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結局、病院内には実験体らしい人間はいなかった。


ってかその前に俺、どんな奴かしらねぇって。

・・・・・・・・・・・・・・・・

かわいそうな奴だな。


病院内にいないってことはあれだな。

外にいるんですか。そうですか。

それって、さ。

微妙にヤバげ?

だめじゃん


その前に何の実験してたんですか。

知らないよ

知らないよ?

しらないよ。


病院内にいてもすることないし、帰ろっかな・・・(不良社員)



それで本日2度目の機械の町。

家に帰ってもやることないしなぁ。

その辺ぶらぶらしてくかな。


右を見て、左を見て。

それでもやっぱり機械機械。

どこでも機械。

木とかあるのかないのか。

むっこーーーーーうの方にちょびっと緑といえるか言えないかくらいの物体が見える。

かな?

虫なんかいるもんか、こんな町に。

ゴッキーくらい?


動物実験。

どっかから捕まえてきたねずみを主に実験台にしている。

他は猫とか鳥とか。

人間以外だからいいってもんじゃないって

なんにだって、命はあるんだ。



「じょうだんじゃねぇ」



空は黒くすさみ、夜なんだか昼なんだかいまいちわかんない。


ぶらぶらしてもこんな空気の悪いところにいつまでもいられるわけがない。

最近ちょっと顔を覚えられちゃった店に顔を出すことにしよう。

そうしよう。



「あれ、エドヴァとかいうひと」

「あんた、客に向かってそれはないんじゃいかな?別にいいけど」


この人はこの店の店員のラリア・リリィ

ちなみに店主はオーガス・キオール

この二人、なんかあやしい関係とのうわさ


ラリアは金髪美人だけど性格はめちゃくちゃおっさん。

嫁入り前なのに。

俺はいつも頼んでる名前はよく知らない紅茶を頼んだ。

店主のオーガスは不在らしく、ラリアがてきぱきと紅茶をカップに入れて俺に渡した。


「ひまなんだね、この店」

「時間帯がそうなの」


ただいまの時刻午前11時。

この時間みんな外にある箱の中で一生懸命働いている。

機械まみれで。


「あんたこそひまそうだね」

「そういう職業なんで」


ぽつりぽつり話をしていると店主のオーガスが入ってきた。


「あ、オーギ。おかえり」

「ただいま。エドくんいらっしゃい」

「どーも♪」


このオーガスってひと、めちゃくちゃ人がいい。

ってか来るたびになにかくれるんだよね。

俺が来る時間がいつもこんな時間だから。


「あ、今日はおいも持ってきたんだよ。食べる?」

「もらいますv」

「あんた遠慮くらいしろよー」

「いいジャン、いつものことだし」


わきあいあい。

これでこそ人付き合い。


カラン・・・・・


「いらっしゃい」

「あ!チビ太ー!」


入ってきたのはもしかして小学生かと思うほどちっちゃい奴だった。

こいつもここの常連。

実年齢で15か6くらいだったかな?


「・・・・・・・・・あんた、無職?」

「うるへー」

「働きなよ」

「・・・・・・・・・・」

「まぁまぁ。ジャトウ君もいつもの?」

「・・・・ッス」


こいつの名前はジャトウ・アディ

まぁ。どうでもいいんだけど。

ガキのくせに生意気。

いや、ガキだから生意気なのか。

今の時代、こいつ位の年代でも働かなければならない。

もちろん機械まみれで。

まぁこういう子供は力仕事中心だけど。

で、いつも町のはずれに行って堤防だかなんだかよく分からないものを作っている。らしい。

忘れたよ、もう。


「ジャトウ君、休憩?」

「サボリ」

「オイ・・・」

「いいんだよ。ばれても走らされるだけだし」


現場監督・・・名前、なんだっけ?


「あのおじさん微妙に甘いんだよね」

「クラタさんね」


ああ、そうだ。

クラタ・テド

なんかどっかのお偉いさんらしい。

家がなんかの家元とか。

そっちの道にすすめばいいのに。

俺の時からずっとクラタが現場監督。

がんばるねぇ

給料いいのかな

俺もやろっかな

・・・・・・・


毎日毎日こんな微妙な生活をしてる。


俺は紅茶を飲み干し、店を出た。

もち、芋も食ったよ。


もう家に帰ろう、そうしよう。

きったない箱と箱の間を通って近道近道

こんな裏道通る奴なんて俺ぐらいしかいないでしょ


・・・・・・・



ゴン


なんか蹴った。





・・・・・・・・・・・・・・・?





足?


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