表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
部活を決めました。
13/56

9 グループ

………。朝になりました。今日は奇跡的に…ではなく、いつも通り遅刻しませんでした。うん、当たり前だよ。


余裕しゃくしゃくで、教室に入るとまだ数人しか来ていなかった。中学からこっちに来たので当然、昨日知り合った人しか知らないわけで……。


「なんでもありませんよ~?」「気にしないでくださいね~?」と、いうような顔をしながら席についた。


だって、こっち向くんだもん。ジロジロ見られるのって、かなり怖いじゃない。


だんだん時間と共に、教室へ人が集まって来ると……やっぱり、グループが出来上がってきてるよ。こういう時のグループパターンは約4つ。


・同じ小学校だった人

・同じ部活にはいった人

・同じ方向へ帰る人

・その他


私の場合、同じ小学校だった人はいないし、同じ方向へ帰る人も珍しい方だ。つまり、優壱も珍しいやつだったりする。と、いうことでもしもグループに所属するなら、部活しか選択肢はない。


つまり、千津ちゃんと菜穂ちゃんを待つしかない。


……小学校では、情報屋的なことをやっていて、人脈もそれなりにあったのになぁ……。知らない土地で、1から作り直しなんて……今更やる気ないよ。


ってことで、昨日配られた名簿を片手に教室の空気を伺いながら、2人を待つこと10分。大体、このクラスのグループ分けがわかってきちゃいました。


私達のクラスの女子達は、いわゆる派手グループ、地味グループで分かれてしまったらしい。


石田イシダさん、村山ムラヤマさん、小野寺オノデラさん、飯沼イイヌマさん、他4人の派手グループ。


池内イケウチさん、溝端ミゾバタさんの中立派グループ。


遠藤エンドウさん、遠山トオヤマさん、他2人の地味グループ。


きっと派手グループが、これからのことを仕切っていくんだろうな…。


あぁ、派手'sと地味'sの違いですか?


派手'sは、簡単に言うとファッションとかブランドのこととかで共通の趣味を持っている、運動部の子が多いグループ。


地味'sは、本とかアニメやボカロとかで共通の趣味を持っている、文化部の子が多いグループ。


派手'sの大抵の人ならボカロファンやラノベ好き、腐女子を毛嫌いするからな…。イマイチ運命共同体にはなれない。…あくまでも、一個人の考え方ですがネ。


今年は無事に生きていけるだろうか。イジメさえなければいいんだけどな……。女子のイジメって怖いよ。戦場だよ。男子のは知らないけど。


こんなこと考えている内に教室に来ていない女子は千津ちゃんと菜穂ちゃんだけになった。まだこないのかな…。まさか休み!?


……教室の前で固まってた派手'sの人達がこっちに向かって来た。…なんで?私、ジロジロ見てバレたらお終いだから、本読んでいるふりしていたんだよ?


しかし、やはりこちらへ向かってくる。……バレた?


すると、石田さんが話しかけてきた。


「ねぇ、佐藤さん。あなたもしかして、人見知り?まだグループに入っていないみたいだったから…。」


マジで話しかけて来やがりましたよ。しょうがないので顔を上げた。


「え…?……いや、」


「ねぇ、よかったら私達のグループに入れてあげようか?」


こっちの話を聞けよ。


「……友達待ってるから。」


「そう?じゃあ気が向いたら言ってね。いつでもグループに入れてあげるから。」


そういうと、また集団で戻っていった。


なんなんだ?あの態度は!!入れてあげる?超、上から目線!


1人バレないようにイラついていると、優壱が男子の輪から抜けて、話しかけて来た。来ているのは知っていたけど、男子だし話掛け辛かったんだよね。


「おはよう。」


「おはよう。何か用?」


そういえば、さっきの人達挨拶もしてこなかったな。あの子達、人間としてどうなんだろう。


「それ、なんて本?」


「これ?推理物だよ。それで?」


「……ずっと、本読むフリしていたみたいだったからさ。何してるのかな~って。」


「人間観察。」


「…人間観察?」


「人間観察は、無事生き残る為の大切な手段よ。」


と、いうかしないと落ち着いて暮らせない。


「お前は……優李はどこに入るんだ?」


「何が?」


やっぱり、呼び捨てかい。


「女子って、グループで固まって生活するんだろ?」


「よく知ってるね。」


「梓……先輩が、愚痴ってるの散々聞いたから。」


「なるほど。」


ここで、少し声を小さくした。

「…少なくとも派手'sには入らない。」


「…さっきのあいつらだろ?超、上から目線だったもんな。」


「あれ、聞いてたの?」


「違う。聞こえたんだ。」


聞いてたんじゃん。


「あ、男子の観察し忘れた!ごめんね、暫く話しかけてこないでくれる?」


「…了解。」


あっさり友達のところへ戻っていった。結局、何しに来たんだろう。


えっと、男子は……あまり分かれていない?まぁ、男子だもんね。あ、見ていると、面白いことがわかってきちゃいましたよ。


まず、少し根暗なイメージのある3人で1つ。


優壱、星くん、翔馬くんで1つ。


なんと、残り11人で固まってるよ!


そして、優壱・星くん・翔馬くんが2つのグループを行き来していた。これは、男子の中心グループ決定だね。


と、観察をしていると、やっと千津ちゃんと菜穂ちゃんが登校してきましたよ。



上から目線、ダメ絶対。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