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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

old time story (短編小説)

作者: 零式

I Thought My Father Was Godという短編を集めた本がある。

その中で、21年前に起こった事件の真相について書いてある小説がある。

この小説自体もヒューマンドラマに溢れている。私は、その小説に新しくオリジナルの内容を付け加えて書いたモノです。簡単に言えば、IFの話を描いた同人誌と思ってもらえると、分かりやすいかな。

(私は『仰天ニュース』で知ったので小説は読んだことありません)



荒野の中に一人の男が立っていた。

彼は故障した車を如何にかして直そうと車のボンネットを開いて弄るが、

一向に直る気配がしない。

「ちくしょう」

「この車!使えねー」

ガンガンと車を叩くが、その音さえも誰の耳元にも届かない。

「俺の人生は、いつから狂っちまったんだ」

彼は車に寄りかかりながら、他の車が通るのを待ちながら昔のことを思い返した。


彼は生まれたときから不幸だったと言える。

男はロサンゼルスの貧しい家庭に一人息子として生まれた。

彼の家には働きもせずに酒に酔い、

毎日のように母や彼に暴力を振るう父親がいた。

さらには母親も他の男におぼれていて、家にはあまり帰ってこない。

帰ってきたとしても、夫に殴られて息子を置いて逃げて行ってしまう様な人だった。

そのため、幼い彼は生きていくために犯罪を重ねなければいけなかった。

彼は色々な犯罪に手を出した。

『万引き』や『恐喝』だけでなく『麻薬売買』など、時には人を傷つけてでも金を稼いだ。

20代である現在になっても、していない犯罪は『人殺し』というほどだ。

もちろん学校には無縁だった彼は、まともに生きて行けるはずもない。

ギャンブル系を取り仕切る組織に入った彼は、何度も牢屋に入ることとなった。

遂には、負債を返すために組織の金に手を付けてしまった男は故郷を追われた。

その逃亡の最中に車が故障してしまった。


男は嫌なことを思い出してしまった腹いせに車を蹴っ飛ばした。

「俺は、この手で状況を変えて見せる」

男は車のドアを開けて拳銃を取り出した。

「次に通った車を襲ってやる」

「上手くいけば、やり直すことが出来る」

「故郷に帰って真っ当な生活を送ろう」

拳銃を履いているブーツの中に隠してから周りの様子を窺った。

「ああ。早く来ないかなー」



ある町の一角にあるアクセサリーの専門店に一人の男がいた。

この男はカウンターにいる店主に

商品を売ろうとセールストークを繰り広げている。

彼の名はライオン・グッドマン。

彼はアクセサリーのセールスマンを細々と経営している。

グッドマンは交渉が終わると、店主に挨拶をして早々に店を出た。

「今日の注文は以上だ」

「発送の方はお願いね」

彼は友人の作ったモノを色々な店に出向いて売っている。

そのおかげで、一定の人気が出始めていた。

彼は後ろの方に目をやると、老人が大量の荷物を運んでいることに気付いた。

電話を直ぐに切って、老人の手伝いに向かう。

「おばあちゃん。手伝いますよ」

「まあ。ありがとう」

グッドマンは名前の通りの紳士であった。

荷物を家まで持って運ぶと、

直ぐに愛車である大型のバンに乗り込んで地図を開く。

「次は何処に行こうかな」

グッドマンは車で寝泊まりして色々な街を巡って商売をするため、

彼の車は商売と生活の拠点と言っても過言ではない。

「ロサンゼルス方面にするか」

そういうと、車のエンジンをかけて運命という道を走って行く。



荒野の中に一人ぼっちで居る男は、一台も通らない道路を眺めていた。

既に心が折れかけている男が何度も何度も祈りを捧げて、

やっと一台の車が向こうの道から現れる。

「これは奇跡か」

「願えば全て叶うんだ」

眼元から熱い何かが流れ落ちながら、天に礼を言っている男は本来の目的を思い出す。

「そうだ。俺は何やってるんだよ」

