表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
部活を決めました。
14/56

10 やっぱり…

「おはよう。」


2人が席に着くと同時に話し掛けた。


「おはよう。」


「おはよ~!」


千津ちゃんはすごく眠そうで、菜穂ちゃんは逆にすごく元気そうだった。


「ねぇ、2人共。」


「なぁに?」


「何々?」


「あのさ、クラスのグループなんだけど…。」


「あぁ、別に入る気ないよ。優李ちゃんがいれば。ね、菜穂。」


「うん。お姉ちゃんとユウリィがいれば。」


「ゆ、ユウリィ…?」


「あ、ダメだった?」


「ううん。別にいいけど。」


「よかった!私は菜穂でいいよ!よろしくね、ユウリィ!」


「うん。よろしくね、菜穂。」


「よかったね。菜穂、ずっとニックネームで呼びたいって言ってたもんね。」


「うん!」


「あのさ、今日学校に着いてから、ずっと教室内を観察していたんだけど……。」


「何かあったの?」


菜穂が、身を乗り出して聞いてきた。


「あぁ、別に心配して貰う程の事じゃあないから。只ね……」


私は、さっきあったことを2人に話した。


「っていうことがあってさ。もしかして、石田さんって親が偉い人?なんか見下されてたような気がして。」


私が話していると、2人共だんだんと表情が険しくなってきた。


「あの子、中学生になっても変わらなかったんだね。」


千津ちゃんが少し悲しそうに呟いた。


「あの子の父親、篠塚グループの副社長なんだって。」


「やっぱり…。」


「あの子、きっとセイセイに取り入ろうとすると思うよ!ホントいやな感じ!」


セイセイっていうのは、星くんのことだろう。


「私たち、星くんとは小学校が違ったの。あの子、特に親が偉くない生徒には、権力振りかざしていたんだ。一種の女王様状態だったんだよ。」


「それに比べて、セイセイはすごかったよね。モテモテだったし。」


「うん。隣の小学校だったけど、いい話しか聞いたことないもん。」


うん、凄く想像できる。


「大違いだね。やっぱり、性格だね。大物は違うな~。」


「本当!私、絶対にあの子とは馴れ合えない!」


「菜穂が一番嫌いな性格しているもんね。」


「なんだか、分かる気がする。」


「私も。こんなこと言っていると、悪口みたいで悪い気がするけど。」


千津ちゃんが、自嘲するように言った。


「そんな、千津ちゃんは悪くないよ!」


「優李ちゃん……。」


「千津ちゃんと菜穂と知り合って少ししかたってないけど、あなた達が噂や、偏見なんかで人を悪く言う子じゃあないって分かるもの。」


「……ありがとう。」


「…なんか、理由があるの?」


「実は……」


ふいに、チャイムが鳴った。


「あ、予鈴だ。」


「……そうそう、昨日の部活は楽しかったね!」


「うん。お姉ちゃんと、ユウリィを誘ってよかったね!って話したんだよ。」


「ね。あ、今日は部活無いらしいよ。」


「え?そうなの?」


「うん。昨日、先生に聞いておいたの。部活があるのは、月・水・金で、イベントの前は祝日を抜いて毎日やって、朝も朝練するんだって。」


「へぇ…。意外と少ないんだ。」


「らしいね。勉強との両立もし易いからがんばるように、だって。」


「流石、先生。」


「まるで、お父さん!」


3人で笑いあっていると、お父さん…もとい先生が入ってきた。



お父さんww

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