1 初日終わって、2日目です。(´・ω・`)
桜の花びらが散りきった頃……実は昨日、私は中学に入学した。
なんてことはない。単純に桜が散るのがはやかっただけだ。
おかげでお花見し損ねたし、桜の下の集合写真はもうすでに葉桜だった……。
そんなことを考えながら階段を登る。けれど、人とは1人もすれ違わない。
理由。遅刻したから。
「おはようございます。先生。さすがに2日目から遅刻するとは、思っていませんでした。目覚まし時計が寝坊しまして。以後、気をつけます。」
教室の扉を開けながら、笑顔で一言。
「…遅刻したのに随時堂々としているのではないかい?」
おそらく担任教師だと思われる男性推定20代。
「ちゃんと、後ろから入ってきたじゃないですか。」
私が拗ねたように言うと
「ところで、目覚まし時計が寝坊とは?」
「お母さんですね。」
「あ、なるほど!えっと、君は佐藤優李さん?」
「はい。」
「今日は見逃してあげるから、早く席に座りなさい。」
と、促した。どうやらずっとお説教されるということにはならなかったようだ。うん。よかった。
席についたところで、異変に気づく。
「隣がいない…?」
と、その時。
「おっはー。センセ。遅刻しちゃってすいませ~ん。」
ちゃらけた全く反省の色ナシとうかがえる男子生徒が入ってきた。
まぁ、人のことは言えないが。
「鳴宮優壱くん?遅刻したのに、全く反省の色が見えないのだが?全くお前と言う奴は…」
先生は僅か数分で、随分と年をとったように見えた。
「あ、疲れたんで座っていいですか?」
彼は、げっそりとした顔の先生に向けて、あっけらかんと言い放った。かなりの強者とみた。
「疲れたのは、こっちだよ……。」
先生の話を聞く気がない様子の彼は…私の隣に座った。
…ですよね~。だって空いてる席は私の隣だけですし?
「…この学年の男女ともに2位の2人が、揃って遅刻とは…本当に珍しいクラスだな。」
この一言で、不思議な席の並び方の謎がとけた。どうやら順位の並び方だったらしい。
って、え?私が学年2位?
てっきり真ん中ぐらいかと思ったのに。まぐれか。確かに試験日は勘が冴えてた。……というと、隣のコイツも学年2位?
「ふぅん。やっぱり星が一位か。あ、隣のお前、名前は?」
「さ、佐藤優李だけど…。」
「そっか。名前、可愛いじゃん。よろしくな、優李。」
「……は?」
これが、コイツ。鳴宮優壱との初めての出会いでした。
主人公、少し怖いですね・・・。性格、変わっちゃったかな?