「俺は、アイツを殺してやり直すんだ」

車が近づくにつれて速度が落ちていく。

そして、故障した車のすぐ後ろに停まった。

男は運転席の窓に近づくと、車の中から人の良さそうな顔が見えた。

窓が開き、運転手は愛想の良い笑顔で話しかけてくる。

「その車は故障かな?」

「ああ。ロスへ行く途中でイカれちまった」

「同じ方向だ。乗っていくかい」

男は真剣な顔で聞き直した。

「いいのかい?」

「ああ。困ったときはお互い様だ」

男は故障した車から荷物一式を取りだして、バンの助手席に乗り込んだ。

「よろしく。ライオン・グットマンだ」

運転手は無警戒に右手を差し出してきた。

「俺はレイだ。よろしくな」

「よし、旅の出発だぜ」

レイは少しだけ身の危険が無いか心配になり思わず小声で発してしまう。

「こいつ、変な性癖とか無いよな」

しかし、グッドマンは運転に集中していたため、

レイの発言は聞こえていないようだった。

すると、不意に前を見ていたグッドマンがレイを見た。

「商売で少し寄り道するけどいいかな」

「何の商売をやっている」

「後ろの段ボールを見て見な」

レイは近くにある段ボールに目をやると、多彩な種類のアクセサリーや宝石があった。

それを見ながら、レイは自分のツキがやっと回ってきたと思う。


車を数時間は知らせると、荒野を抜けて高台についた。

「車を降りて向こうに行こう」

「ちょうど夕日が出ているから、凄く綺麗だぞ」

そこは人気のない場所で、海の押し寄せる音だけが鳴っていた。

グッドマンは夕日を見るために先に降りて走っていく。

レイも数歩遅れて着いて行った。

グッドマンがフェンスの手前で足を止めて海を眺める。

絶好のチャンスを逃さないように足にある拳銃に手を伸ばそうとした。

「どうだ。いい景色だろ!」

グッドマンが突然、振り返った。

レイは誤魔化そうとして、足を擦る真似をする。

「どうしたんだ」

「ああ、少し捻挫をした」

「大丈夫か!」

グッドマンが駆け寄って、足元の具合を見ようとしたためレイは声を荒げてしまった。

そして直ぐに、苦しい言い訳をして弁解する。

グッドマンは快くレイの謝罪を受け取った。

「近くにレストランが有るから行こう」

グッドマンは何もなかったように食事に誘った。

「すまん。腹は減ってないんだ」

「どうしたんだ。遠慮するなって」

「出会った記念だ。今日は俺が奢るよ」

レイは金が底を尽きかけている心配もあったが、

いつかは殺す相手とのツーショットを店にいる人間に見られるリスクを心配していた。

しかし、『奢る』という言葉は朝から何も食べていないレイには魅力的すぎる言葉で、

最後には空腹に負けて店に入ることになった。

店に入ると香ばしい肉の焼ける匂いに、ポテトが油の中を踊る光景が、

レイの腹に期待を持たせてくれる。

席に座って注文すると、異常な速さで料理が運ばれてきた。

レイは料理を腹に流し込むようにガッツいて食べた。

「何だよ!」

グッドマンがずっとレイの事を微笑ましく見ていたので、

レイは不快に思って訪ねた。

「本当は、お腹が空いていたんだろ」

何もかもを見通しているような口ぶりは少し気に入らなかったが、

計画に気が付かれていない様子で安堵する。

「たくさん食べてくれよ」

「俺じゃあ、この量は食いきれない」

店の暖房が少し効き過ぎているようで、レイは額の汗を拭いた。


店を出ると車を森の奥にある駐車場に停めた。

レイは殺す覚悟を決めようと深呼吸する。

「レイ、ベッドで寝ろよ」

「やっぱり。ゲイだったのか」

「俺はそんな趣味は無いぞ」

グッドマンは『何を言ってる』という目を向けてきている。

「俺は独り身だがノーマルだ!」

「流石に酷いぞ。レイ」

レイは軽く謝ると、グッドマンは声を上げて笑い出す。

「それにしてもウケる」

「まさか、俺がゲイだと思われるとわ」

ひとしきり笑い終わると声を押さえて話す。

「そうだった。レイは布団で寝るかい?」


「まだ、疑ってんのか」

「違う。俺は乗せてもらってる身だから断ってんの」

「分かったよ」

グッドマンはニヤニヤしながら奥に引っ込む。

