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異世界PAN2!  作者: まじてんし
23/29

必殺技は、にこぽっ

 入口で門番をしていた人に冒険者カードを見せ、問題なく村に入る事ができた。

 シェリスも騎士としてではなく冒険者カードを見せえ通っていた。シェリスも登録してたんだね。

 村はシェリスの言ってた通りそれ程大きくはなく、必要な施設はあるようだけどこれといって珍しい物も無さそう。

  

「取りあえず宿を探して一休みしようか?」


 とずっと歩き通しだったシェリスは少しお疲れの様子。まぁ当たり前か・・。


「うん、そうだね。シェリスさんにだけ大変な思いをさせてしまったし・・。」


 今はアカネちゃんはシェリスの背から降り自分で歩いている。


「ボクはまだぜんぜん平気だけどね。あ、ここかな?すいませーん!」


 宿屋さんは村の入口の傍にあって、見つけたシェリスがノータイムで突撃していく。


「あ、はや!シェリスさん置いていかないでー。」


 余りコミュ力の高くないアカネちゃんは即断即決のシェリスについて行けずに慌てて追いかける。



「宿泊はお一人様銀貨3枚です。朝・晩お食事付で銀貨4枚になります。」

「じゃあ取りあえず二人で三日分。食事は後から頼む事はできるの?」

「はい、その時にお申し付け頂ければお一人様銅貨50枚でお作り致します。」

「ならその時でもいっか。今日の夜と朝の分はお願します!」


 とさくさく話は進みシェリスが銀貨20枚を支払う。


「これが鍵です。お食事の用意ができましたらお呼びします。」


 鍵を受け渡しつつがなく業務を終え、私達はもう居ないかの如く前を向き姿勢を正す店員さん。プロの匂いがするね。


「ありがとう。アカネちゃん行こう!」

「うん。」



 部屋は八畳くらいでベットが二つと机にイスがあるくらい。お茶菓子は置いていない。


「うわぁ、久々のお布団だね!」

「うん、色々あったからね・・。」


 と少し暗くなりそうなところをシェリスが話す。


「宿は三日分とってあるからしばらくゆっくりしようね。村の中を見て周るのもきっと楽しいよ!」

「うん!」


 と俯きがちになった顔をあげ、笑って返事をするアカネちゃん。がんばれー、お姉ちゃんも居るぞ!



 宿の人が食事の準備ができたと呼びに来て食堂に向かう。

 他の人はまだ来てないみたい。私達が一番だ!


 夕飯はベーコンの様なお肉を焼いた物とサラダに変な形のキノコが入ったスープとパン。デザートにグレープフルーツみたいな果物が半分出てきた。

 この村は燻製肉が特産らしく、お肉はいつでも食べられるみたい。

 食事中に聞いた話だとこの村にもターレから三人逃げてきた人が居るらしく保護をしているみたい。最寄りの村に避難できた人がたったの三人か・・。

 散った魔物も何匹かこの村に来たらしく追い払うのが大変だったと話していた。


 この宿にはお風呂もあって、入れる時間帯が決まっているけど利用客は自由に入れるらしい。

 食事を終えさっそく二人は入りに行くみたい。アカネちゃんはフンドシの事も入念に洗ってくれた。クリーンも毎日してるけど気持ちの問題だよね。



 お風呂から部屋に戻りどちらともなくベットに倒れ込みそのまま二人とも動かなくなる。

 仕方ないなー、っと私が二人に布団を掛けてあげる。

 私も空間把握を何度も使っていたせいかすぐに眠くなり意識を手放す。・・無念。



 朝となり、夜起きる事もなくぐっすりと眠れた私達は起きて食堂に向かう。

 朝ごはんはスクランブルエッグにパンとスープ、サラダとミルクが付いていた。

 食事をしながら早朝に出かけていたらしい人達の話が聞こえる。

 何やら燻製を作る小屋に魔物が突撃してきたらしい。有志を募って今追い払っているみたい。

 大変だなーと聞き流しつつ食事を終え二人は部屋に戻る。


「今日は天気も良いし村を散策がてら買い物に行こっか?」

「うん、携帯食料の補充なんかもしないと。」


 とアカネちゃんは真面目か!


