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演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
部活を決めました。
10/56

6 そして続く。

次はおサルさん。


葉桜栞ハザクラシオリで~す♪2年2組だよ~♪役は、男以外なら何でもやりま~す♪使っているシャンプー&リンスは、いち髪で~す♪そうそう、演劇部は仲良し部活だから、名前に‘先輩,ってつけるんだよ?」


語尾に音符がつきまくっていた…。


えっと、サンタのお兄さんの番。


「…町野竜マチノリュウです。」


「よっ!!竜ちゃん!!」


「!? 梓先輩!!やめて下さい!!」


「それなら…がんばれ~駄犬~」


「咲先輩まで…もういいです。」


竜先輩は、弄られキャラなのかな?


「2年4組です。会計です。役は…男なら、割となんでも。シャンプー、リンスは姉が買ってきたものを。まぁ、よろしく。」


この弄られキャラはお姉さんによってできたものか…?


「そういえば、圭一が居なく無い?」


「梓……気付いていなかったのか?」


「だって、居ると思ってたから。」


と、制服姿の先輩が1人入ってきた。スッゴいイケメン!!


「遅かったな、圭一。」


「あぁ。生徒会に寄ってきたら遅くなった。部費申請用紙貰ってきたぞ。後で記入しとおけよ。」


そして、部室を見回して


「どうやら、廃部は免れたようだな。」


と、言った。


「今ね~自己紹介やってたの~。圭一くんもやった方がいいよ~?」


「そうだな。俺の名前は、永井圭一ナガイケイイチ。2年1組で、役は自分のやりたいものを気分でやりたい。シャンプーは忘れた。慣れないことも沢山有ると思うが、頑張ってなれてくれよ。」


これで、先輩達の自己紹介は終わったらしい。


「よし、じゃあ次は新入生に自己紹介してもらおう!じゃあ、優壱からね。」


「は!?梓姉、横暴!」


「ごちゃごちゃ言ってないの!!」


「…わかったよ。鳴宮優壱ナルミヤユウイチ。1年1組、一人っ子、役は演じ手がおもしろいのやりたい。以上!」


すごい速さで自己紹介をした。

…なんて自由人…!!


「優壱、使っているシャンプー&リンスは?」


「はぁ!?母さんが勝手に買ってくるやつだから、そんなんしらねぇよ。」


優壱は、梓先輩の問いかけに半ば投げやりに答えた。あれ?もしかして、照れ屋?