衣服を探しているのか、段ボールを探っていて背中をレイの方へと向けている。

再度、到来したチャンスのためレイは慎重になる。

拳銃を握りしめた時の重さが何時もよりも重く感じる。

心臓の音が大きくて五月蠅い。

殺す覚悟を決めたはずなのに、初めてやるとなると緊張してしまう。

すると、グッドマンが話しかけてきた。

「レイの服は汚れてるから、これを着てくれ」

「サイズは合うと思うんだ」

グッドマンはゆっくりと振り返り、シャツとズボンを手渡した。

「すまない」

「それじゃ、お休み」

グッドマンは笑顔で挨拶すると、ベッドの中に潜り込んだ。

レイは拳銃を持つ手に力が入らないことに気が付くと、

ブーツの奥底に仕舞い込んだ。



翌日の朝、グッドマンが朝食に菓子パンとコーヒーを手渡してくれた。

その後、グッドマンはセールスのために店を回ったが、レイは車の中に引きこもったまま

無言で虚空を見ていた。

レイは、時々グッドマンを目で追ってスキを窺うが周りに誰かしらが傍にいる。

それに彼は誰にでも親切で優しかった。

まるで自分の真逆の人生を歩んできたのだろうと怒りを覚えるが、

グットマンと話すと怒りは不思議と姿を隠した。


夜になって、町から夕食の材料を買って来た。

グッドマンに一度は断られたが、レイはキチンと食事代を払った。

暗い林の中に真っ赤な火を囲んで一人が簡易イスに座っている。

「食事が出来たぞ」

車の影からデカイ皿を持って現れた。

「どうぞ、食べてくれ」

「料理は苦手なんだけどね」

大皿には豚肉と野菜が炒められた料理と白米が入っていた。

レイが食べる所を見ていたグッドマンが尋ねた。

「味は如何かな?」

レイは食べ進めている手を止める。

「まあ、悪くはないんじゃないか」

グッドマンは喜んで自分の皿に手を付けた。

レイは少し生っぽい野菜たちを平らげながら、嘘をついた自分に驚いていた。

彼の料理は食べれないほどのモノでは無かったが、美味しくはない。

しかし、料理に口を付けてみて憂鬱な気分が晴れたのだ。

「そういえば、人の料理を食ったのは何日ぶりだろうな」

「食事はどうしてたんだ」

「あー。店か自分で作っていた」

「それはいい。今度は君が夕食を作ってくれないか」

レイは仕方なく頭を縦に振る。

氷点下の温度となった夜だが焚火のせいか、レイは寒さを感じなかった。



三日目の朝を迎えた。

朝食は昨日の残りとコーヒーを腹に収めて仕事のために車を走らせた。

店に着くと、グットマンは段ボールを漁り始めた。

そして、レイに一冊の本を差し出す。

「なんだ。これ?」

「車にいたら暇だろ」

「この本でもよんでろよ」

「本なんて読んだことない」

「どうしてだい?」

「つまらないからさ」

「そんなことないぜ」

グッドマンは強く断言した。

そして、言葉を続ける。

「いい本を読めば」

「君の人生が豊かになるんだ」

「本当だぞ」

レイはタイトルだけでも見て見ようと、その本を受け取った。

レイは誰にも見向きもして貰えなかった自分を真っ向から見てくれるグッドマンに

言い表せない様な感情が心の奥から登ってきた。

彼から渡された本の内容は、少年が旅の中で築いた仲間や勇気・人の痛みを経て、

成長を遂げようとする物語だ。


その本を読み終える頃には、空の色は青い暗闇に包まれていた。

そして、グッドマンの知り合いの家に泊まることとなった。

「レイ、車から降りてこい」

レイは戸惑ったが、グッドマンの後について行く。

家主が怪訝そうな眼差しでレイを見つめる。

「この人は誰だい?」

レイは家主たちの視線から逃げようと顔を伏せる。

「彼はボクの友人です」

グッドマンはレイの心を支える様に肩に力強く触れる。

「友達?」

「はい。こう見えて凄く良い奴なんですよ」

レイは自分を庇ったグッドマンに視線を移す。

二階に用意された客間に入るとレイは疑問を訪ねる。

「どうして、あんなことを言ったんだ?」

「もう2日も一緒にいるんだ」

「立派な友達じゃないか」

彼は、さも当たり前のように話す。

レイも友達という言葉に悪い気はしなかった。



