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演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
夏休み~開始~
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38 夏休みスタート!

今日は、夏休みに入ってから丁度一週間後の月曜日。勿論、部活の日です。

いつも通りぐだぐだするかと思いきや……。中Tの強制的勉強会(主に梓先輩と菜穂のためだけ)が開かれました。



「中T!問5ってどうやって解くの?」


「お前、そんなことも分からないのか!?中一からやりなおせ!」


「うぇ!ヒドいよ、哲にぃ!ああ、イライラする!!竜!あんたも道連れにしてやる!」


「梓先輩!?分かりました!分かりましたから、離してっ!」


あーあ、竜ちゃん先輩捕まった。


「中T!この問題、コレであってる!?」


因みに、梓先輩と菜穂が中Tにしごかれております。いつ終わることやら……。国語がダメだと聞いたけど、ここまでとは。竜ちゃん先輩ドンマイです。


「あのね、星くん!私、地理が苦手でねっ?この問題解けなくて……」


千津は地理だけダメなんだよね〜。この前のミニテストの前、「県庁所在地とか覚えらんない!」って嘆いてたもん。


「地理かぁ…。俺も歴史がイマイチ覚えらんないんだ。」


嘘つけ!星くんは全て完璧でしょう?


「じゃあ、歴史教えてあげるから、地理教えて!」


如何にも、彼女が彼氏に言うセリフね。


「あぁ、勿論。」


あーらら、ラブラブですこと。まぁ、幸せなのは好いことだし、放っておきますか。ここでリア充爆発とか言っても、ね。あ、私もリア充なのか。


「だあぁぁああ!ナンダコレ!血漿(けっしょう)?血液?赤血球?もう分からん!!翔馬、俺と一夜に理科教えてくれ!」


千津とほとんど同じセリフを!?まさか、翔馬くんと稔くんと一夜くんでラブロマンス……?


あ、こんなこと考えちゃいましたが、私は腐女子ではないです。偏見はありませんが。

いとこの麻莉(マリ)ちゃん(年上、美人)が腐女子なもので。知識だけはあるんです。


あれ?何の話だったっけ?そうそう、勉強だったね。理科理科。


「理科?別にいいよ。……但し!」


!?


「なっなんだよ?」


稔くん、翔馬くんの突然の大声にビビっています。私もビビりました。


「今度昼飯奢れよ?」


翔馬くん、茶目っ気たっぷりな笑顔でにこーっ!わぉ、レアだ!


「なぁ〜んだ。それぐらいなら、どうってこと……」


「でも稔、俺ら金欠……。」


一夜くん、ナイスツッコミ。


「そうだった……お手頃価格のファーストフードでいいか?」


「しょうがねー。交渉成立だ!」


ヘロヘロの翔馬くん(←失礼)しか見たことなかったからああいう翔馬くんは新鮮です。

あ、菜穂が翔馬くんのこと見てる。まぁ、見つめ合っちゃって……バシン!

あーあ、菜穂ってばノートではたかれてやんの。そんな菜穂を愛おしそうに見つめる翔馬くん……早く、くっついてくれないかなぁ?


ん?先生が生徒の頭を叩くな?暴力反対?これは別でしょ。何せ、愛があるから……


「コラ、菜穂!お前はこっち!早く終わらせろ。」


「はぁ〜い。」


そうそう。ちゃんと自分が悪いって分かってるもんね。文句言わないのは分かってる証拠。ここで「教育委員会に訴える!」なんていうヤツはバカだよね。自分の為にしてもらっているっていうのがわからないんだもん。


「ゆーうり♪」


「!?」


耳元で囁かれて、何事かと振り返ると、肩越しにアップの優壱。


「お嬢さん、何してるの?一人で暇じゃない?僕とデートしない?」


「あんたはホストか?……ただのナンパ男か。」


「うわぁ〜、ヒッドーイ。もぉー、つれないなぁー。」


口を尖らせるキミ。


「男が口尖らせてもかわいくないよ。」


「いーだろ、別に。」


「はいはい。」


「なぁ、何でこんなところに居るんだ?」


「別にいいでしょ、気分。」


「だからってこんな隅にいなくても……」


そう、私は部室の隅で膝を抱えて宿題をやっていた。


「いいの。一人の方がはかどるし。」


「……圭一先輩に教えてもらえないから?」


「………。」


「……圭一先輩は咲先輩に教えてるから?」


「自分から言う勇気なんて無かったし……諦めるしかなかったの。」


圭一先輩は、勉強会が始まった瞬間に、咲先輩にコーチを頼まれてしまったのだ。

「みんなに内緒にして下さい。」と頼んだのは私。

それなのに、「私の彼氏なんですっ!とらないで下さい!」なぁんて調子のいいこと、言えるはずもなかった。


だからあえて、みんなの目のつかないところで観察しながら、ぼちぼち宿題をやっていたってわけ。


「そっか。そうだよな、ごめん。」


「別に。あんたこそ、咲先輩にさり気なくコーチ頼めばよかったのに。」


すると、彼はあっさり。


「それはムリ。咲先輩バカだから。」


と、言った。初耳!


「えっ!マジ?」


「あぁ。今の学力俺の方が高い。咲先輩って、下から数えたほうがはやいらしいぜ?まあ、バカな子ほど可愛いっていうし。」


そう言われてみれば、優壱って頭よかったっけ。咲先輩の学力をゆうに超してるんじゃないかな。


「あー、ねぇ優壱、琢磨先輩知らない?」


「琢磨先輩?先輩なら弁当とりに帰ったよ。忘れちゃったんだと。でも何で琢磨先輩?」


圭一先輩や咲先輩や梓先輩や竜ちゃん先輩はムリでも、早苗先輩や栞先輩だっている。それなのに、『何で琢磨先輩?』だって……


「う、ううん。何でもない。私トイレ行ってくる。もし聞かれたらよろしくね。」


「あ、あぁ。行ってらっしゃい。」


優壱はすこし不思議そうな顔をしていたけど多分誤魔化せただろう。うちの部活で部室外に出るときは申告が義務。つまり、日常だから。話を逸らすのには丁度よかった。



咲先輩に嫉妬した。憎いと思った。妬ましく感じた。

この感情は、誰にも知られたくなかった。



………誰にも。




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