梓先輩の隣の机に座っていた琢磨先輩が、そっと梓先輩の肩に手をおいた。なるほど。梓先輩をよく見てみると、微かにムッとした表情に変わっていた。


「おい、優壱。」


「何?哲兄。」


「そろそろ、梓先輩、中野ナカノ先生って呼べよ。」


「えー。」


「えー。じゃない!!公私混同はダメだ!」


「なんでだよ…翔馬や、一夜イチヤ達もそうやって呼んでるじゃん!」


「なら、他のヤツらもだ。ちゃんと敬称をつけろ。」


先生の一喝に、みんなしぶしぶ頷いた。


「じゃあ、次…」


「あの、先生。」


ちょっとどころか、かなりの謎がとけないままだったので、思わず声をかけた。


「先生と、ここにいる1年生男子って知り合いだったんですか?」


「ん。まぁ、な。」


その後、先生が説明をしてくれたのだが、周りからの邪魔が入って、かなり長くなってしまったので、短く要約。


先生と、優壱、星くん、翔馬くん、梓先輩は、家が近くて小さい頃は一緒に遊んでいたらしい。


だから、優壱、星くん、翔馬くんを悪ガキトリオ、先生を哲兄、梓先輩を梓姉と呼ぶんだとか。


因みに、さっき梓先輩が連れてきたのは梓先輩の従兄弟イトコで、2人の家は、学校挟んで反対側だから他の人達とは遊びに来たときに、友達になったんだとか。


「なるほど~だから、中Tナカティーが哲兄だったんだ。」


菜穂ちゃん、勝手にニックネームつけちゃってます。


「は?え?俺、中T!?」


「はい。中野ティチャーで、中T。」


「菜穂、お前…普通教師に渾名つけるか?」


先生タジタジ。


「つけますよ?ねぇ、お姉ちゃん?」


姉に同意を求めてるよ…。


「ん、つけるよ?ねぇ、優李ちゃん?」


え?そうくる?うん…でも


「…つけるんじゃない?」


先生には悪いけど、そのほうが呼びやすいし。


私達3人から言われて、先生はすごい勢いでしょげていた。


うーん。…少し哀れ。


「ははっ!!中T!?いいね!!じゃあ次は、ナイス☆ニックネームをつけてくれたキミ!」


梓先輩が笑いながら、菜穂ちゃんを指名した。


梓先輩の機嫌はなおっていた。…みんなは菜穂ちゃん達を見ていたから気づいていなかったけど、私はしっかりと見ていた。

さっき、琢磨先輩が梓先輩にキスしていたとこを。ラブラブなのはわかったから、もっと時間と場所を、わきまえてほしいものだ。


因みに梓先輩に笑われたことにより、先生は更なるダメージを受けたようだった。


「それでは。七瀬家次女、七瀬菜穂ナナセナホです。1年1組、役は腹黒いのか、超無邪気なのをやりたいです。使っているシャンプー&リンスは、椿です。」


「ついでに、姉の七瀬千津ナナセチヅです。1年1組、役は大人しい子を希望します。シャンプー&リンスは、妹と同じ椿です。」


「「よろしくお願いします。」」


菜穂ちゃんに続いて、千津ちゃんも自己紹介。息ぴったりのお願いしますでした。


「じゃあね~次は、ミノル!」


梓先輩が、さっき連れてきた従兄弟の1人を指差した。


「は?俺?ってか、マジで入部決定!?」


「うん。」


「え~!!梓を梓先輩って呼ぶとか、ありえねぇ!」


梓先輩とその男子が、ケンカを始めてしまった。


「でも、結局部室まで来たでしょ。」


「そ、それは…弱みを握られているからで…」


「あれ、みんなに教えちゃっっていいんだ?」


従兄弟くん、梓先輩に押されてます。あ、にらみ合いが始まっちゃったよ…。


「…っ!!もう、いいよ!分かったよ!入部するよ…。」


あ~あ、負けちゃった。


「じゃあ、自己紹介をどうぞ。」


梓先輩、満足そう。


それにしても、一体どんな弱みを握られているんだ?気になる。


「…齊藤稔サイトウミノルです。1年3組、一夜と梓……先輩の従兄弟です。応援部に入るつもりが、無理矢理連れてこられたので、裏方希望です。シャンプー、リンスは使わず、ボディーソープで洗ってます。」


…開き直った!?


「はい、次!一夜!」


「…真鍋一夜マナベイチヤ。1年3組、裏方希望。」


「おい、一夜。シャンプー、リンスは?」


「稔と同じ。」


まるで、通訳。


「もう、稔と一夜は相変わらずね。」


梓先輩が、あきれたように言った。


「はい、次。」


「じゃあ、俺が。」


星くんが、教卓の前に進み出た。


篠塚星シノヅカセイです。篠塚グループ次期社長、つまり跡取り息子です。自慢ではありませんけど。」


あ、お坊ちゃんだったのか。


「なぁ、次期社長のお前が、何である程度しか有名でない、この市立校に?」


竜先輩が、不思議そうに尋ねた。


「優壱や、翔馬達がいたからです。別にいいところに行く気はなかったんで。」


「なるほど。」


「続けますよ?1年1組、役は自分に合ったものをやりたいです。使っているシャンプーは、フランス製品だった気がします。」


「金持ち!」


星くんと一夜くんをのぞいた部員全員がハモりました。


「そうですか?じゃあ、翔馬。」


「え!?僕!?」


「あぁ。」


「星の暴君。…僕の名前は、白井翔馬シライショウマでしゅ。あ!!かんぢゃ!」

超かみまくっていて、翔馬くんをのぞいた全員が笑っていた。

「うぅ。1年1組、役は女の子以外で!!シャンプー、リンスは家族全員メリットです。よろしくお願いします!」


みんなに笑われて半泣きだった。


「あぁ…翔馬、泣かないの。じゃあ、最後。」


梓先輩が、私に微笑みかけた。


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