冒険者ギルドへ行こう!PART2
【やっほー!るいるい、やっとお話ができるね☆】
・・・何かやたら明るい調子で話しかけられた!
【えっと、この声は鑑定のレベルアップの時の・・?】
【そう、あの時は自由にしゃべれなかったからうれしいよー!】
【失敗したな。あんまり役にも立ってなかったし鑑定スキルは永久封印するか・・】
【ちょ、まって、まって!まだこれからだって!良い子にするから、絶対役に立つよー☆】
【うーん、まさか並列思考の一部を使う必要があったのはこの為・・。例えばどんな事ができるの?】
【るいるいの代わりにたくさんの情報の最適解をすぐに出せるよ!あ、私は今は識者先生だからね、先生ちゃんて可愛く呼んでね☆】
【へー、じゃあ何でも知ってるんだ?】
【何でもは知らないよ、知っていることd・・・ぶふぁ!】
【・・・最後までは言わせないよ?】
【??・・意識の世界で今どうやって・・?】
【ちなみにイチタはこの会話に参加できるのかな?】
【聞こえてるよ。参加も・・できるみたいだね。】
ふむ、並列思考は一人一人の思考を確立させてくれたのかな。
体に縛られて二つの思考が一つになってた事を考えると良かったかもしれない。
・・先生ちゃんより余程役にたってるじゃない?
【うわーん、先生ちゃんも混ぜてよー!他にも演算速度や思考処理速度が上がるから新しい知識や情報を集めていけばどんどん成長するよ☆】
【あーなるほど、つまり鑑定の時と一緒で基本的な情報や考え方は私を基本にしているって事?】
【さぁーっすが、るいるい。中々良い質問だね!ご想像の通り、「るいるいが考えうる最適解」だよ☆】
・・・やっぱり答えを信用しすぎるのは危険って事だね。
【あ、みんな動きだすみたいだから後でね。勝手に話しかけないでね。】
【うわーん、そんなー☆】
「アカネちゃんナイス!皆散って行ったね。」
「シェリスさんもお疲れ様。上手くいってよかったー。」
「多少は街に行ってしまうじゃろうが、後は街の衛兵が何とかするじゃろう。」
「じゃあボクらは早く街に入ってしまおっか。」
街は程近くにあってすぐに街の入口に到着した。
入口で衛兵さんに魔物が出た事と少しこっちにも来るかも知れないと情報を伝え、街の中に入る。
「しかし立派な壁だね、お城の壁かと思ったよ。」
「シェリスさんはキキョウの街は初めて?」
「うん、話には聞いていたけどね。これならジャイアントアントが来ても大丈夫だったかもね。」
この街はすっぽりと大きな高い壁で囲まれている街で空間把握で全体を見てみると、年月のせいか少し歪んでいるけど函館の五稜郭の様に星の形をしている。
明らかに防衛を想定して作られているよね。
「過去の予言で魔王が侵入してくる道と言われておるからのぅ。しかしどんなに頑丈でも中に入られてしまえば脆い物じゃ、油断は禁物なのじゃ。」
今は巫女ちゃんとカエデさんも一緒に街の中を歩いている。
サクラや馬車はって?サクラは魔物が入口を通れるかわからなかったから小さくなって貰って(少し小さめの馬くらい)、普通の馬の振りをして入口を通って今はシェリスと一緒に歩いている。
護衛の人達は入口の近くで馬車の手入れをして待っているそう。
巫女ちゃん達はお昼をご一緒したらすぐに神殿に向かうんだって。
お昼は巫女ちゃんお勧めのオソバの美味しいお店に連れて行って貰った。異世界で食べるオソバはまた格別でした。
「この店のオソバは絶品じゃろう?・・して先程の話の続きじゃが、二人はこの後どうするのじゃ?」
「そうだねー、アカネちゃんが望むならご実家のある街に向かおうか?」
「いえ、実家に帰ろうと思うとお姉ちゃんが悲しそうなのでまだやめておこうかなって。」
「シェリスは悲しいのかの?」
おっと、アカネちゃんに伝わってしまっていたか。アカネちゃんは感受性が豊かだから気を付けないと・・。
「う・うん、まぁね。少し時間をおいた方が良いかと思ってさ!」
シェリスお姉ちゃんが上手い事話を繋いでくれた。
まだ巫女ちゃんはパンツを履いてくれてないんだよね。一緒に居る間になら私の事を話してみて・・とも思ってたけど、次の機会にしようかな。
新しくパンツがもう1枚作れたのでカエデさんにも使うか聞いてみると、奪い取られる様にパンツを受け取り、食い気味にすっごく感謝のお礼を言われた。
気に入って貰えるのなら何よりです。
美味しいオソバを食べ終わり店の外に出る。
「それじゃあ、またのぅ。」
「アリスもカエデさんも元気でね!」
「ぐす、もうお別れなんてさみしくなるね・・。」
アカネちゃん楽しそうだったもんね。同じ年くらいの子でせっかく仲良しになれたのにね・・。
「寂しくはあるがまた会えるじゃろうからの、二人も達者でな!」
と結構あっさりと巫女ちゃん達一行は街を出て行った。
「じゃあ宿を探す前に少し冒険者ギルドに寄って良いかな?そろそろ路銀も出してきたいしね。」
「うん、もちろんいいよー。」
はっ、まさかこれはテンプレ2か!?・・いやシェリスが一緒に居るしそんな事はないよね?
冒険者ギルドに着いた。入った時に少し注目されたけどテンプレは発生しなかった。まだ油断はできないけどね!
