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ある兵器の物語或いは人の慾の末路  作者: レインズ
第3章 オーダー・オブ・ワルキューレ
24/25

24.SEIGIのヒーロー「アリア」

~~~~~

 その日からの6日間、後に『スリブル大粛清』と呼ばれた事変が起きた。

 森林区で行方不明となった全員が森林保安局の前に6日間毎朝、多少の栄養失調はあっても命に別条はない状態で発見された。彼らは口々に


『黒いマスクを被って不思議なスーツを着た少女に救われた』


と語り、また保護された子供たちは


『正義のヒーロー アリア』


と口にした。


 事態はそれだけに留まらなかった。

 6日間に政界の様々な裏のつながりがすっぱ抜かれたのだ。

毎晩毎晩、森林公園の使われなくなった駐車場に新聞社数社が


『特ダネがある。』


と連絡を受け、やってきた。そこで記者たちは姿の見えない情報提供者、(本人は『アリア』と名乗っていた。)から森林区に巣食っていた犯罪組織と国務大臣及び議員の癒着、汚職、取引、不法である奴隷の所持、無法薬物の使用などが記載された書類及び電子データ渡されたのだ。

 政界を何もかもひっくり返す一大スキャンダルとなった。連日のように議員がしょっ引かれ、大臣は昼時の大衆食堂のように入れ替わり立ち代わり、『大粛清』の後もそれはしばらく続いた。


 そしてそれは政界にのみ留まらなかった。

 経済界にも多大な影響を与えた。具体的な内容はたいして変わらない。ただそれには国民の生活に欠かせない大企業の重役も何人も該当していた。


 政界の影響よりもずっと強かったのは言うまでもない。

 この後、15年以上に亘って続くこととなるサントの暗黒時代のことを考えると、『アリア』は確かにサントの内患を滅ぼそうとしたのだろう。しかし、『アリア』はサントに混乱をもたらしたテロリストであると主張する者もいた。


 『アリア』の慈善(ぎぜん)はサントという国を『清らか』にしたのだろう。しかしその『清らか』はサントを苦しめた。


---------

「え?サントが不安定になった?知らないよ、確かに国の重鎮のヤバいネタを公表させたけど、私は『事実を教えただけ』でそれをどう扱うかは完全におまかせしたの。」


 所詮、これは殲滅兵器の気紛れ偽善(じぜん)事業。結末なんて保証しない。

ニンゲンは一切の不浄ない世界より、不浄塗れの世界の方が長生きできるものなのかもしれない・・・。

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