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Never Dies、命の代償  作者: 雛人形
序章
7/11

離脱

一連の騒動から、離れていく場面です!。

どうか一度目を通し、感想等をおねがいします

 倉崎三枝が奇跡を目の当りにしてから数時間が経過していた。

 山荘から仲間と共に飛び出した後、三方向へと散った逃走は撹乱目的だった、

 それは、ある意味成功、ある意味失敗となり、ふたりを残し全滅となった。

 御鏡総一と出会いその住まいで新生活を隠れ蓑にしようとした矢先に、

 銃弾により総一は瀕死の重傷を負い、正に死の間際……、

 マヤの尋常ならざる力の行為を受け、総一は死の底へ落ちるのを免れる、そして今、三人はそれぞれの思いを胸に総一の車で山中から離れて国道に入り遠くへと走り去っていく。

 


 ━━ 2時間前 ━━


 「マヤちゃん…貴女って一体…何?」

 身体に温もりを取り戻した総一の身体を膝上に抱え三枝はマヤに問うが、マヤの返事が聞こえる筈も無いのは承知の事実だが、そう聞くしか…そう声をかけるしか言葉がでない。


     もう!誰も死ぬの見たくない!

マヤ   御鏡くん死なせたくなかった…、だから…、使った

     後悔はしない……けど…… 


 マヤは視線を下げてじっと総一を見ていたが、徐に三枝へと移した。


     三枝ねえさんに知られちゃった、

マヤ   避けられるかなぁ?、私、が怖いかな、

     やだ…なぁ…、嫌われる?やっぱ普通そうなるよね


 マヤの想像とは裏腹に三枝は抱き寄せ、その耳元に言葉を聞かせる。

 「怖くなんかないからね、嫌いになんか成らない、

  置き去りにして、あいつらに渡したりしない!絶対大丈夫だからっ!」


 それはマヤが恐れる事を、全否定した言葉。

マヤ   大好き!

 不安が一度に消し飛び、抱きしめ返す。 


 「俺の上で<百合>ごっこするのやめて貰えると嬉しいんだが!」


 「きゃあっ!!」


マヤ  ひやぁあ!!


 身体の傷が治癒し命を取り留めたが、いまだ目を閉じたままだった総一が目を開け開口一番に軽い口を叩く、むくっと上半身のみで起き上がると胸元をマジマジと観察している。


 「うーーん、傷口が消えてる…、これって君がやったんだよね?マヤ…」

 ゆっくりコクリと頭を上下に動かすが、不安げな顔する。

 普通じゃない力を持ってると知られて、怖がられ避けられるのでは?と。

 だが、そんな物は杞憂に終わる。

  

 「いやぁ~本当っ痛かったぁ!マジで死ぬかと思ったわ!、

          助かったよ!ありがとうなぁマヤ!」


 「あんたねぇ…、今の今まで其処で死体になりかけで転がってくせに!、なんなの?その底なしの明るさわぁ!」

 「あは、良く言われる、君って明るいね って!」

 「呆れたっ、ふぅ-、……馬鹿じゃないっ?まったくもぅ~」

 

 二人の会話を聞いてマヤの不安は一蹴された。


マヤ    よかったぁ、嫌われなかったっ!


 「さて、喜ぶのはここまで!問題が残ってるわ!」

 

 そう、問題がある。狙撃してきた男の刺殺体。

 更には、狙撃してくる前に仲間に連絡していたか?。

 そして…、ここからどうやって立去り逃走するか?だ。


 「逃走は、心配しなくていいよ!先ずこいつをどうするか?」

 「どうやっても見付かるでしょうが、見たくない!埋めましょ!」

 自分達を狙撃してきた相手、しかもガラス片を突き立て…殺したのだ、

 元警官で見慣れているとは言え、無理からぬ事だろう。


 三枝は足を痛めて上手く歩けないので、総一が両脚を持って外まで引き摺っていき小屋裏にあったスコップで穴を掘ると、そこへ迷彩服の男を転がし銃も一緒に投げ入れ埋めた。


 「よしっと!」

 額を拭い小屋へ戻ると、マヤが散乱した破片の数々を片付け終わるとこで、室内を見渡すと壊れた窓ガラス以外は元通りである。


 「へー綺麗に片付いたねぇ、マヤて綺麗好き?」

 

 そう言われると、ニコニコしながら照れ笑いを見せるマヤ。

マヤ    なんか片付けるの楽しいかも…

 

 一方、三枝はというと不安を隠しきれていない顔。

 「床の血痕だけは無理ねえ、隠し切れないわ…それに私達を報告したかも…」

 「それ多分大丈夫、したくても出来なかった筈」

 「え、えっ!どうして?」

 「埋めるときに気が付いたんだけど、無線機ぶっこわれてたっ!」

 「御鏡君て、変に鋭いのねぇ普通は馬鹿そうなのに…」


マヤ   あーそれっちょっと ひどいぃ


 「馬鹿!はないでしょ~ひでぇ~」

 総一の抗議に対し笑いながら返す。

 「あは!、でも二人みてたら元警官の私が一番普通に見えてきたわ」

 「へー三枝さん元警官の方だったか」


マヤ   警官だったんだ… 

 

