3 友達
体育館では、部活動紹介を行う、とのこと。サプライズにする必要あったのかな……?
えー。舞台ではすでに、生徒会主催の部活動紹介が始まっていた。
だが、人が多すぎて見えない。まぁ、1年生だけでも7クラスあるしね。背の順だから真ん中あたりなんだよな~。
仕方がないので、先程配られた冊子を見ることにした。
女子テニス部、男子テニス部、女子バスケットボール部、男子バスケットボール部、ソフトボール部、野球部、卓球部、サッカー部、応援部、チアリーディング部、ダンス部、陸上部、バドミントン部、バレー部…。
運動部は、惹かれる物がないな。運動する気なんてないし。
どうやら、クラブ活動もあるみたい。あ、人数で変わるんだ。演劇部が廃部寸前っていうのは、10人から部活認定だからか。なるほどね。
華道・茶道部、調理部、手芸部、書道部、園芸部、演劇部、吹奏楽部、パソコン部、囲碁・将棋部、科学部…。
どうせなら、文化部にしよう。うん。そうしよう。
頭の中、一人考察中。
すると、後ろの子が話しかけて来た。周りを見ると結構話してる人がいた。先生に静かにしろと言われたのを聞いていなかったのだろうか。……気持ちはわかるけど。
「えっと、佐藤優李ちゃんだよね?優李ちゃんって呼んでもいいかな?」
美人だった。
「あ、うん。えっと…」
「私は、七瀬千津。前の菜穂の姉よ。」
「千津ちゃん達は、双子なの?」
「ううん。年子。偶々同じ学年になったんだ。」
「へぇ…。珍しいんだね。」
「そうかな?それより、優李ちゃんは部活、どこにするか決めた?」
「ねぇ、まだなら演劇部にはいろうよ!」
私の少し前に座っていた、菜穂ちゃんも話しかけて来た。この子もとても可愛らしい。って、演劇部!?
「私達、演劇部に入ろうと思ってたんだけど、なんか廃部寸前って聞いて迷っちゃって。」
「だから、私とお姉ちゃんと、あともう1人入部する人がいたら入部しようって話になったんだ。」
「なるほどね。でも、なんで私?」
2人は少し考えると同時に一言。
「「偶々。」」
「あ、そう。」
私が呆れたように言うと、慌てたように
「別に、適当に決めた訳じゃあないから!」
「あの、ほら、クラスの子が先生に演劇部の質問をしたときだけ、顔色が変わったように見えて!」
と、言い出した。
まぁ、顔色が変わったのは思い違いではないと思う。
演劇部には、少し興味があったから。
「もともと、文化部に入ろうと思っていたし、いいよ。演劇部で。楽しそうだし。」
「!!本当!?やった!」
と、菜穂ちゃん。
「よかったね。菜穂。」
と、千津ちゃん。うん、2人とも可愛らしい。
「この後の部活体験、行ってみる?」
私が聞くと、2人とも笑顔でうなづきまくってくれた。そんな2人を見て、首がはずれなければいいけど…と、1人心配している私なのでした。
その後、七瀬姉妹は首を痛めたそうです。