うと、懐からナイフを取り出した。
三蔵法師はそれを見ると震えだした。
「お前一体あいつに何したんだよ」と透が言うと、
「お仕置きだけ」と答えた。
三蔵法師の後ろからゾロゾロと妖怪達が出てきた。
河童達、豚人間達、そして孫悟空と呼ばれる猿が現れた。
「ちょっと待って、誰が沙悟浄?誰が猪八戒?」と有が聞くと、河童も豚も皆んな手を挙げた。
「マジかよ、こんだけいれば強いだろ」と透も呆れながら言った。
「河童は私の仕事出来なかった、豚は気持ち悪い、猿は死ね」と説明してくれた。
「うるさい、うるさい、俺様はな猿は猿でも神の使いなんだよ」と悟空が言う。
「悟空さん、頭の輪っかくれませんか?」と有はいきなり言ってみた。
「いやだ、これ気に入ってるから」
「それ頭きつくなるんですよね?」
「だからいいんじゃないかよ、君達にはこれの良さが分からないのか?」
「すいません、分かりたくありません」
「まぁいい、これは我が姉上から頂いた物だ渡すわけにはいかん」
「あいつドMでシスコンかよ、俺西遊記好きだったのに」と透が言うと、
「少し幻滅したよね」と有も言った。
悟空は棒を取ると構える。
「如意棒か、あれ欲しいな」と透は言いつつ刀を抜く。
刀身が紫に光っているのを見ると悟空は棒を下ろした。
「ずるい、本当にずるい、そんなん出されたら勝てないもん、戦わないよ、俺は意地でも戦わないね」
「それ伸びるんじゃねぇのか?」
「棒が伸びるわけないだろ」
「如意棒じゃないのか?」
「如意棒?あぁあれは只の作り話だよ、実際には無い」
「おい、あいつぶっ殺していいか?」とイライラしながら透が言う。
「ダメよ、あの頭の物はあいつが生きているうちに外さないと使い物にならなくなる」
「なぜだ?」
「あいつが死んだら自動的に死体を消し去る為に爆弾入れた」
「何でそんなもんいれたんだよ」
「消したかったから」
透は少しバカらしくなってきて刀をしまうと、
「もういいから早くよこせ、時間が無いんだよ」
「俺は孫悟空だぞ、いいのかその態度」
「いいんだよ、死ななきゃいいんだろ腕くらい簡単に切り落とせる」
「恐いよ、三蔵助けてよ」と悟空は言うと三蔵法師は、
「お前たちやっておしまい」と豚と河童に言ったが誰も動かない。
「こうなったら真の力を見せるしかないか」と三蔵法師は言いながら近づいて来た。
さすがに透と有は構えた。
目の前までくると急に視界から消えた。
慌てて下を見ると土下座をし、
「すいません、勘弁してください」と必死に言っていた。
二人は呆れて口をあんぐり開けて三蔵法師を見た。
すると横からリンが来て三蔵法師の頭を蹴り始めた。
「とっととよこせ変態、あの猿は無くてもいいんだよ、殺してやるから安心しろ」
と笑顔で言いながら蹴る。
「やめてくれ、三蔵を蹴るなら俺を蹴ってくれ、いや蹴ってください」と孫悟空は走ってやって来る。
リンは銃を取り出すと、孫悟空を撃った。
孫悟空が倒れるとリンは近づき頭の輪っかを外した。
「それ死んだの?」と一応有が聞くと、
「眠っているだけよ、今はね」と返した。
三人は戻ろうと歩き始めた。
しばらく歩くとまた引っ張られた様な気がして河童と豚の後ろに出た。
「あれ?」
「どうしてだ?」
「結界か」
とそれぞれの反応をすると三蔵法師が立ち上がり胸を張りながら言った。
「この結界は誰も出る事は出来ないすごい結界なのだ」
リンは首を傾げながら言う。
「もしかしてあなた出られないの?」
「ハハハ、馬鹿を言うな出られるに決まっているではないか」
「おい、あいつ絶対に出られないぞ」と透が言う。
「あぁ透が飛行機平気って言う時と同じ顔してるからね」
「ちょっと待て俺は……」
「わかったから今その話はよそう」
「あぁわかった、であいつどうする?」
「消してしまえばよろしいよ」とリンが言う。
「残念でしたー、俺が死んでもこの呪い……術は消えません、俺すごいもん」
「だそうだぞ」
「あなた刀で切ってみて、黒刀使える?」
「いや透には使えないんだよ」
「そう、じゃあみんなここに閉じ込められたままね」
「わかったよ、でもコツとかあるのか?」
「さぁ?私使えないからわからないよ」
透は諦めると集中しだした。
「頑張れー俺たちをここから出してくれー」と三蔵法師は応援する。
それに続き河童と豚も応援する。
「黙れ」と透に言われみんな大人しく見守った。
しばらくすると刀が赤くなった。
更に力を込めると段々と黒くなる。
「透大丈夫か?」と有は心配そうに言うが透は、
「あぁ」と答えた。
それからしばらくは赤に戻ったり黒くなったりしていた。
リンはいつのまにか三蔵法師を四つん這いにさせて上に座っていた。
「まだか?」とリンは言う、
「もう少し待て」と透は答える。
「そうか」と答える。
有はスマホを取り出し電話してみようとするが繋がらない、当たり前かと思いしまった。
「なぁ有とか言う君、外の世界は男性はこんな扱いを受けるのか?」とリンの下から声が聞こえた。
死にそうな顔をした三蔵法師が全身をプルプルさせながら言う。
「いえ、彼女だけだと思います」と白い目で見ながら言った。
「私は坊主だ、誰かの為に一生懸命支えるのも仕事なんだ」
「じゃあ坊主辞めて椅子になればいいじゃない」とリンが笑顔で言う。
三蔵法師は心も体も限界が近づいて来た様だ、なんか一人で訳のわからないことを呟いている。
その時空気が急に変わり透の周りが黒い球で覆われ始めた。
「あら彼順番がおかしいわね」と言いつつもリンは動く気がないようだ。
完全に黒い球に覆われると球の周りを電気が走る。
そして球が動き始めて結界にぶつかった様だ。
ピキピキ
と音を立てて結界が崩れ去る。
外はもう夜であった。
「出れたわね」とリンは平然と言う。
透は平気かと見てみると刀をしまい歩いて来る。
「俺はやっぱりすげぇ」と笑顔で言う。
「あぁすごい男、惚れたよ」とリンが言う。
すると喜びながら無言でサインを送る。
三蔵法師を立たせると先に歩く。
後ろで透はリンの肩を抱き寄せようと手を回して触れた瞬間透は投げ飛ばされた。
「調子乗ると殺すよ」と笑顔でリンは言っていた。
読んでいただきありがとうございます。
絶対に妖怪はUMAです!
河童います!
豚います!
猿います!
三蔵法師います!
全部UMAです!!
え?三蔵法師人間?
ワタシニホンゴワカラナイ