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理不尽な目に遭ったと感じる時、自分にも非があったと仮定すると精神的に良い

作者: ムクダム
掲載日:2025/12/29

 今年も残りわずか、人生も刻一刻と残り時間をすり減らしている。今年も熟考に熟考を重ね年末宝くじの購入を断念したが、軽率にも宝くじというギャンブルに大枚を叩く輩に限って当選して良い目を見ることを考えるとこの世は理不尽に溢れているという思いを新たにする。思慮深く財布の中身が寂しい人間よりも、浅はかで財布に余裕のある人間が得する世の中で良いだろうか。初詣の際は神か仏にその点問いただす必要がありそうだ。

 テレビやネットのニュースから押しつけられる、自分とは遠いところで起きている理不尽にも気分が落ち込むというのに、その理不尽が我が身に降りかかって来るとなればその精神的脅威は計り知れない。ずっと落ち込んだ気持ちで過ごすことほど人生の幸福感を損なうものはないだろう。そこで、理不尽なことを経験した時の対処法を考えてみた。

 家庭や幼稚園、学校、職場、趣味のサークル、老人ホーム、ついには墓の下まで、人間は様々な場所で理不尽に直面する。揺り籠から墓場まで常に何らかの脅威に晒されながら、身を低くして辛うじて生き延びているのが人間という生き物だ。

 他人から非難されると嫌な気持ちになるが、明らかに自分に非があると分かれば、反省し次に活かそうという前向きな気持ちに変わることが往々にしてある。思うに、非難されたこと自体よりも、それによって生じた気持ちの遣りどころが見つからないのが苦しいのではないだろうか。落とし所が見つかれば心の平穏に近づくものと考える。

 問題は、理由が分からないために非難を受け入れることができず、理不尽だと感じる場合だ。こうなると、嫌な気持ち、モヤモヤした気持ちをどこに落ち着かせれば良いのか分からず思考がぐるぐると行き場のない迷走を始めることになる。日常生活のあらゆることが楽しく感じられなくなることもあり深刻だ。

 他人から謂れのない非難を浴びせられた時、精神的な落とし所を見つけるためにはどうすれば良いだろうか。想像の中が相手をぶん殴るというのも一つの手段だが、一時的なストレス解消で継続的な効果は期待できない。かといって現実に実力を行使することは、ほとんどの場合で自分がより不利な立場に置かれることになるため避ける必要がある。

 相手に抗議しその気持ちを変えさせ、謝罪を求めるという手もあるが、これはかなり難易度が高い。向こうは非難を正当なものと信じ切っている場合が多いし、そもそも人間は他人の本当の気持ちなど分からないのだから、仮に謝罪をされても疑いの念は晴れず、相変わらず苦しみが続く可能性もある。

 他人をどうこうできないのであれば、自分の心に無理矢理にでも落とし所を作るしかないだろう。自分に非がないと思うことであっても、自分にも何か落ち度があったと仮定し、相手側の行動にも一定の正当性があると考えるということだ。

 この際に大事なのは、本当に自分の方が悪いとは信じ込まないことだ。間違っていないのに自分に非があると考え自責の念を抱くことは、嫌な気持ちの改善につながらない。自分に非はないが、あくまでも仮定として、相手としてはこんな気持ちで自分を非難したのだろうと考えるのだ。そうすると、精神的には相手の優位に立ち、その後の相手との付き合いでのストレス軽減に期待が持てる。

 自分でコントロールできるのは自分の体や精神だけだと割り切り、行き場のない怒りや悲しみに立ち往生している自分を宥めるように扱うのが得策ではないだろうか。自分は悪くないと開き直る音は必ずしもネガティブなことではないと考えることも大切だ。

 ただし、この方法を活用するに当たっては、実際に自分に非がある場合は素直にそれを認めることが大切だ。すなわち、自分に落ち度や非がある場合のことを想定、想像できる人間である必要がある。何があっても自分の非を認めないという人間は、行き場のない気持ちに振り回されるだけの辛い生き方を突き進んでいると考えて良い。

 最後に、仕事納めの日に職場で理不尽な思いをしたという個人的な理由でこの文章を書いた訳ではないことを明言しておきたい。本当だよ。年末年始を迎え、人類全体の心の平和を願っているだけなのである。

 決して、理不尽な怒りをぶつけてきた部下に思うところがある訳ではないのだ。師走の忙しい時期に勝手に仕事を拾ってきて、こちらになんの相談もせずに進めておきながら、上手くいかなくなった途端になぜ上司の立場として手伝ってくれないんだと怒り出すような職場の某氏へのモヤモヤした気持ちを解消したという動機ではない。この気持ちを新年に持ち越すのは絶対にゴメンだというのは偽らざる本音であるが。終わり

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