 「方??って何?」

 「ん~、銃の構え方や振る舞いが随分と熟れてから、

        自衛官か警官どっちかなって想ってた」

 

 「やっぱ君、凄いわっ、辞めてなかったら部下にしたいくらいよ」

 「そりゃ、どうも~光栄です!」

 

 「もぅっ!……、それよりどうやってここから逃げるか?よ」

 「報告されなかったけど、そろそろ此処もヤバイかもね」

 「そうよ、いい加減に脱出方法を教えてよ」


 総一がなかなか言わない為、三枝が少しイラつく顔をみせる。

 「簡単!普通に逃げる!!」

 「だからぁ!どうやってよ??」


マヤ   そう…ミエおねえさん足怪我してるし…

 

 こっちへと手招きしながら総一は部屋の外へ歩き出す、三枝はマヤにむかって。

 「もおう、ねぇマヤちゃん!ちょっと肩かして!!」


マヤ   あっ、はい、いいよ~

 

 少しご機嫌ななめの三枝に肩をかし、先に歩いていく総一の後を追う。

 少し歩くと木の扉がある入り口が斜面を削って造られていた。

 

 「男の君が肩かしてよねっ!」

 「ごめんっ!でも、もう足着けれるでしょ?」


 言われて恐る恐る挫いた足を伸ばして立つと。

 「!!え?うそっ、あんまり痛くない…どうして?」

 

 「そのシップ効果抜群!、軽く移動するくらいなら即効で治るんだよね」

 「何で最初に言ってくれなかったのよ?」

 「言うと、無理して逃げようとしたでしょ?」


マヤ   あーーそうかも…たぶん続けようと… 

 

 「はーもぅ~、気を回しすぎ!、年下のくせに!」


 総一はちょっとテレて見せながらその扉に手をかけ開いた。

 「ここから逃げる」

 狭い洞窟の中に何がと、扉を抜けるとそこは大きな空間が広がり一台の四駆車が止まっていた。

 「車があったのね…」

 「そう、あとはこいつで逃げるだけ!」


マヤ    また…まっくろだ… 

 

 「男って何で真っ黒いの好きなわけ?」

 声が聞こえる筈はないが突っ込まれる総一。

 「工事車両のツートンよりましでしょ?」

 「え?」

 「あ、いや~、真っ黒て渋くてなんかカッコいい!って思わない?」


 「思わない!」


マヤ    おもわない!


 「うーん、男のロマンは女性には分らないかぁ~」


マヤ    ………………


 「それより、車に乗せてよ、早く逃げないと…」

 

 総一は、今度は肩を貸しながら三枝を助手席に乗せるとマヤには後席へ乗るようにドアを開けてやり、運転席へ滑り込む。

 一度車を外へ動かし扉を閉め、再び車内へ戻ってくる。 

 

 「ちょっと揺れるけど、そこは我慢して」

 マヤも三枝も、慌てシートベルトを締める!

 「なるべく…ゆっくりと…お願いするわ…」

 「うん!」

 

 四駆車は草と木々の間を走り抜ける為に動きはじめる。

 普通なら絶対に通らない森林の中を大きく車体を傾け揺らしながら、

 車内に…わぁきゃあ!喚声響かせ、マヤは頭の中で叫び目だけ見開く。

 唯一人楽しいそうに運転する総一、レールの無い絶叫マシン車を駆る。


 木々の隙間に通常道路が見えてくると、絶叫マシンの終点がやってきた。

 舗装された安全な道に四輪駆動車が4つはタイヤを乗せる事で、3秒に一度のペースでシートと尻が離れていたコースに別れを告げた。

 一般道路にでて安堵したのか、10分もしないうちにコクリコクリ船を漕ぎ出し、15分経過する頃にはすっかり眠ってしまった。



 二人が眠った後、特に何も起こる事も無く山間部を抜け。

 国道を遠くへ走り去って行く頃に、遂に山小屋が発見された。

 更に、その15分後に逃走車の痕跡発見が、ログハウスの男に報告された。


 「取り逃がした!って事かね?」

 「現在、山小屋の徹底的に調査中と逃走経路を……」

 最期まで聞かずに男は立ち上がり車へと向かう。

 

 「9名が逃走、内7名が死亡…、12名が追走するも2名を取り逃がした、

  … こっちに運が無かったのかね?」

 「予め、第二の逃走手段を用意していたか、外部の接触で逃げ切った…か」

 若い男が、車のドアを開け銀髪が乗り込みむと、ドアを閉めて発進させる。


 < 運がなかった?、本当に運だけか…?>

 思考回路が目まぐるしく仕事をしている時に第二報がくる。

 「山小屋の周囲に【3種類の足跡】が新たに発見され、

       一つは他より明らかに大きく、恐らく男の物かと!」

 「わかった、引き続き徹底して痕跡を調べろ!」

 「はっ」


 

 「第三の人物、男か……、一般人か?、それとも…」


 








よんでくれて、ありがとうございます!!

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