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「えーと。こういうときはどうすんだろ」
目の前にいる、病院で探していたらしい実験台さん・・・のような人。
別に本当にそうだっていう確信は持てないし
全然断定はできない。
「ねぇ、ここどこ?」
「へ?」
まぁ、とりあえず会話は出来そう。
「えと、ここはー俺の家」
「あんた誰」
・・・さっき名乗ったっちゅーの
「エドヴァ」
「ふーん」
「ふーんっておい」
自分のことはどうなんだ
「あの・・・エドヴァ、さん?頼みたいことあるんだけど」
はいはい、なんですかな。
出来れば君の正体がわかるようなことがいいんだけどね。
「私の名前、教えてくんない?」
「は」
「なんでやねーーーん」
マジでなんでやねーんって感じ。
こっちが聞きたいっつーの
「何、本当にカスでも覚えてないの?」
「う〜ん・・・」
実験台ちゃんは腕を組んでうなった。
「う〜ん・・・出てこない」
「・・・・」
そんなこと言われても
教えてとかまずムリ。
こっちだって初対面だっつーの
「あ!」
実験台が隣のビルで日の光があまり入らない窓から外を見ながら急に声をあげた。
「なに?」
「ユキ」
「雪?」
「そう。ユキ」
「何?降ってる?」
「違う、名前」
「なんかかわいい名前だね」
「そう?」
ついに自分の名前を思い出したらしい。
まぁどうでもいいけどよかったね。
実験台の名前はユキ。
これはこれで、まあ一件落着?
「じゃあ」
「は」
と思ったら、
なんと、ユキは追われている身?なのにこの家から出ようとしている。
なんつー奴
「まってよ」
「なんですか」
・・・いっちょ引っ掛けてみるか
「どこ行くの?」
「出るんです」
「どこから?」
「この町から」
「ムリだよ」
「どうして?」
「そういう決まりだから」
「でも行きます」
「どうして」
「・・・つかまるから」
・・・・・・・
ビンゴ
やっぱりこいつが今朝探してた実験台だ。
俺が一応関係者ということは伏せといたほうがいいか・・・
「じゃあ余計にそのへんふらふらしてたら捕まるんじゃないの?」
「でもここにいてあんたに迷惑掛けたらイヤだから」
・・・・・・
ん?
俺、何?
かくまおうとしてんの?
目の前ではつるつるお肌のユキちゃんが今もなお外へ出ようとしている。
俺はそれを見て引き止めている。
ああ、そうか
「お願いだからここにいて」