 村のお店を回り携帯食料とテントも買った。二人だと危険だからあんまりテントを張ってしっかり寝てしまう事もないかもしれないけど、畳んでアイテムボックスに入れておけば荷物にはならないしね。

 小腹も空いてきたところで何か美味しい物が食べられるお店がないかと村を散策する。


「村の端まで来ちゃったね。こんな事なら宿で良いお店聞いておけば良かったなー。」


 と踵を返し戻ろうとしたところ、


「こっちから引っ張っぱるぞ!あ、おいそっちに行かせるな!」


 大声で指示をする声が聞こえる。あー私はこの展開読めていたよ?

 声のする方を二人が見に行くとまた声が聞こえる。


「こっちの餌の方がおいしいのじゃ、こっちに来るのじゃ?」

「早くこっちに引っ張れ!」


 あの人達が有志の方たちかな?

 見ると魔物は大きな馬で周りの人が気を引こうとしているが気にも留めずにもくもくと小屋にある物を食べている。

 すぐ脇に結構な深さの穴があるのが見える。


「あの穴に落とそうとしているのかな?」


 と独り言を言ったアカネちゃんに近くの人が返事をしてくれる。


「さっき一度落ちたんだけどなぁ、すぐに駆け上ってしまったんだ。」


「ほらほら、こっちに来るのじゃー?」

「あー出荷前の燻製肉が全部食べられちまう!」


 餌を手に持ち穴に誘導しようとしているのは赤と白の布地が鮮やかな、ザ・巫女さん。巫女娘きたー!

 周りの人もロープを持って近づこうとしているが馬の後ろ脚に蹴散らされ近づけないでいる。


「気の毒だしちょっと手伝ってこようかな。ちょっとそれを貸してもらえますか?」


 とシェリスが言い何に使う為に持っていたのか鍋を村の人から借りる。

 そして近づいていったかと思うと姿が消え、シェリスは馬の前に一瞬で移動する。

 そこで鍋を剣の鞘でがんがん叩く。


「ほらほらー、ここは危ないぞー!?」


 と暢気な言葉も音にびっくりした馬が顔を上げ、シェリスはすかさずクワえていた肉を凄い速さで剣で何度も切り付ける。銜えていたいた肉は破片となって落ちる。勿体ない・・。

 馬はヒヒーンと鳴きながら後ろに下がり後ろ足が穴へとずり落ちてしまう。


「あー後もうちょっと!あれじゃあまた出てきちまう・・。」


 と村の人が言ったところで、


『コールド』


 アカネちゃんが魔法を穴の中に放ち地面が凍りつく。上ろうとしていた馬は後ろ足が滑り、そのまま前足も滑り落ち全身が完全に穴へと落ちる。


「よし、今のうちだ!」


 と誰かが叫び、捕獲用の網を穴の上に被せ地面に杭を打つ。哀れお馬さんは囚われの身となる。


「シェリスさんすごーい!」

「ま・馬の扱いは騎士のタシナみってね、アカネちゃんもナイス気転!」


 と二人は両手を顔の前に上げパンッと掌を打ちあう。


 呆然と見ていた巫女ちゃんがシェリスに話かけてきた。


「な・中々の手際じゃな!もう少しでワラワの策も成ろうというところだったんじゃが・・。」


 ともう少し時間があれば上手くいっていたアピールをしてくる巫女ちゃん。しかしそんな嫌味はシェリスには通じないぜ!?


「そっか、余計な事をしちゃったかな。でも怪我してる人は誰も居なそうだからよかった!」


 きらりと犬歯が光り、にっこり笑いかけるシェリス。


「いや、早く自体を収束するのが先決だったのじゃから・・もにゅもにゅ」


 とシェリスの笑顔に顔を伏せ何やら最後まで言えずにもにゅもにゅする巫女ちゃん。かわいい!



