4 演劇部を覗いてみたら…
そんなわけで…
帰りの会後、演劇部の部室に向かいました。
さて、演劇部があるのは、4階の突き当たりの教室。その扉の前には…制服のお姉さんと、サルが1匹…失礼。サルの着ぐるみを着た人がいた。
「いらっしゃいませ~演劇部はこちらでーす。タイムセールで今ならこのサルがたったの百円!お買い得ですよ~♪」
「お買い得~お買い得~♪」
制服のお姉さんが、サルを売っていた。いや、部員勧誘をしていた…多分。
「えっと、演劇部ってここですか?」
チャレンジャーの菜穂ちゃんが恐る恐る尋ねた。エライ!!
「そうよ。部室で三年生が舌なめずりをして待ってるからね♪」
と、お姉さんの一言に…
「しっ舌なめずりぃ!?」
3人キレイにハモりました。(^O^;)
「冗談だよ~♪さぁさぁ、3名様ご案内♪」
おサルさんのお姉さんに招かれて中へ入ると…
『そこは不思議の国でした。』
……じゃなくて、ニコニコの先輩と、優しそうな先輩と、なぜか踊っている先輩がいらっしゃいました。
「ようこそ、演劇部へ。」
と、制服のお兄さん。優しいお顔。そして、それなりにイケメンですよ、この先輩。
「よかったぁ~マジで誰も来ないかと…」
なぜか、犬をかぶっているお姉さん。ニコニコが泣き笑いに変わっちゃってますな。
「梓ってば、大げさだなぁ。」
こちらは、ネコ耳をつけたお姉さん。まだ踊ってるよ…。
「あの、琢磨先輩。俺、勧誘まわってきたいんですけど…。」
と、いいながらカーテンの裏から、サンタのお兄さんが出てきた。まさか、カーテン裏で着替えてたのか!?向こう側は窓だろ!?ベランダだろ!?フリーダムすぎますよ!!いいんですか!?そんなんで!!
「竜か。いいぞ。行ってこい。」
「あれ?竜ちゃん1人で行くの?咲でも連れて行けば?」
「え?私?」
驚くネコ耳先輩。でも踊りは止めないというねww
「もう、圭一先輩も外に出てるんで。とりあえず、行ってきます。」
「そう?いってらっしゃい。」
「いってらっしゃ~い。」
みんなに見送られたサンタのお兄さんと入れ違いで、受付のお姉さん達が顔を出した。
「4名様入りま~す♪」
「まぁ~す♪」
扉の向こうから現れたのは…
「お、優李じゃん。」
うちのクラスの男子と担任だった。
「お、悪ガキトリオ。君らも入部希望?」
梓と呼ばれていた先輩が笑顔で対応。
「いや、哲兄が来いっていうから仕方なく。」
男の子が無表情で受け答えた。
「別に行きたいところもなかったしな~。あと、梓姉!!もう悪ガキトリオは止めってくれって言ったのに…。」
「と、いうわけで優壱と星と翔馬。3人入部な。」
先生も笑顔で対応。
「え!?哲兄、そんなの聞いてない!!」
「何を慌てているんだ?翔馬。こうなることは目に見えていただろ?それなのに、ついてきたおまえが悪い。」
「じ、じゃあ星はいいの!?」
「これから仕事をしていくうえで、演技力は大切だからな。」
「えぇ…わかったよ…。」
星くんという子の諭しに翔馬という子も大人しくなりました。
冷静君は、星くんっていうんだ…同じクラスなのに知らなかった…。
「これで、廃部は免れたな。にしてもお前たちの学年は気が早いヤツばかりだな…もう殆どのヤツらが部活を決めていたよ。」
「え!?ウソ!!」
先生の一言に梓と呼ばれていた先輩が部室を飛び出していった。
「あの、先生?」
千津ちゃん、勇気を出して一言。
「どうした?七瀬千津。」
「状況を全く読み込めないのですが…。」
「あ…まぁ、3人が戻ってきたら話そうか。」
「じゃあ、それまで一緒に発声練習しよっか。」
と、いうわけで謎が大量に残る中、ネコ耳先輩に促され、私達1年生は発声練習を始めました。