表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/51

ベアウルフ

頑張りますのでよろしくお願いいたします。

この話は第二話から少したった頃のお話です。

 この世にUMAが居る限り私は探し続けます!


 全てのUMAが人間に造られた被害者なのです!



 テレビから流れて来る音を聴きつつベッドの上に寝転がっていた。

 今日も最悪な一日だった、そんな風に思っていると声がかけられた。

「咲お風呂入って」

「はーい」と返事はしたがなかなか体が動かない。

 また何か言われるかなと思いつつもしばらくそのままでいた。

 下の部屋からは物音がしている、お母さんが食器を片付けてるのかなと思っていたがお皿が割れる音がした。

 慌てて飛び起き階段を駆け下りるとそこには狼の様な男が立っていた。

「キャーー」と叫ぶと私は外に走り出した。

 外に出てしばらく走ると人にぶつかった。

「あの、助けて下さい」と私は必死に助けを求めた。

 その時が彼に出会った最初だった。

「大丈夫か、お嬢さん」と低いけど聞き取りやすい声で言うと私はホッとして顔を上げた。

 その人は髪を短く整え軍人みたいに見えるがジーパンにシャツと言う格好で銃らしき物を手に持っていた。

「あの、母が…」と言うと男が私の口に指を当て、

「家の場所だけ教えてくれないか」と言われて素直に教えた。

「付いて来るなよ」と男は言ったが付いて行った。

 男は玄関を開けて中に入るとすぐに母親を見つけた。

 しかしもうすでに息はなくお腹らへんが噛みちぎられていた。

「食後かよ」と言うと後ろを見た。

 少女が立っていた、このままでは泣き叫ぶのがオチだなと思っていると案の定泣き出した。

「勘弁してくれよ」と言いながら男は彼女を外に連れて行き、慰めながら携帯を取り出した。

「こちら兎です、ベアウルフが現れたみたいです」

 と兎と名乗った男は言った。

 どちらかと言えば狼みたいなのにとみていると男は電話を切った。

「素敵なお嬢様のお名前をお聞きしてもいいですか?」

「はい、山田 咲といいます」

「そうか、俺の名前は兎 透」

「うさぎって苗字なの?」

「あぁそうだ可愛いだろ」と口元だけ笑いながら言った。

「ところでこの後どうする? ママの仇一緒に討つか?」

 そういわれ先ほど見たものを思い出すと急に吐き気がしてきた。

「まぁなんだ、吐けば楽になるさ」と言うと背中をさすってくれた。

 しばらくすると落ち着き話が出来るようになった。

「私にも何か手伝える?」

「あぁもちろん」

「何が出来る?」

「そうだな……」と言って考えた後何か思いついたような顔をして、

「オトリ」と言った。

「それは手伝いと言えるの?」

「言えないか」と言うと透は立ち上がり、

「まぁ狩ってくるからしばらく大人しくしてな、ホテルは用意してやる」と言うと手招きしたので付いて行った。

 見るからに安そうなホテルに着くと部屋を取ってくれた。

 部屋に入ると扉という扉を全部開け窓の鍵を調べ、

「ここなら安心だ」と言った。

「本当に?」

「まぁ奴は鼻がいいからすぐに見つかるかもな」と言うと何やら懐から布の黒い袋を取り出すと

 咲に渡した。

「何これ?」

「これか?これはまぁベアウルフが嫌いな匂いがするもの」

「何なの?」

「知らない方がいい」

「開けていい?」

「絶対に開けない方がいい」

 と、その時透の電話が鳴った。

「あぁどうした?」

「なに?」

 などと言った後電話を切ると、

「俺の相棒がここにくる、どうやらベアウルフは君を気に入ったらしい」

「なぜ私?」

「匂いがいいからさ」と笑いながら言った。

「そういう冗談はもういらない」

「すまん」

「で、本当の理由は?」

「若くて身体が綺麗な娘を選んで子供を産ませる」

「身体が綺麗?」

「まぁなんだ……つまり……その……」

 そこで咲は気がついた。

「悪かったわねまだ経験なくて」

「いや悪いとは言ってない、ただ標的にされると言っただけだ」と慌てて弁明した。

 すると扉がノックされた。

「誰だ? カラスか?」

 すると外から、

「あぁカラスだ」と言ったので覗き穴から覗き、

「初恋の相手は?」と聞いた。

「ふざけてる場合か? わかった、花子さんだよ」と勘弁してくれと言う感じに言った。

 透は笑いながら扉を開けると少しオタクっぽい男が立っていた。

「花子さんに謝れよ」と言いながら入ってくると扉を閉めて鍵をかけた。

「初めまして、カラス 有と言います」と丁寧に挨拶し握手を求めてきたので、

「山田 咲ですよろしく」と言って握り返した。

「お似合いだな」とニヤニヤしながら見ている透に、

「黙れ」と有は言った。

「ところで貴方も化け物を狩るの?」と咲が聞くと、

「まぁそうかな」と曖昧に答えた。

「半分はこいつが作った」と透が言った。

「正確には半分も作ってない」

「そうかよ、核をつくったんだから半分でいいじゃねぇかよ」

「核は別のことに使うんだよ」

「わかったよ、俺が悪かったさ」と言うとベッドに座った。

「お前らも座れよ」と言われたのでそれぞれ椅子に腰かけた。

「それで被害者は?」と有が聞いた。

「私の母です」

「あ、ごめん、ご愁傷様」と慌てて言った。

「いいの、もう大丈夫」

「でもこれで狙いは咲ちゃんだとわかったよ」

「だから言ったろ、オトリが出来るって」と透が言った。

「ちゃんと説明しろよ、いいかい咲ちゃん彼らは一人で種子を作ることができない様にプログラミングされているんだ、まず必要なのは種子となるDNAとそのDNAに似た人が必要で、しかも誰とも性行為をしたことない人がいるんだ」

