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星空の琴は、宙とこころに真珠の音色を奏でて

作者: 逢乃 雫

夏燕たちが


風の中を駆けゆく



水月の空は


季節のトランジット



真珠色に


雲を染めながら



琴弾草(ことひきぐさ)


吹きゆくひとひらの



青葉風が


奏でる即興の


音色を聴きながら




梢に重なり合う


葉と葉は


結び葉となって



陽のあたる坂道に


咲いたクランベリーの



白い花びらから


紅い実へと



続く道にそっと


風がやさしくそよいで




風の琴が


音色を奏でる夜空に



遥か彼方の


銀河から瞳へと



舞い降りる光の


竪琴は


こと座の星々



青い風とともに


星空の第二楽章の


音色を(そら)へと響かせて




月の琴が


音色を奏でる星空に



夜空に浮かぶ


三日月は


ハープのように



東の宙からは


煌めくパールホワイト



ベガの星が


ひときわ明るく



銀河を渡る


星たちの音色を


宙の五線譜にのせて




日を生きると


そう書いて



星という


言葉を紡いだ古人(いにしえびと)


そのこころに


想いを馳せながら



一日一日を


重ねながら結びゆく



日々は


結び葉のように



言の葉もまた


ひと葉、ひと葉が


重なり合い



そこに様々な


こころを紡いでいく


結び葉となって



平坦な道ばかりでは


ないけれど



坂道の途中にも


咲く花があって



登ろうとするとき


広がる景色も、きっと




七つの弦を


結んで奏でる竪琴に



六つの星の


光と光を結びながら



見えない七つめの弦


七つめの星は



それぞれの


こころの宙に


あるのかも知れない




夏燕たちが


風の中を駆けながら



浮かぶ雲が


真珠色に染まる水月に



星空の琴は


宙とこころを、結びゆくように





















パール(真珠)は、6月の誕生石で、石言葉は「純粋」「静かな力強さ」などです。水月すいげつは6月、青葉風あおばかぜはこの時期に吹く風です。


6月の夜空に上ること座は、現在の星座で唯一の楽器の星座で、「夏の大三角」の一つのベガなど、6つの星が竪琴たてごとを描きます。諸説ありますが、星座ができた当時の弦の数は7本だったといわれます。


琴弾草ことひきぐさは、マツの別名です。クランベリーは初夏に白い花が咲き、秋に紅い実が収穫され、「感謝」「心を癒やす」の花言葉があります。「結び葉」は、初夏に新緑の葉と葉が重なり合う様子です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
今の時期は鬱々としがちですが。 パールホワイトの空を飛ぶ燕、松の葉の琴柱、風の琴。夜はこと座にハープの月。読んでいくうちに景色が心の中に広がっていきました。 縦横無尽に飛んでいるであろう燕の姿が爽や…
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 白鳥と鷲の襲来を前にと急ぐ燕の鳴く声に空が応じて、夜の宙に季節の訪れを告げる竪琴を奏で、風が青葉を揺らして音を重ねる♪  雨上がりの夜空に明ける雲間が音楽会場になるようで、雲を吹き飛ばす風が青葉の露…
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