「預けていたお金を少し出したいんだけど・・、あ、これカードね?」
「はい、畏まりました。こちらの書類に記入をお願いします。」
とコミュ力が高いシェリスが滞りなく手続きを進める。
「シェリスさん、私も余りお金は持っていなくって・・。結構辛いの?」
「ははは、ボクはこれでも騎士だったからね。今まで使う事も無かったし生活費なら当分は大丈夫だよ!」
「ほっ、っていつまでもシェリスさんに頼ってしまう訳には・・。」
「日銭を稼ぐって事なら冒険者ギルドで依頼を受けるのが一番だね。んー、じゃあアカネちゃんランクアップ試験受けてみない?」
「ランクアップ!?」
ランク10は薬になる草や種・木の実などの採取。ランク9はお使い・配達・ペットの散歩・迷いペット探し等の依頼がメインになる。
所謂魔物討伐はランク8からとなっていて、魔物と戦える力を試験で示さないとランクも上がらないし依頼も受けられない。試験を受けるのにランク8は特に条件はなくって10でも9でもいつでも受けられる。
ちなみにランク1になったのは過去800年で一人だけらしい。すべてを備える人、力・知識・実績・お金・人脈・カリスマ・・・と国を任せられる位のレベルでなければ成れないらしい。人はそれを勇者と呼ぶ。
「ランク5のボクだけでも討伐依頼は受けられるけど二人で受けた方が報酬が多い物もあるからね!」
「で・でも私まだランク10で・・。」
「へーきへーきっ!あ、受付のお姉さん。この子がランク8の試験を受けたいんだけど良い?」
「わかりました。ランク8ならすぐ試験官も手配できると思いますので少しお待ちください。」
とんとん拍子で話は進み、しばらく待つと受付のお姉さんが熊みたいな男と一緒に出てきた。
「むむむむ、むりっです!シェリスさん、私はあの人に食べられちゃうのかもしれない!!」
「大丈夫だよアカネちゃん!あれはぎりぎり人間だよっ!!」
「むぅ、何か不当な評価をされた気がするが・・。おい、サトゥ!お前この子の試験官やれ!
二人の話声が聞こえてしまったのか悲しそうな顔を少しして近くの冒険者と思われる男に声をかける熊さん。
「えっと、ギルドマスター。もっと他にも適任者が居るんじゃないかな?」
「居るだろうが、今一番暇そうなのはお前だ。」
「ひどい!これならすぐ次の町に行けば良かった・・。」
と何だか頼り無さそうな青年で、雰囲気も華奢で少年と言っても良いくらい。
名前:サトゥ イチロウ
性別:男
年齢:15
種族:人族
ジョブ:商人
レベル:20
HP:77/77
MP:11/11
STR:55
DEF:33
DEX:44
INT:55
LUC:22
状態:良好
趣味:旅行
称号:フェミニスト
何だろうこの人のすごい違和感!ボタン適当に連打して決めましたみたいなステータス・・。
熊さんに信用されて任されてる訳だし、アカネちゃんに危険はない・・よね?
「ま・熊さんに任せるのも、そこの女の子が可哀想だし少しならいいか。」
「誰が熊だ!?」
「じゃあ隣の訓練場に行こうか?」
と言ってすたすたと奥の部屋に歩きだす冒険者の男。
アカネちゃんも慌ててついていく。
「じゃあまずは攻撃から見てみようか?」
「は・はい!『コールド』」
アカネちゃんが呪文を放ち、氷の塊が冒険者の男の上に出現する。
『マジックシールド』
と出現した氷の下に光の壁が現れ、冒険者の男が手を横に振ると氷の塊も横へ落ちる方向をずらされ脇に落ちる。
「あ、あれ?オークの出した光の壁の時は上手くいったのに・・。」
「へぇ、ハイオークと戦った事があるんだね。マジックシールドは魔力がある物に干渉する壁だから魔力を纏っている氷にも干渉はできるんだよ。落ちてしばらく経った氷にはだめだけどね?」
と言いながら涼しげな顔をしている冒険者の男。
「じゃあ次は防御をみてみようか?」
瞬間、冒険者の男が消える!
そしてアカネちゃんのすぐ横に現れ中指を弾こうと・・デコビン!?
しかしアカネちゃんはすぐ横に飛び、ショートスタッフをぶんぶんと冒険者の男の方へ振り回す!
「おっと、中々の反応速度だねっ!ひょっとしてこの技知ってた?」
「は・はい、偶々知り合いにも使える人がいて・・。」
「じゃあ奇襲は通じないっか・・。」
と言いながら今度は普通に歩いてアカネちゃんにどんどん近づいていく。ちっ、ストーカーか?
『コ・コールド!』
逃げながらも今度は地面に向かって呪文を放ち、途端にアカネちゃんの周りの地面が凍り付く!
「おー、結構しっかり凍ってるし範囲も広いね!これなら弱い魔物なら十分牽制になるだろうね。」
と凍った地面の手前でしゃがみ、地面を拳の裏でコンコンしている。
「熊さん、これならランク8としては十分じゃないかな?伸びしろもありそうだし。」
「うむ、合格と認める!」
「やったね、アカネちゃん!」
大喜びでアカネちゃんのところへ走っていくシェリス。途中凍った地面でコケそうになってたのは内緒にしてあげよう。
「ありがとう、シェリスさん。・・・試験官さんもありがとうございました!」
「いやいや、合格はアカネちゃんの実力だよ。僕も得る事があったしね。・・じゃあ僕はこれで、お姉ちゃんにも宜しくね!」
「アカネちゃん怪我は無かった?いやーあの人強そうだったね。」
「うん、何もなかったよ。あの人がシェリスさんにも宜しくだって。」
訓練場を出ていく冒険者の男を見ると、
「さすがご主人様です。」
「なんくるないさー、にんにん!」
うわっ、いつの間にか周りに可愛い子がいっぱい集まって来ている!
・・・みんなパンツ履いてくれないかな?