「なんでそんなもの作ったの?」

「僕が作ったのは全然別ものさ、恐竜やマンモスを生き返らせる為にDNAから自己で種子を作れるようにしただけだよ」

「一緒だろ」と透が言った。

「僕の核は対象を食べるんじゃなくて核に注射する事で種子を作るんだ」

「わかったよ」

「ねぇところでどうやって倒すの?」

「それは簡単だ」

「この銃を使えばいい」と言って懐から取り出したのは先ほどの変な形の銃だった。

「これはスタンナイフ銃と言って銃とナイフが合体してる物だよ」

「これで倒すの?」

「こいつの弾に奴の核を壊せるウイルスみたいなものが入ってるんだ」

「ナイフいる?」

「俺もいらないと思う」と透が言った。

 その時熊の様な鳴き声が扉の向こうからした。

「ベアウルフがお出ましだ」と言うと透は立ち上がり咲の前で立った。

「袋持ってろよ」とウインクした後扉に少し近付いた。

 有も立ち上がると銃を構えた。

 扉がミシミシと音を立てた後バキッと音と共に二メートルくらいの熊の様な狼が現れた。

「やっぱり来たか」と透は言うと素手で殴りかかった。

 しかしベアウルフは後ろに下がったと思ったら体をバネにして透に飛び込んで来た。

 透はそれを受けると壁まで吹き飛ばされてしまった。

 その時有が銃を撃ったがベアウルフは空中で体を捻らせて弾を避けた。

「なんだこいつは?」と有が言うと同時に有も壁に吹き飛ばされた。

 二人が床でうずくまってる間ベアウルフは咲を探している様であった。

 しかし目の前にいるはずの咲を見つける事は出来ず部屋をウロウロしていた。

「なんで大丈夫なの?」と咲が言うと、

「君からは二種類の人間の匂いがしてるからさ」と言った。

「どう言うこと?」

「全部終わったらな」と言うと透は立ち上がり後ろから頭を撃ち抜いた。

 ベアウルフはよろけるとそのまま逃げてしまった。

「追うぞ」と透は言うと走って行き有はなんとか立ち上がると、

「付いて来て」と言い走り出した。

 咲は訳がわからないまま付いていくことになった。

 三人は裏路地を走っていたが全く追いつけそうになかった。

「GPSで探そう」と有が言うとスマホを取り出し何かいじり始めた。

「それでどこだ?」

「待ってもうすぐわかるから……西に三百メートル行ったところだ」

「何がある?」

「病院だ」と言うと透は走り出した。

 二人は後を付いて行こうとしたが透が振り向き、

「車で病院まで来てくれ」と言っていた。

 有は頷くとホテルの方に戻って行った。

 咲は後について行くと一台のキャンピングカーが停まっていた。

「さぁ乗って」と有が言うので中に入るとまるで家の様で生活感も出ていた。

「散らかっててごめんよ、でも席はあるから」と言って助手席に乗せ走り出した。

「なぜ病院に?」

「多分君に似た匂いの子がいたんだね」

「そんな筈はないは私には母しかいないもの」

「じゃあ臓器提供したとか?」

「してない」

「もしかして君に内緒でもう一人娘がいたのかも」と言うとアクセルを踏み込んだが、大通りに出ると渋滞にはまった。


 その頃透は走って病院に向かっていた。

 近づくと病院は五階建ての大きな大学病院であった。

「おい、マジかよ」と言うとすぐに中に入った。

 どこに行ったかはすぐにわかるくらい壁は傷だらけで人も殺されていた。

 傷を追いかけると四階の部屋にたどり着いた。

 そこにはベアウルフが一人の少女が捕まえていた。

「手を離せ」と銃を構えて言ってみたが効果はない、

「そうだろうよ」と言うと透は少しだけ近付いた。

 ベアウルフは動かずに透を見ているが右手には少女を持っている。

「その子では子は産めないぞ」と言ってはみたが確証はなかった。

 少女は気絶しているのか微動だにしなかった。

