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俺たちの体は光に包まれ風景は徐々に変化していき、気付けば全く別の場所にい―――る訳がない。
まぶしいくらいの光は、大量の車、しかも砂漠を走るために作られたであろう特殊な形をしているもののヘッドライトだった。
車は俺とユキのいるところを大きく取り囲んでいた。
ああ
見つかった
まぶしくて何も見えない。
声だけ聞こえた。
『貴様らどこへ行くつもりだ』
外だよ
外にいくんだよ
ユキを、元居た場所に
連れて行くんだ
ほっとけよ
簡単に出られるようにしてるほうが悪いんだろ
絶対他にも出て行った奴いるって
なんで俺らだけ捕まえに来るんだよ
俺にしては文句が多い。
何かおかしい。
大量の車の中から一人、俺たちに向かってやってくる奴がいた。
見えない
けど
嫌な予感がする。
・・・
・・・・・・・・・・・・・・
まじかよ
「やぁ、元気かね。エドヴァリス・エミールくん」
予感的中。
奴は
病院の、しかも俺の付きである上司。
シュウジ・ヤスオカ
はっきりいってこいつ、キライ
なんかよくわからんが会話してると妙にむしずがはしる
「しばらくだね。最近僕の講義に出てくれないじゃないか」
「・・・・」
俺はユキをかばいながら後ずさった。
ユキは俺の服を握り、恐怖に耐えている。
こいつと関わるとろくなことが起きない・・・
起きたことないけど。
俺らしくない。
こんなことで動じる俺じゃないはずなのに
こいつだけは・・・
「おや、理由がないのに出てくれないのは興味がないからかな?それとも、僕がキライだからかな?」
「・・・・後者だよ」
「ははは、君は正直だなぁ」
ヤスオカはどんどんと近づいてくる。
押されるかのように俺は後ずさってしまう・・・
「じゃあどうやったら君に嫌われなくてすむのかなぁ?」
「うるさい、近寄るな」
「うーん、それはできないなぁ」
ヤスオカは歩きながら、俺の方を指差した。
・・・・
いや
俺じゃなく、その後ろ・・・
「その子、渡してもらえるかな?」
ユキ