2.しかし休息に意味は無く。
さて、伝令を殺し、停戦協定の文書を台無しにした謎の少女。彼女は自身の住処であるコンテナに帰還した。
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「あーあ、やっぱり単独行動してる兵なんて割り合わないし、外れの伝令兵じゃん。やっぱり大人しく寝とくか。」
ボフンッとベッドにダイブする。すごくフカフカだ。
「最後の餞別として貰ったこのコンテナ、何気に家具とかイイのが揃ってんだよねー。」
私には9割必要じゃないのに・・・。
およそ17日と12時間29分38秒振りにベッドに寝転がる。すでに自分には睡眠も休息も休養も必要ではない。この行動自体、私にとってはあってもなくてもどちらでもいい。
それなのになぜかしてしまう、近頃は夜間の物資集めをやってたから昼夜問わず活動してたが、そうでないならいつもこうだ。
「ま、こーなる前はおちおち寝れもしなかったからなー・・・。」
横になったも瞼は落ちようともしない、あくび一つ湧いてもこない。
上体を起こしていたほうが合理的で効率的なのは頭では理解してるそれなのにこの仰向けに寝そべる体勢が妙に落ち着く。
月明りで照らされるコンテナの天井、既にシミの数も数え切り、知らないことはない天井になった。近くにはさっきの伝令以外に人はいないみたいだ。
「こんな生き方続けて、もう16年と8か月に22日、それと12時間47分と29秒、30秒、31秒・・・。」
正確に時を刻む私の頭は1秒、また1秒と私の非人生の経過を記録し続けている。
今の非人生が幸せなのか、それともあの時野垂れ死にてたのが幸せだったのか、その結論は今の今まで出ていない。
「これからも出ることはないんだろうな・・・。」