「生きてるよな?」と言うとベアウルフが答えた。

「生きてる」

 これには流石に驚いた。

「喋れるのか?」

「私を殺す気か?」

「無視かよ、まぁいあ殺す」

「それは困る、実験は成功したのだこのまま種を増やす」

「何言ってやがる、その子は病気だ」

「この子は囮だお前が使った様にな」と言うとベアウルフは窓の外を見た。

 ようやく来たかと思った時胸にも一発弾が当たった。

「核はそこには無いさ」と笑い出した。

「核を隠すなんて賢い奴だ」と透も笑ってみせた。


 有と咲はキャンピングカーの中で探し物をしていた。

「一大事になんで物探しなのよ」

「済まないと思ってる」

「誰がこんなに汚したの?」

「あー、それは透」と言われて納得してしまった。

 すると有が見つけた。

「やっと見つかった、このメガネで核が見える」と言うと更に何か長い棒の様なものを出した。

「これは?」

「これは特殊な金属で出来てる刀だよ透の好きな武器」といい持って降りた。

「メガネは咲ちゃんがかけなよ」といい渡されたのでメガネをかけると病院の四階で何かが光った。

「四階のあの部屋光ってる」と言うと有は咲を連れて走り始めた。

 二人が部屋に着くとベアウルフは待っていたかの様に立っていた。

「弾が無くなった」と透が言うので刀を渡した。

「これでぶった斬れる」と言うと鞘から刀を引き抜いた。

 刀身は紫にひかっている。

 しかしベアウルフはそれを無視し、

「お前確かカラスだったよな?」と有に向かって言った。

「話せるレベルか」と有が独り言を呟くと、

「話せるレベルだよ、ほら私だ」とベアウルフは言い出した。

「お前化け物の友達いたのか?」と透が言うと、

「いるわけないだろ、てことは元は人間?」と聞いた。

「私は自分の病気を治すためにこうなった、しかし問題はないベアウルフが完成したんだ」

「病気?一緒の実験室で病気の人は……山田 真司さん?」

「ようやく思い出したか……」

「ちょっと待ってよ、それ私のお父さんの名前と一緒じゃない」

「マジかよ」

「そうだ君の父親だよ」

「じゃあその子は?」

「これは君の妹で、私と同じ病気なんだ」

「おいおい、勘弁してくれよ自分の妻を喰ったのか?」

「当たり前だ、彼女とはDNAが合っているからな」

「救いようのない親父だな」と透が言うとベアウルフの右手を切り落とした。

「なんだこのスピードは」と言いながらベアウルフは切られた右手を押さえながら窓から外に飛び降りた。

「行くぞ」と言うと透と有は出て行った。

「私の妹……」と言うと咲は彼女をベッドに寝かせて側に座った。


 外まで出るとベアウルフは右手が再生していた。

「不死身かよ」と透が言うと、

「核を壊さない限り何回でも再生するのは知ってるだろ」と言った。

「知ってるよ、言ってみただけ」と言うと二人は構えた。

「メガネは?」

「あ、咲ちゃんだ」

「もういい」と言うと透は素早く動いた。

 ベアウルフは跳び上がって避けると共に回し蹴りを透に食らわせた。

 それを左手で受けながら右手の刀を切り上げた。

 かすった程度で避けると透の正面に立った。

 その時背中に弾が数発当たった。

 構わずベアウルフは透を殴りつけた。

 透は道を滑る様に吹き飛ばされて壁にあたり止まった。

「もう無理」と言って気を失った。

 ベアウルフは残る有に向かった。

「戦闘は苦手なんだよ」と言いながら後退し銃を構えたがその時にはもう既にベアウルフの拳が顔の前まで来ていた。

 慌てて体を倒しながら銃でガードすると吹き飛ばされた。

 ベアウルフはそのまま有に向かってくるので有は力を振り絞り足に向けて撃った。

 弾は右足に当たりベアウルフは転がった。

