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エッセイ

小説家になろうのおすすめキーワード『古典恋愛』の存在意義を問う

作者: 榛李梓

 小説家になろうのジャンル再編が行われて、新たにおすすめキーワードというものが出来ました。その中の一つに『古典恋愛』があるのですが、このキーワードが付いた作品がどんなものか、皆さん説明できるでしょうか?


 公式のジャンル再編についてのページに書いてありますが、それによると「古典文学をモチーフとした恋愛作品」だそうです。



 私はジャンル再編のお知らせを読んだ時に、何故このキーワードが作られたのかと不思議に思いました。需要も供給も少なそうなのに、と。

 しかし、いざジャンル再編が実行されると、このキーワードが付いた作品が思ったよりも多く投稿されていて驚きました。

 私は「古典文学をモチーフとした恋愛作品」と聞いて、『ロミオとジュリエット』的な悲恋とか、現代版『源氏物語』みたいなものをイメージしたんです。そんなに多くなさそうですよね。

 あ、でも、貧乏な女子大生がイケメン社長と恋に落ちる、といった所謂「シンデレラストーリー」なら、『シンデレラ』をモチーフにした恋愛作品ということでキーワードに合致するんでしょうか。そうなると結構多そうです。



 ともかく、皆さん何をモチーフに書かれているのかな、と思ってこのキーワードで検索してみました。

 このエッセイを書いている時点でおよそ三百作品くらいあるようです。

 検索結果を眺めていると、モチーフとなっている古典文学作品の題名があらすじ等に明記してある作品もありますが、明記されていない作品が多いように見受けられます。

 明記していないだけでちゃんと何かをモチーフにしているのかもしれません。でも、個人的には元ネタがあるならどこかに書いてほしいです。何を材料にどう料理したのか知りたいんです。


 誤解してこのキーワードを付けている方もいるのではないでしょうか。運営者様もおそらく誤解される可能性を想定して注釈を付けたのだと思われます。

 初見で『古典恋愛』の意味を正確に理解するのは難しいでしょう。私も『古典恋愛』って何? 状態でした。



 また、ジャンル再編以前に『古典恋愛』というキーワードが付けられていた作品もあるかもしれません。この場合の『古典恋愛』の定義はおすすめキーワードと同じであるとは限らないと思います。

 上述した通り、『古典恋愛』と聞いてすぐに「古典文学をモチーフとした恋愛作品」と思い浮かぶ人ばかりではないでしょう。別の意図でこのキーワードが付けられていてもおかしくありません。「古典的な(王道の)恋愛もの」かもしれませんし、「古典風の(時代小説的な)恋愛もの」かもしれません。



 となると、この『古典恋愛』の中身は結構ごちゃ混ぜのカオス状態なのではなかろうかと思うんです。



 そもそもここで言う「古典文学作品」とは何か、という問題もあります。キーワード『古典恋愛』の説明の部分では「古典文学作品」の定義は明示されていません。一般的に、日本なら江戸時代以前の作品を古典と言いますが、人によっては昭和以前は古典、二十世紀以前は古典と言うかもしれません。

 この曖昧さもカオスを産む原因の一つではないでしょうか。



 本当に、運営者様は何故このキーワードを作ったのでしょうか。これでは検索に役立つとは思えないのですが……。要ります? このキーワード。


 もしこのキーワードを活用されている方がいらっしゃったら、活用方法を教えていただけると嬉しいです。どんな作品を探す場合にこのキーワードを入力するのでしょうか。参考にしたいです。



 なお、公式キーワードとおすすめキーワードは今後増減する可能性もあると書いてあるので、もしかしたらそのうち無くなるかもしれませんね。

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。 まさに「古典的な(王道の)恋愛もの」ととらえていました。 恥ずかしながら、公式キーワード一覧を確認できていませんでした。 こちらのエッセイに出会えてよかったです。 しかし、…
[良い点] 古典恋愛。 確かに何を古典とするかにより、随分と変わるジャンルですね。 このエッセイを読むまではシンデレラストーリーのことかな?と思っていたので、勉強になりました。
[一言] 丁度気になってました。
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