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「じっしょ〜じっしょ〜じっしょすっきるぅ〜

どんな効果があ〜るの〜かなっ?ふふふふ〜ん ♪」


「オムニスリィーノル様、楽しそうですね。何かいい事でも?」


「ふふ〜ん!それはひみつ〜!ルーラ君、楽しみにしていてねっ?僕が君に最高っのもふもふ天国を用意しようじゃないかっ!ふふ〜ん ♪」


「ひみつって…自分で言ってるじゃないですか…

まぁ楽しそうで何よりです、オムニスリィーノル様の機嫌が良いとクウァエダムパトリア(この世界)全体に良い風が流れ良い星が流れますからね。」


「ふふふ〜ん ♪」


「それで、何故こそこそと?こんな木の陰からではなくヒサノリの横に行って一緒にスキルの検証をなされば良いのでは?」


「それもいいかなぁって思ったんだけどね、これからはヒサノリ一人でもある程度の事は出来ないとヒサノリが困る事になっちゃうかもしれないからね〜だから木の陰から見守ろうと思ってねっ」


「はぁ、お考えは分かりましたが、少々怪しいと申しますか…」


「気にしない気にしないっ!」


「はい…」





「よしっ!早速辞書スキルの検証から始めるかっ!って言っても何が出来るのか分かんないからなぁまずは鑑定からだなっ

辞書スキル、これから宜しくなっ!」


「ヒサノリがまた一人で喋ってるぞ〜」

「ほんとねぇ人間って面白いわねぇ」

「ヒサノリは一人でお話するの、好き?」

「だれとお話してるの?」

「だれかいるの〜?」

「ヒサノリ、寂しいの?」


「……! い、一緒に来てくれたのか、ありがとな!」


「ウェントスの森のことなら任せろっ」

「そうよ〜この森は私達の住処ですもの」

「聖獣さんや精霊さんのお家以外はなんでも知ってるんだよ〜!」

「僕達が居れば安全だよっ!」

「案内は任せてっ」

「ウェントスの森は毒草が生えてないんだよ!」


「聖獣や精霊が居るのか…それに毒草が無いのは少し安心できるな。」


「聖獣様や精霊様の住処の周りは結界があったり入り組んでいたりするからな!態々邪魔する訳にもいかないから用事がない時は俺達も近付かないんだ」

「私達はウェントスの森の中央にある草原が住処なのよ〜」

「良い草たくさんなんだよー!」

「襲ってくる種族もいないしね〜」

「僕達の天国なの〜」

「安住の地〜!」


「確かにな〜それに結界かぁ流石だなぁ使えたら便利だろうな、それも練習するか!」


「俺達の住処の周りには沢山の種類の薬草や植物が有るから鑑定の練習にも辞書スキルの知識習得?にも役立つとおもうぜっ!」

「さっそく行きましょう案内するわ」

「おっきい草原なんだよ〜」

「僕よりおっきいお花もあるの〜」

「今の時間だとお花にフラワーパールバタフライが来てるよ〜」

「とっても綺麗なの〜!」


「おぉ!案内してくれるのか!ありがとう!助かるよ。」


「任せろっ」

「そこの木の根っこ気を付けてね〜」

「すぐつくからねっ」

「楽しみにしててね〜」

「きれーでビックリするよ!」

「自慢の草原なのっ!」


程よく木々の隙間から陽の光が覗く美しい森だ。

時より流れる風は包み込むように優しく温かい。

あまりの心地良さに思わず足を止めて木の根元で昼寝をしようかと考えてしまう程だ。


なんでもこのウェントスの森は風の女神ウェンナートス様の加護があり、優しい風に包まれている穏やかな森だそうだ。


それに加えて聖獣や神獣、精霊や妖精も住んでいることから地上の住民からは『神聖な女神の森』として崇められているそうだ。


なのでこの森に住む魔物や動物を殺めるのは良くないこととされていて、人は滅多に入って来ないらしい。


それにこの森に住む生物は比較的穏やかなので無闇に人里に降りて殺戮等はしないため、人々も今の関係を望み、森で問題を起こさないように、あまり近付かないようにしているそうだ。


ちなみにこの情報は辞書スキルで『ウェントスの森』と念じたら頭の中に流れてきた。便利だ。

ありがとう、辞書スキル。



とまぁそんなこんなで森を進んで行くと前方がとても眩しくなってきた。開けた空間が広がっているようだが…とても眩しくて良く見えない。


そのまま進んで行くと一気に視界が開けた。


そこに広がっているのは、触れたら壊れてしまいそうな繊細な美しい花々。何より目を引くのは大きなちょうちょだ。


この森の中の草原は丸い形をしていてその外側に大きな、俺が両手を広げても抱えきれない程の大きく、それでいて儚さのある美しい花々が咲き誇っている。


真ん中に近付くにつれて草や花の高さも低くなっている。


外側に咲く大きな花々にその蝶は引き寄せられるように舞って行く。


蝶が舞う度にキラキラと光を反射し、美しい光が舞う。


あまりにも幻想的な光景に思わず身体が震えた。

無意識に喉を鳴らせていた。


この世界にはこんなに美しいところがあるのか。


俺は、この世界でもっとこんな風に心満たされ心が震えるような景色を見ていきたい。


心の赴くままに放浪し、様々な経験をしたい。


自分の思うままに生きて行こう。


……?あれ……?今、母さんが笑ってた…?


いや、なわけないか。


でも、なんか、応援されている気がする。


定住も良いがしばらく、気が済むまで旅をしてみよう。


せっかく若返らせて貰って時間もあるんだしな。


う〜ん、気が済むまで…

一生旅をしていそうな気がするが…

まぁそれもいいかもな。




「ーーーリ!ーい!」

「ヒーノリ!」

「だいじょーー?」

「かなしーの?」

「ヒサノリ!」

「おーーい!」


「ん?どうしたんだ?」


「どうしたんだじゃねー!」

「心配させないでよ」

「草原見て突然止まったとおもったら」

「急に震えだして」

「そうしたら今度は泣き出すんだもん」

「びっくりしたよ〜大丈夫?悲しいの?」


「いや、感動してたんだよ。ここ、すげー所だな。連れて来てくれてありがとな。

俺、ここに来れて良かった。道が広がったよ。」


「おうよ!」

「お役に立てて良かったわ」

「でも鑑定するんでしょー?」

「まだまだこれからだよー?」

「僕達のゆーのーさを教えたげるぅ!」

「鑑定するものはそうそう尽きないよ!」


「よしっ!今度こそ始めるかっ!」


「おう!」

「ええ」

「うん!」

「はやくー!」

「最初はなににするー?」

「このはっぱ美味しいよー」


「じゃあそのはっぱから鑑定するかっ!」

まずはレベル上げないとだなー。よし、頑張ろっ!!






「彼、順調そぅだねぇ」


「はい。良い傾向ですね。先程は地球神(ウェヌスティーリア様)も喜んで居たようですし、それに…いえ、良い事ですね。」


「そうだねぇ。道と目的があればあとは簡単だからね」


「はい、ヒサノリの今後がたのしみですね。」





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