「これで倒せるかな」と言いながら有はベアウルフに銃を乱射した。

 弾を撃ち尽くすと有は透の方に歩いて行った。

「大丈夫か?」と言いながら透に手を差し出すと、

「なんもか」と言いながら手を差し出して来た。

 透を立たせ、肩を貸してやろうと思った時透に引っ張られてバランスを崩して二人は倒れた。

 そしてその上をベアウルフが飛び越えた。

「全身撃った」

「撃ってないとこあんじゃないのか?」

「そんなことない…いや顔は撃ってない」

「じゃあ顔の何処かだろ」と言うと二人は立ち上がり構えた。

 ベアウルフは怒っていて身体が膨れて見える。

「最終対決だ」と言うと有に撃たせた。

 ベアウルフは避けながら前に進んでくる。

 それに合わせて透が刀を一度鞘にしまい、構えた。

 息を整え距離を測っている。

 今だと思って刀を握った瞬間ベアウルフに横から見慣れたキャンピングカーが突っ込んで吹き飛ばされた。

「メガネ借りてたから弱点分からないと思って」と車から降りながら咲が言った。

 ベアウルフを見ると動かない。

「メガネ貸してくれる?」と有は言いメガネをかけてベアウルフを見たが核が見当たらない。

 周りを見回すと光るものがあった。

 近付き拾うとそれは歯であった。

「歯に仕込んだから相手を食べる事でDNAが採取できたんだ」

「え…じゃあ死んだのか?」

「そうみたいだね」

「呆気ないな、まぁいいこれで母親の仇は討てたな」と言うと咲の肩に軽く手を置いた。

「なんか複雑だけどね」と咲は答えた。

 その時に軍隊らしき物が到着した。

「何?」と咲が言うと、

「俺たちの組織の処理班だよ」と言って、

「病室に行こうか」と咲を連れて三人は妹の病室に行った。

 部屋に入ると看護師と医者らしき人達がいた。

「おぉ有くん、彼女の病気は少し難しいが核を使えば何とかなりそうだ」

「ちょっと待って化け物にする気?」

「いや違うよ、彼女の病気を治すために新しい細胞をこの核に作らせる」

「捕食が必要だがね」と医師らしき男が付け加えた。

「捕食?」と咲が言うと、

「大丈夫、獲物捕まえるわけじゃないその辺のバーガー食ってればいいだけだ」

「今回は上の者からお詫びの印として彼女を助ける様に言われてる」と医師らしき男は言った。

「お願いします」と頭を下げた。

「じゃすぐに手術だな、準備は出来てるから外で待っててくれ」

 そう言われ三人は廊下に出た。

「大丈夫、すぐに終わるよ」

「うんありがと」

「妹に会ったら何て言うんだ?」

「姉ですって言う」

「そうだね、これから二人の絆を深めるといいよ」と言って有は微笑んだ。

 咲も頷き微笑むと、

「ちょっと酒買ってくる」と言って透はどっかに行ってしまった。

 しばらく二人で待っていると看護師らしき女性が出てきた。

「まだ眠っているけどよくなるわ、入っていいわよ」と言われ二人は中に入った。

「私たちはもう帰るがここの医師には伝えておく」と言うと看護師と医師らしき人は出て行った。

「きっと仲のいい家族になれるよ」

「ありがと」

「じゃあ僕もそろそろ行くよ」と言って出て行こうとした。

「待って、また何かあった時の為に連絡先教えといて」

「そうだね、コレが僕の連絡先いつでも連絡して」と言って名刺を渡してくれた。

「透さんにも宜しく」と言うと有は頷き出て行った。


 こうして私の信じられない体験は終わった。

 今は妹と二人仲良くしている。

 ただ両親は亡くしてしまったこの事件を私は忘れる事がないだろう。

読んでいただきありがとうございます。

これは本当に個人のために書いています。

優先順位は一位にしてほしいとのことでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