表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ああ、そういうことか…  作者: 矢野そとか
17/47

世界でいちばん冷たい君

僕が今まで出会ってきた人間の中でおそらく君が一番冷たい人間だろう


君は人に興味がなかった


人を嫌うのでも傷つけるのでもなくただ干渉しなかった


そんな君に前からずっと聞いてみたいことがあった


君の目の前に線路の路線を切り替えることができるレバーがある


君がそのレバーを切り替えればトロッコの行き先が変わり一人が死ぬ


君がそのレバーを引かなければトロッコの行き先が変わり五人が死ぬ


君は一体どうする?


世界でいちばん冷たい君は少し迷った後に言った


その時は自分が線路に飛び込んで…死ぬよ


僕は君のその時の悲しそうな顔を一生忘れない


世界で一番冷たい君はこうして命を失った


誰もいない君の墓の前に置いてあった六輪の花を僕は忘れない


僕は知っている


その六輪の花が君の痛さだと


僕はその六輪の花をそっと持ち帰った


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