7 (-.-;)
「あぁ…翔馬、泣かないの。じゃあ、最後。」
梓先輩が、私に微笑みかけた。
こちらも笑顔で。
「あ、はい。私の名前は佐藤優李です。1年1組で、役はできそうなら、なんでもやります。使っているシャンプーとリンスは…」
ふと、黙り込んだ。あれ?シャンプー何使ってたっけ?
「どうしたの?」
梓先輩に声をかけられて顔を上げる。そして、言い訳に丁度いい物を見つけた。
「いえ、千津ちゃんの横にクモがいて…」
「え!?」
千津ちゃんが、慌てて立ち上がった。因みに、クモがいたのは本当だ。
「……。」
近くに座っていた一夜くんが、外へ逃がしてくれた。
「あ、ありがとう!」
うん。千津ちゃん可愛い。
「……。」
一夜くんは、無言だったけど頷いていた。気にするなってことかな?意外と優しいんだ。
「あの…先輩、再開しても?」
「ぁあ、どうぞ。」
どうやら、梓先輩も少なからず動揺していたらしい。
「…シャンプーとリンスは、パンテーンを使ってます。これからよろしくお願いします。」
終始笑顔を保った。
「は~い。じゃあ、これでお終いかな?」
「顧問は、いいのか?」
「中Tもやりたいの?」
梓先輩、中T呼びは決定ですか。
「あ…じゃあ、簡単にどうぞ。」
琢磨先輩に促されて、先生は話し始めた。
「え~中野哲だ。」
「はい、ありがとうごさました。」
「え!?それだけかよ!!」
先生と梓先輩がコントしちゃってるよ。
「じゃあ琢磨、時間だから締めて。」
先生の突っ込みは、あっさりスルーされていた。
「ちょっと、まった!………なんだかんだでもう暗いから、家の近いもの同士で帰れよ?特に女子!」
「じゃあ、確かめておきましょうか?…梓は俺が送るとして、他だよな。東町方面のやつ…。」
と、こんかんじで聞いていった。
その結果が、こちら。(学校から近い順に表記。)
北方面
一丁目[5分]→稔くん、一夜くん、咲先輩。
二丁目[6・7分]→栞先輩、早苗先輩。
三丁目[10分]→竜先輩、圭一先輩。
東方面
一丁目[10分]→星くん、翔馬くん。
二丁目[15分]→梓先輩。
三丁目[約15分]→琢磨先輩。
西方面
二丁目[40分]→千津ちゃん、菜穂ちゃん。
南方面
三丁目[50分]→私、優壱。
って、あれ?私の家って意外に遠い?ここの学区じゃないからかな?
「同じ方面のヤツらは、一緒に帰ること。七瀬の家は俺が送るから、他は男子が女子を送り届けること。」
「中T!送り届けるって、中Tは車?もしかして、乗せてくれるの!?」
菜穂ちゃんが、目を輝かせて問いかけた。
「残念でした。俺は徒歩通勤なんですー。」
「そっかぁ。ざーんねーん。」
「えぇ、誰と帰るかも決まったことだし、部活がある日は、なるべく一緒に帰ること。いいな?それでは、これで演劇部の活動を終わります。」
「はい!」
部長の呼びかけに先輩達が応えた。
「は、はい!!」
私達後輩も、慌てて応えた。
「起立、礼。ありがとうごさました。」
「ありがとうごさました!」
こうして、学校初日(?)は終わりました。




