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Never Dies、命の代償  作者: 雛人形
序章
9/11

採用  (一章終了)

どんなですかねぇ?感想おねがいできれば幸いです。

━━ 翌朝、眼が覚める。

 至って普通で《朝》その物が変化する事など起こりようも無い。

 御鏡総一にとっての今日という朝は、此れまでのそれとは特別な変化を遂げて訪れていたのである、何故なら何時もは起きてリビングに入っても自分独り、なのだが………。

今日は独りきりではなかった、朝の挨拶をしてくれる人が居る。

 

 「おはよう、ゆっくりと眠れたようね」


マヤ    御鏡くん、おはよー ♪


 それも二人だ!、しかも女性が二人同じ屋根の下に寝起きを共にしてくれている。  

 総一の記憶に間違いが起きていなければ、同一の空間で寝食を共にした記憶は皆無の筈、普通は最低でも母親くらいは数に入れるのであろうが、生物学的分類(いきている)の区分けに措いての《母》という存在は、成人女性(ペアリング)の範疇外なのでカウントされていない。この《成人》は法でいう大人の事では無く、精神的そして身体(プロポーション)的に大人と見れる相手の事。

マヤは十分その条件を満たしている。故に、(カウント)に入っている訳である。


 自分勝手な理論理屈を、寝起き直後の頭で描いたせいで挨拶が遅れてしまい……、


 「ちょっとお、挨拶くらいしなさいよ、もぅ」


マヤ   その通りだよ━、御鏡くん挨拶しないとお~


 って感じで、突っ込みを喰らう事態となってしまう。


 「うっ!悪いッごめん…、おはよう━ 」


 「なにを入って来るなりぼえ-としてぇ若しかして、若い女性が二人も居て見惚れてた?」


マヤ    じ━っ


 「えっ若い?、ふたり?」


 「そう言う事をいうなら、折角作ってあげたコレはゴミ箱へポイッと♪」


マヤ    あははは、かわいそうだよ━


 「あ!いや、いい間違い!、ミス、誤爆です、すいません!」


 「ふ━ん、けど誤爆って事はさ、頭んなかではそう想ってる。て事よねっ」


 「いいえ!決してその様な事は微塵も考えてません、

   誤爆というのは、間違って言葉を出した訳では無くですねっ…

   間違った文字を口にしたと言う意味を示している訳です。はいっ!」


マヤ    くっ苦しい!、それ苦し過ぎるよ 


 「まぁ折角時間掛けて作ったしポイッするのも勿体無いか、んじゃ…はい♪」


 テーブルに置かれている物は、コーンポタージュのグラタン。

 昨晩、到着してから台所の配置とかは多少の説明はしていたので朝食を作る事はできるが、簡単であるにしても急遽冷蔵庫の有り合わせで作ったにしては良い出来である。コーンポタージュの粉末を利用し、食パンを小さく切りウィンナーや野菜数種とチーズにバター、牛乳を上手く混ぜて作ってある。    


マヤ    あー、昨日の朝食より、手が込んでる…気がする


 当然の事ながら、総一があっという間に平らげてしまったのは言うまでも無い、その食べっぷりを横で見ながら女性二人も朝食を取り始める。


マヤ    じ━━━っ


 三枝の方をチラチラ見ているマヤが居る。


 「ん?♪どうかしたの♪、マヤちゃん♪」


 ぶんぶんっと、髪がスープ皿に浸かりそうな勢いで首を横に振るが。


マヤ    んーー気のせいかなぁ?、ミエねえさんなんか凄っく楽しそうなぁ…

             

