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コンビニ女神のマリアさん  作者: 油羽滝衣
3/5

マリアさんとコロッケ②

今回の反省点。たかだか3000字以内の文にすごい勢いで人がいます。多く書きすぎた!新キャラも入れたから読んだ人に読みにくかったらどうしようΣ('◉⌓◉’)

です。

人口密度がいつも以上になっていますが楽しんでいただけましたら幸いです。

春爛漫。桜が咲き誇り、日笠市のお花見スポットの一つ南貴川(なたかがわ)も出店や宴会で結構な賑わいを見せていた。

しかし、花より団子もとい花より生活費の(ふじ)良信(よしのぶ)には関係のない話である。南貴川に人が集まるということでファミリアストア 日笠市(ひがさし)南貴(なたか)四丁目店も人で溢れていた。特に酒類やつまみ、スナック菓子がよく売れている。

バイト開始からまもなく一ヶ月、藤も少しずつだが接客業に慣れて最近では入る日数も増やしていた。

うち本日は昼から夕方までのロング勤務だ。シフトは副店長とマリア、それと高校生の男の子の四人制である。

そして現在は休憩ローテーションのために副店長と藤、マリアがレジカウンターでお客様対応に追われていた。


そして彼らはやって来た。


人の波も落ち着き、そろそろ休憩も終わってまた四人態勢に戻るという時間帯にレジにやって来たのは幼さの残る高校生ぐらいのカップルだった。青春の1ページの真っ只中とは羨ましいことだ。

やがて揚げ物コーナーをガン見してから彼氏と思われる少年が、

「あの…」

とマリアに話しかけた。横のレジにいた藤と副店長は思わず息を飲んだ。確かにこの場にいる唯一の女性は話しかけやすいだろうが一番の危険物だ。藤も業務に慣れるとともにマリアの事もわかってきていた。

「すいません、コロッケ揚げてもらえますか?」

藤が見るとお菓子類が売れるのに対して揚げ物はあまり売れていないのか、コロッケもいくつか余っていた。

「えぇ、こちらにある分が売り切れましたら揚げますよ」

あえて『売り切れ』の部分を強めて言っている。年下相手にも容赦なく根本否定のストレートなボディーブローを…。藤は見ないように全力で顏を背けた。

しかし相手もへこたれなかった。というか言い方に気づいていないらしい。

『気づいた方が身のためだからやめとけ!』藤は少年に念を送った。

しかしそんな藤の胸中に気づくことなく少年はムッとしながら、

「だーかーらー!こっちはいらないんで新しいの揚げてもらえますかって言ってんじゃん!」

とコロッケを指さしながら声量をあげた。短気なのか、最初の礼儀正しさのカケラもない。もしかしたら彼女の前で恥をかきたくないというのもあったのだろう。

隣のレジの戦況を横目に、藤と副店長は思わず距離を取った。

そして、その予感は的中した。

「そうですね、こちらに並んだコロッケをお客様が全て購入して頂けましたらすぐに揚げますよ」

マリアがにっこりと微笑む。

うわぁ、藤は口元を押さえた。

しかし驚いた事に少年にはその皮肉が効いていなかったらしい。疎いのかと少年の顔を見ると、むしろ逆効果だったようだ。怒りで顔を紅潮させていた。

「おまえ!!」

そしてカウンターに左手を勢いよく突いて、右手をマリアに伸ばした。

「ちょっと!」

横にいた彼女が慌てて声をあげ、

「マリアさん!」

藤がマリアに手を伸ばす。安全圏のためと距離を取っていたことが仇となった。距離的に間に合わない!

が、思わぬ救世主が現れた。

「ガキ、何してる」

後ろから大学生だろうか男性が少年に声をかけ、マリアに伸ばされていた手を掴んでいる。

「なぁお前、うちの後輩に何してんの?彼女の前でダッセー」

と手を離し、男性は被っていたキャップを取った。

そこでようやく気がついた。

「え!?ヒデさん、お疲れ様です!てか休みじゃ!?」

「おー、おつおつ。実は今日河川敷でサークルの花見しててさ」

先輩店員のヒデこと三村(みむら)英彦(ひでひこ)だ。

すると、

「ヒデ先輩どしたの?」

「かわいい店員さん!ヒデの知り合い?」

「君らもテニサー入んない!?」

商品棚の影からヒデのサークル仲間だろうか数人の男女が現れた。

マリアと揉めていた少年は人数的に不利と見たのか、すぐさま彼女とともに出入り口に向き直り脱出を試みいた。

すると、

「うはぁ、よく寝た」

事務所の扉がガラリと開けられ、中から休憩していた男子高校生が現れた。

「だいすけー、休憩時間越してるやないか?」

副店長が男子高校生、森本(もりもと)大介(だいすけ)の脳天めがけて軽く手刀を落とした。

「痛っ!だってここ最近は部の練習で…て、ん?」

大介は頭を抑えながら、逃げようとしていた高校生カップルに目をやった。その途端、少年が叫んだ。

「だっ、大介くん!」

「おー、河野(かわの)か。彼女とデートとはいい気なもんだな」

「なんだ大介の後輩か?」

「あ、ヒデくん来てたの!?奢ってよ!俺ポテチ食いたい!」

…話の展開についてけない。

「て、あれ?ヒデくん、河野がどうかした?」

「知らねーけど、なんかマリアと揉めてたぞ」

言いながらヒデは顔を背け、同時に大介の顔が青ざめた。

そしてカウンターを飛び出して、後輩河野の胸ぐらを掴みあげた。

「てめぇ!何してやがる!前に言ってただろ、うちのバイト先に裏番みたいな先輩がいるって!」

「え?ま、まさか、そこの」

河野がマリアに指を上げようとし、

「阿呆!もう喋んな!」

大介はさらに手の力を強めた。

でも、もう遅いよ。

「大介くん、あとでお話しましょうか」

笑顔を顔面に張り付けてマリアが大介に話しかける。

そして、

「お友達も連れておいで♡」

その瞬間、周囲の空気がピシッと凍りついた。そして大介は河野の肩をガシリと掴む。

「17時に店の前に来い!じゃないと…俺が…」

目がマジだ…。

「わ、かりました!絶対来ます!」

そして河野は彼女とともに走ってその場を後にした。

マリアの立ち位置は本当に謎だ。副店長や年上・年下の店員からもこのように恐れられているとは本当に裏番なのではないかと思ってしまう。

悲惨な状況を見て、ヒデが息を吐きながら頭を抑えた。

「にしてもマリア。いくら俺が入ってきたのに気づいたからって高校生の琴線に触れるなよ」

意外だった。ヒデが来ていたことに気づいていたのか。

「だって、ヒデくんなら何かあったら止めてくれるだろうし、最近の男の子がどの程度で怒っちゃうのか試して見たくなったから」

うふふとマリアは子猫を愛でるように優しく微笑み、頰に手をあてた。

うん、裏番かもしれない。

藤を含めて数名が思ったが、それは誰の口からも話されなかった。


そしてその日、大介と河野が怯えながら帰る姿が数人に目撃されたそうだ。

読めましたか!?大丈夫でしたか?

新キャラ大介くんでファミリアストアの店員は5名わかったことになりました。今後はほかの夕勤さん、夜勤さんや学生以外のキャラクターも書いていきたいと思ってます(*'▽'*)

とりあえず、次は人口密度減らしてもっとわかりやすく書きます、、、。

ありがとうございました!

また次回も読んでいただけますと嬉しいです!

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