10.絶望は、空より来る
今回の被害者さんはハイツ軍の皆さんです。
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「な、何が起こっているんだ・・・?」
兵を行軍させているとはるか前方で爆音と轟音、そして人の絶叫が聞こえた。
「お、おいバイクを止めろ!」
行き先の方から兵士が一人、息を切らして走ってきた。
「か、閣下!」
「何があった、報告しろ!」
「地雷です!我々の行軍進路に地雷が敷かれておりました!」
「地雷だと⁉昨晩の偵察では確認されてないはずだろう⁉」
部下が怒鳴る。
「待て、そう声を荒げるな。実際に爆発があったのだ。ならばそれが事実だ。」
しかし、確かに昨晩行軍進路に罠の設置が確認されていないのもまた事実。もしや、サントでもハイツでもない第三勢力が戦場にいるとでもいうのか?
「先遣隊にはこう伝えろ、『闇雲に進まず地面を確認しながら一歩ずつ確実に進め。足元に気を付けろ。』」
「は、はい!了解しました。」
報告に来た兵は駆け出して行った。あ、転んだ。
「おいおい、足元に注意しろといったばかりだろうに・・・。」
「将軍、なぜ地雷なんぞがあったのでしょう・・・。サント共が?」
「いや、サントの方向からも似たような爆発が見えた。偽装とはいえやりすぎだ。あのお人好しの大将とその部下の中将だ。犠牲を厭わないものではない。」
「では、我々の中に裏切者が・・・?」
「それは無い・・・とは言えんな。我が国にも内患は少なくない。」
革命家、過激派人権団体、宗教組織、反体制派勢力、裏社会の存在・・・。
「いずれにせよ、不明の敵が戦場にいることは確実だ。恐らく、ハイツにとってもサントにとってもな。」
その時、先の空から何かが飛んでくるのが見えた。
「おい、あれは何だ?」
「鳥にしては速いですね。爆撃機にしては音が小さすぎます。」
「戦闘機も今日の発進許可は下りていないよな?」
「現時点では・・・。」
飛行する何かから、黒いものが落とされた。
「?」
黒いものが弾けると、鋼鉄の豪雨となり、私とその周囲にいた者たちの上に降り注いだ。
叫ぶ暇はなく、成す術もなく、物言わぬ肉と血のかけらになった。
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ハイツの智将と呼ばれた将軍は自分の死に様も理解できずに死んだ。
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「ハイツ軍、殲滅確認。」
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