 朝の9時、ちょっと遅めの朝食を三枝のアイデア料理で済ませ、この家屋を隠れ蓑にして生活する為の三者会談をする。

 先ずはマヤについて、普通なら高校生の年齢であると思われるが、本人に聞いてみても困った顔して首を横に振り頭を下げる。


マヤ       年齢…が分らない……思い出せない

             何の為?知らないの……ごめんなさい


 を現す身振りをする、組織に長い期間に亘って幽閉同然に扱われ何を計画されてたかに付いても、高瀬雄二が死んでしまって居ない以上は、今の処は調べようがない。他の仲間(チーム)に救援要請をとなるが、連絡方法は各リーダーのみ相互連絡(アクセス)でき、三枝の方の北条達(チーム)が全滅してる事でリーダー不在となり要請の執りようがない、機密保持の手段が仇となる形になった。


 「うーん困ったわね、事態解決の糸口としては八方塞ね…

                まさか古巣の警察に行く訳にも行かないし」

 

 「北条てリーダーが誰とも連絡取れ無く成った事で、不審に想い捜索とか始めない?」


 っと、総一がここで実に正論めいた意見を出してきたが、

 

 「確かに、その可能性が全く無いとは言えないけど…、

       相互連携で依頼を行わないを厳とする、が原則だから…」


 と、美江から可能性がゼロでは無いが期待に胸膨らませるっとは成らない旨を、告げられる。


 「そこなんだけど、そもそも美江さん達は何処の誰からマヤ達救出の依頼を?」


マヤ      それ、私も是非知りたい!誰なんだろ?


 「ごめんなさい私も詳細は知らされていない…、

         北条以外は、その指示の元に行動するだけで…」


 「とどのつまり、美江さんは自分が組織のどの位置に属しているのか、

       何人属して居るのか、組織の構図がどうなのか全く知らないって事か…」


 「そう、ごめんなさい役立たずで…」


 これは拉致してた組織を調べる事より先に、

 こっち側に付きそうな美江達組織の末端を如何にか見つけないとである、救出する為に敵側の施設に潜り込んでいる以上、三枝は少なくても施設の位置は知っている。それを皮切りに突破口が開けなくは無いと思うが、援護が期待できない状態で動き回るのはハチの巣を素手で突く様な物、まさに愚の骨頂というものだ。


 そんな状態に二人を撒き込む訳にはいかないと判断した為、美江は敢えて施設から探る事を提案してこない、それは総一にも見抜くことが出来ていた。敵を探れない、味方に成りそうな組織も今の処掴まりそうに無い、とすれば残りの選択肢は自ずと限られ限定されると言える、要するに何も出来ない。

否、何もしないが吉であろうと総一は話を切り出す。


 「うーん、組織だった動きが出来ないんだし、普通に今ここでやれる事しない?」

 

 これに三枝も賛同する。


 「そうよね、取り合えずは今出来る事をしましょ」


マヤ   う~ん……、私何かできるのあるのかなぁ?


 マヤの遠くを見るような目で、何を考えているのか即効で理解すると、マヤの頭を軽く撫で。


 「大丈夫!、マヤでも問題なし!簡単に出来る事がある、二人とも付いてきてよ」


 と、昨晩入ってきた入り口とは別の扉の方へと歩いていく、マヤは何か分らず期待満々で笑顔のまま追従している。美江の方は若干の不安が残るが、他に術も無く仕方なくマヤに続いて扉の前へ。


 「じゃ━━━ん!、此処で━━す。どうぞぉ~」


 そして扉をガチャッ!っと開いて中へ通す。


 そこは昨日、総一が言っていた外国へ行った親戚の代わりに臨時で店長を勤めている、

 家屋店舗部の、喫茶店フロアが臨んでいた。

 総面積は広大とは言えないであろう場所の中央に、6席のテーブル、4席のテーブルが3、残りは2席、3席の何れも丸い木製のテーブル分散して置かれ、今開いた扉の左手に厨房が配置されていた。


マヤ     おー、よく分らないけど木製ばっかりで

                なんかあったかい感じがする


 「へーーぇ、店長代理してる喫茶店てこれなのね、

              なかなかいい感じのお店じゃない」


 「でしょ!、こっち、こっち、付いてきて」


 厨房をぐるりと迂回した先に、《従業員専用(スタッフルーム)》と表札がある扉を開け中へと二人を通し、衣装棚に掛かっている制服を取り二人に突きつける。


 「二人には接客専門従業員専用特注(ゴシック・アンド・ロリータ)の制服を着て、ウェイトレスをやってもらいま━す!」


 「はぁ━━あ?、何考えっ… 


マヤ     きゃあ━━っ! 可愛い━━ぃ!

