1/2
プロローグ
許されないことだと知っていた。
けれど、もう遅くて……。
たったひとりの肉親。
いちばん大切に想ってきた、その気持ちは、いつのまにか姿を変えて。
―――これは、何?
気付かなければよかった。
気付かなければ、誰も傷つくことはなかったのに。
……何も失わずにすんだのに。
けれど、僕らはあまりに幼くて。
君さえ居れば何もいらないと、本気で思っていた。
好き、好き、好き……。
伝えきれない言葉と想いを、この部屋に詰め込んで。
愛しい君と、二人きり。
この部屋に、鍵をかけよう。