3日目もグッドマンは忙しそうに働いている。

それを見ていたレイは手伝うことを自分から申し出た。

自分でも驚いているが、嫌な気分ではなかった。

仕事が終わると、グッドマンは礼を言って缶コーヒーを投げて来た。

レイはそれを有難く貰うと、いつも飲んでるはずのコーヒーが何日もよりも

美味しく感じられた。


その夜、林の中で車を止めてから寝るための支度をする。

「明日、ロスに入るんだ」

レイは頭の奥に隠していた計画を思い出して苛立った。

「そうしたら、お別れだな」

「レイはこれから如何するんだ?」

レイは自分に対する怒りを抑えながら答えた。

「別に何も決めてない」

「そうか」

レイはブーツの外から拳銃を触って考えた。

これ以上、行き場のない人生を送る辛さを味わって生きていくのかと。

誰からも与えられなかった幸福を奪い取ると決意したことを思い出す。

「俺には金が必要なんだ」

人を殺す。いや、友人を無くす決意を固めるために呟いた。

拳銃を抜いてグッドマンの頭に狙いを定める。

手が震え、頭がすごく痛い。

何故か。吐き気がする。

それでも、殺してやろうという思いは銃の引き金を引いた。

銃声が車の中で鳴り響く。

今までの迷いを断ち切るように、もう一度撃つ。

反動で手が痺れていたが、何もかもを終わらせたくて撃つ。

もう二度と、戻れない日に。

幸せな未来という幻想をぶち壊そうと。

自分が殺したことを自分に刻み込むために撃った。

計四発を撃って、銃口を下ろした。


「 、 、 、 」

グッドマンは力なく段ボールの山に倒れている。

血液で赤く染まった顔が表を上げて、此方を見つめた。

彼は血だらけであるが、未だに動いている。

「どうして、生きてるんだよ!」

「お前は化け物か」

「酷いな」

彼は撃たれたレイに笑いかける。

「俺は、大丈夫だ」

「その銃を捨てるんだ」

グッドマンはレイの手に触れようとする。

「止めろ!俺はお前を殺さないといけないんだ」

落としそうになった拳銃を握りしめて、頭に突き付けた。

グッドマンは笑顔のまま拳銃のバレル部分を握って、自分の眉間に銃口を付ける。

レイは困惑してしまう。

「何をしてるんだ!」

「レイ、君は私を殺すのだろう」

「私を殺すには、こうしないと殺せないぞ」

グッドマンの手を外そうと振りほどくが無駄に終わる。

「お前に殺されるのが運命なら、それを受け入れよう」

「さあ、俺を殺せ」

レイは拳銃の引き金に手を掛けるが、どうしても動かせない。

何かが止めようとしてるようにレイは思えた。

そして、拳銃から手を外して泣き崩れた。

グッドマンは傷を負っているにも関わらず、レイの昔語りを最後まで聞いた。

それが終わる頃には朝を迎えていた。

「君は僕を殺そうとした」

「君は、俺に一生をかけて償わなければならない」

それだけ言うと、

彼はレイに車で待つように言ってから病院へと向かった。


レイは長い時間を待つ。

最初は彼から逃げようとも考えたが、自分の罪を償いたいと思い。

待つことにした。

そして、12:00頃に彼は車に戻ってきた。

頭には白い包帯を何重にも巻いている。

「弾は全て頭皮を掠っただけらしい」

グッドマンは医者の診断を簡単に説明する。

怖くて、彼の顔を見ることが出来ない。

「じゃあ、行こうか」

「ああ」

レイは警察に自首する覚悟が揺らぎそうになるが、どうにか耐える。

一時間もしないうちに車が停車した。

レイは窓から周りを見渡すが、屋台があるだけで他には何もない。

「ご飯を奢ってくれ」

グッドマンはレイの肩を叩いて言う。

レイは彼の顔を見る。

「なんで」

「なんでなんだ?」

「俺を警察に渡さない」

「お前を殺そうとしたんだぞ!」

グッドマンは深刻な顔をしながら外を見た。

「俺は人を殺したことがあるんだ」



ライオン・グッドマンは幼少までは幸せな家庭で育てられた。

しかし、13歳の時に母が病気で亡くなった。

その時から、父親は息子を無視して仕事に専念した。

それでも少年には幸せに思えていた。

愛には飢えていたが、父親が仕事に向き合うのは