            欲しっい━、絶対着たぁ━━ぃ!


 総一からの提案を持ちかけられた二人は、全く違う反応を示した。

 

 「そりゃあ、マヤちゃんは良いかも知れないけど!」


 何時もならここで、じと目で見るのはマヤだが今回だけは三枝の番である、

 横目でじっーとマヤを見ると。


マヤ   着たい!着たい!着たい!着たい!着たい!着たい!


 三枝を見詰め返す眼と衣装をしっかりと抱き締める姿が、

 声を立てることが適わないマヤの強い願望と懇願の意思を押し付けてくる。


 「ぐうっ━」


 「ほらぁ、マヤもこう言ってる事だし」


  ≪いや!言ってないって≫

 「無理!無理!無理!無理!無理!、絶対ムリ

     こんなの着る位なら、外で部屋借りてバイト探すわ…」


 「ほ━お、三枝さん部屋借りる御金、

       持ってたんだ?へ━、じゃあその服装で外出だね━♪」


 御金なんかある訳がない、山荘から着の身着のまま命辛々で逃走している一円も無い、丸っきりの空っ欠である。

 この後も苦しい展開を繰り返すが全て論破される。

 横目でマヤを再びチラ見、



マヤ     可愛い服着たい・絶対着たい!

            可愛い服着たい・絶対着たい!


 を、連射してくる眼力を浴びて、遂に降参。


 「はあ━━━━━ぁ、……… 分った、着るわ、

          一つ条件あるわ、それ聞いてくれたら…」


 「何かなぁ?、何でも聞くかも」


 「着替え7着!、普段着7着アレじゃないヤツ!、私達の家賃0、でっ週休二日制!、

     深夜業無し、一日最大12H迄、有給休憩(さぼり)一日4H、二人の時給2500円、

         変態には接客しない権利と我慢なら無い馬鹿な客に叩きOKの権利!」  


マヤ   なんか凄いっ、…………


 一気に捲し立てて、


  「はぁ、はぁ、はぁ、どうよぉ!これ呑むなら…着ていいわ!」


 「全然一つじゃないけど…、いいよOK呑みましょう!」


 ≪ え?呑むのぉ~うそでしょぅ~? ≫


 「でも、最初の二つ以外は今即無理だけどね」


 総一は何処かへ電話を掛け始め、一度切って数回…計8回の電話を掛け終わると、

 椅子に腰掛けてもう少し待つように告げた。

 

 ━━ 15分後 ━━


 一台のワゴン車が、接客専門従業員専用特注(ゴシック・アンド・ロリータ)の制服の2種類のサイズ計14着を持ってきたのを皮切りに、次々とワゴン車が到着し二人の服装選びが開始され。黄色い歓声と服飾店員の応対声で部屋が一杯に、最期の8台目が引き上げた後、テーブルに積まれた28着の服を顔前にして、総一は。


 「これでいいかな?」

 ≪ ハッ、しまった…つい夢中になって…7着選んでしまっ… ≫


 「決まりだね!」


マヤ  わあぁ~、明日から、いや今、きちゃお♪

 

 「くぅ━━━━っ、この齢になってぇ

        こんなの着るはめになるなんて………恥ずっ、もぅ死にたいぃ………」


 「じゃっ、二人とも明日からよろしく━━━っ」


 「………死にたぃ………わぁ…もおぉ~」


 

 後ろで笑顔全開のマヤが、接客専門従業員専用特注(ゴシック・アンド・ロリータ)の制服を着て、

       更衣室から出てきてポーズをしてきた!

 

 





 


読んでいただきありがとうございましたー

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