18.ある終わり、そして始まり
一応、過去回はここで一区切りにしようかと。
戦争が終わったあの日以来、私や同僚は戦後の職場との日程調整などに追われていて恐らくだが室長と副室長だけしか研究室にいなかったと思う。
だからこそその報せには震えた。
「大本営で副大統領含む軍上層部が虐殺された」こと、
いやそれよりも
「研究室でジェームズ室長とサイバ副室長が殺された」こと・・・。
市井では、どこかの国が送り込んだ暗殺者だなんだと言われている。
違う・・・アレだ。アレがついに牙を剥いた。そう直感した。不気味なまでの確信があった。同僚と連絡を取り合った。
「アレに殺される。」
私含め、みんなそう思った。
しかし、現在に至るまで私も同僚たちも皆無事だ。
アレが何をしたかったのか?それを知る術は無いし、知りたいとも思わない。アレと関わりたく無いからだ。
そういえば、保安隊が現場検証で研究室付近を調べたところ、倉庫代わりに使われていたコンテナがいくつか消えていたらしい。
自分含め、同僚たちと確認のため現場に行くことになった。任意同行だ。
消えたコンテナは、確かサイバ副室長持ちのコンテナだった。誰も中に何が入っていたのか聞いていなかったから結局何が盗まれたのか、それは分からなかった。
保安隊から犯人に心当たりがないか、と聞かれたが誰も答えなかった。答えられるわけがなかった。
以降、隣国の小競り合いに度々、謎の介入勢力が現れ始めたと聞くようになった。
もう自分にはアレの行動原理を理解なんてできない。きっと理解できるのはサイバ副室長だけだろう。本人がもういないからその機会は永久に失われた。
願わくば、二度とアレと出会うことがないことを・・・。
そういえば、アレの正式名称を書いてなかったからここで記すことにする。
あの兵器の名は、
『自律式対人人型殲滅用決戦兵器:戦乙女・《ブリュンヒルデ》』
そういえば、この過去回の章にはあるものが欠如しています。
その欠如についてはまた今度。