息子である自分を思っての事だと信じていたからだ。

父親は程なくして再婚し、直ぐに子供を置いて失踪した。

知らない母と二人で生活することは誰の目にも明らかで、

毎日のように父の代わりに暴力を振るわれた。

死のうと思ったことは幾度と有ったが、知らない人だとしても

母親を残しては居なくなれないと考えて留まった。

しかし、その生活さえも長くは続かない。

母親の行き過ぎた虐待に少年は抵抗したのだ。

1階へ降りる階段の傍で、カッターを突き付けられた少年は

奪おうとして母親に掴みかかろうとした。

すると、二人はバランスを崩して一階へと落ちる。

その時に母親は頭を強打して死亡した。

警察は事故として処理し、少年を施設に保護した。



全てを語ったグッドマンは苦笑いをしている。

「どうだ。俺は犯罪者だ」

「レイ。お前は人を殺していない」

レイは彼の昔語りに衝撃を受けた。

彼は自分と同じくらい酷い生活を送ってきた。

いや、自分なんかよりも辛かっただろう。

他人を守ろうと、支えようと生きてきた子供が、

最後は自らの手で壊してしまったと思っている。

今のレイには、その辛さが少しは分かる。

そして、自分はそれに耐えられないと思った。

「何で、あんたは笑っていられる」

レイは無意識にグッドマンの方へ詰め寄った。

「そうだな。話は少し続くんだ」

「俺は施設で神父と出会った」

「それで、神父に言われたんだよ」

「なんてだ」

「お前に罪みは無い」

「ただ、お前が償いたいと思うのなら」

「全てを背中に背負ってやり直せ」

グッドマンは笑った。

「子供に無茶言うなよ」

「って感じでしょ」

グッドマンの顔は笑ったままだが真剣な目つきに戻った。

「それで、お前への罰は俺が決める」

「その最初は、昼飯を奢ってくれ」

レイの表情も少し和らいだ。

「分かったよ」


中華料理の屋台の机に、色々な料理が置かれた。

そのどれもが、腹をすかせた二人にとっては最高のご馳走だった。

そして、グッドマンが契約書を机に置いた。

そこには三つの事柄が書いてある。

『⒈レイは俺の仕事の手伝いをしてくれ』

『⒉目標が見つかったら、手伝いなんて辞めて目標のために頑張れ。』

『⒊よければ、俺と同じ意思を持ってほしい』

『良ければ、この契約書にサインをしてくれ』

レイは迷わずにサインを書き込む。

そしてグッドマン達は新しい街へと向かう。



『あとがき』

私の人生を変えてくれた友人との思い出を今回、

小説という形で世の中の人たちに知ってもらいたいと思った。

また、この小説の出版によって

未だに昔の私が立てた誓いを忘れてないということを、再度ここに誓うという意思を我が友人に届けたかったのだ。いや、実際には書こうと思った動機の一つでしかない。

真にこの小説で成したかったことは、ただ単に自分の友を自慢したかっただけなのだ。

今となっては恥ずかしい事であるが、それでも私は自分を救ってくれた友を読者の方々に自慢したい。

「俺の親友は俺にとってのヒーローだったと」



『Author』  Lion・Ray 










最後まで読んでくれて、ありがとうございます。

色々なコメントや評価などを書いてもらえるとありがたいです。


この小説はバイオティクスという小説の合間に書いてみたモノです。

次、投稿するのは多分『バイオティクス』という小説の1話だと思います。

この小説はかなり力を入れているんで、もし機会が在ったら読んでくれると

嬉しいです。ただ、こういう少し歴史系の偉人シリーズというか事件シリーズをちょっとずつ出してみてもいいかなと書いてみて思いました。



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― 新着の感想 ―
[一言] 私はいい話だなーと思いました。もとの話もすごくドラマチックですよね。どうしてこれを書こうと思ったんですか?
[気になる点] 他人のふんどしで相撲をとるとは…… しかもくだらなすぎるエンディング
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