 村の人からお礼を言われ大した事はしていないと、お礼を軽く辞退するシェリスは、


「あ、そうだ。これからお昼にしようと思ってどこか探していたんですけど、どこか美味しいところ教えて貰えませんか?」


 それならば・・と村の人が口を開きかけたところで、


「っっそれならばっーー!」


 巫女ちゃんが飛んできてシェリスと村の人の間に割り込んで言う。


「この村の事は知り尽くしている妾が案内するのじゃ!」

「知り尽くしているって数日滞在しただけじゃ・・」


 ともう一人の巫女服を着た人と後ろにも護衛と見られる人達が数人見える。


「うるさいのじゃ!数日あれば十分。妾の部屋も同然なのじゃ!」


 いやいや、部屋はさすがに大きすぎるでしょ?と反論する隙を与えずにシェリスの腕を掴み行こうとする巫女ちゃん。


「んー、ボクは構わないけど・・、アカネちゃんどうする?」

「私も全然構わないよ。」

「そか、じゃあ・・。」

「妾の名前はスメラギアリスじゃ!」

「じゃあアリスちゃん行こっか?」

「うん!」


 とシェリスだったら尻尾をぶんぶん振っているだろう笑顔で返事をする巫女ちゃん。


 案内してくれたお店は美味しくはあったけども普通の料理屋さんだった。まぁこの村ですごい高級料理が出てきても驚くけど・・。

 巫女ちゃんとは食事が終わりお店を出たところで別れた。食事中はずっとシェリスにべったりだったなー。

 シェリスは主人公気質だからね。うっかりすると私も惚れてしまいそうになる。

 ちなみにシェリスはかわいいというより美人といった風で髪は茶色より少し明るいライトブラウンとかナチュラルブラウンといった感じかな?

 身長は170cm以上もあってモデル系美人。普段髪は後ろにまとめているんだけど、下ろすと肩より少し長いくらいあってお風呂上りなどは艶めかしい。


 その後しばらく村を回り、日が暮れる前に宿に戻る。

 今日の夕飯は村の人達からのお礼らしくちょっと良い肉になっていた。


 そしてお風呂を頂き部屋に戻ってベットに入る二人。


「今日は楽しかったね、また明日も村を見て回ろうね!」

「うん、でもシェリスさん歩くの早いからついて行くのが大変だよ?」

「ごめんごめん、一緒に散歩できるのがうれしくってさ。」


 と二人で今日の事を振り返り、気づいたら眠りに落ち今日が終わる。

      ・

      ・

      ・



 もちろんそんなはずはなく!


「・・・ん、何?パンツが・・・動い・・て?」

【おはよー、シェリスお目覚めは如何かな?】

「おはよ、ってまだ外は真っ暗じゃない。あ、ちょ・・パンツが・・・はぁ、止まった・・。」

【ん?何が!?それより今日は一日中散歩ができて良かったね。】

「良かったけど、はぅ・・またパンツが・・・・あれ、すぐ止まった?ちょっとこれ、るいがやってるの!?」」


 それには答えずに、


「あ、また・・くっ・・ふぁ・・あ?あれ、また止まった?」

【・・・・・止まっちゃって残念?】

「!!!!!?そ・そそそそんな訳ないよ!?」

【静かにしないと隣で寝ているアカネちゃんが起きちゃうわよ?】

【!!・・・どうしてこんな事を?やめてよるい。】

【どうしてって、シェリスに気持ちよくなって貰いたいからに決まってるじゃない?本当にやめて欲しいの?】

【・・・・・】


 返事がない事を良い事に再びパンツを動かして言う。


【ほら、アカネちゃんが言ってたでしょ?このパンツは履いているだけで健康に良いって。こうやって血行促進や体幹の矯正、凝りなんかも解れるわよ?】

【それは聞いたけど、はぁっ・・あれ?また止まった・・。】


 すぐに止まる事を不思議がるシェリスには何も説明はせずに、少し動かしすぐに止めるを繰り返す。


【・・・何、これ・・こんなの辛いよ~・・。】


 ふふふ、シェリスにはこれが気持ち良い事なんだって自覚して貰わないとね。ちゃんとおねだりできる様になったらご褒美をあげるから♪

      ・

      ・

      ・


 シェリスの特訓はまだ終わらない。


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