森の中の青年
やっと新キャラ登場させました、一応これからの主軸になる人物です。
今話は全話よりだいぶ短めですが、次話は又同じくらいになるかも?
別方向へ逃走したはずのマヤが今、倉崎三枝の前に現れた。
重ね着の服がボロボロになって逃走中の光景が目に浮かんでくる。
マヤ ミエ…姉さん…と
逢えた…良かったぁ…
先に、声をっ…とマヤは出ないから先は三枝であるが、訳を
聞く前に抱きついてきた。
「……マヤちゃん!何があったの? コウ…北条君達は? 」
マヤ あの人達は…、
ちがう方に逃げたよ…
マヤは首を左右に振ってから指を明後日の方向に指す。
彼女とは会話が成立しない為…その行動を見て判断するしかない。
「つまり他の人は……、違う方向に?…… 逃げた? のかな?」
首を縦に振るマヤ。
逃走中に彼らは別々に逃げる必要性が発生してバラバラに
逃走したと想われるが…。
「しかし…良く、私が居る場所が分ったわね…」
マヤはポケットから取り出して地図に赤い点が表示された画面見せた。
マヤ あの人が、
この点の方に走れと…
< 携帯!! …GPS!!
成る程ぉ… >
マヤ ああ━━━ぁ!!
これからの行動をどうしたら良いか三枝が考えてる時に、マヤが見つけてしまった
そう高瀬雄二の亡骸を。
腕を掴んだが、止める事が出来ず引き摺られる形で倒れる三枝。
マヤ おじいさ…ん倒れた…まま?…
血が凄い出…、動いてない
「ごめんね…、高瀬さんを助けれなかった!」
座り込んでじっと見ている、口は開かずにただ涙を流している。
マヤ だめ…だ…、やっちゃだめと
約束…した…!
何時までも立ち上がらないマヤにミエは肩に手を当て告げる
「ごめんね、ちゃんと埋めてあげる時間が…ないの…」
その通りである、何時までも此処に居れば部下が探しに戻ってきて捕まる、
別働隊を投入して捜索する可能性も高いのだ。
「ねっ、ここから離れましょ!」
マヤの手を取り歩き出すが、挫いているので片足を引き摺り早く歩けない。
マヤ あ!、あ足を!
怪我してる!!
マヤは三枝が怪我を負って痛そうにしているのが分ると、さっと肩を貸し
、腰に手を回して歩くのを補助して歩き出す。
「あ、ありがとう…マヤちゃん」
歩きながら、振り向くマヤ
マヤ 今まで、沢山の事…
ありがとぉ!… さよなら…
地面に倒れたまま、放置するしか無かった高瀬の体から歩き離れていく。
< けど…何処へ逃げたら… 良いのよ…
こんなとこ何時までもうろついてら… >
マヤと合流を果たした地点からは、見えない処までは離れる事はできたが…、
この位置では安心する事はできない。
現在地をGPSで確認したかったが、自分の携帯は派手に滑降した際に壊れていた。
それではとマヤの持ってきた携帯はというと、充電切れ…。
あの馬鹿!充電くらいしとけ!と言わんばかりの形相と携帯を握り締めた時に
、… ミシッ!ときしんだ音を聴き。
マヤ ひゃあぁ
か、顔…怖あ━━━っ!
と、まあ鬼の顔だったらしい…、北条は再開時に覚悟する必要があるかも…。
疲れと痛みで過ぎた時間も歩いた距離も見当が付かなくなってきていた、無
理に歩いたせいで挫いた足が腫れあがり限界に達した。
《もう、歩けない》
その場にしゃがみ込みそうに成る…が、マヤが何か見つけた。
マヤ あそ…こで…
休憩しよぅ…!
マヤが見つけた場所を指し示している。
「そうね、あそまで!!」
限界の足を更に悪化させながら、移動した先は大樹の根元が大きく削られて、
そのあいた空間に天然の休憩場所が作られていた、まさに天の助けである。
二人とも崩れる様に倒れこんだ!。
どちらも直ぐに顔を上げる事すらできず、俯き手足もだらしなくへたり込んでいる。
しばらく目を閉じていたが三枝がふっと、顔をあげ時計を見た。
< 14:45…、確か… 9時過ぎだったから
6時間近く経ってるのね…… >
そぉっと足を動かしてみる…。
《!っい痛ったっあ!》
動くどころか立ち上がるのも無理が有りそうだ、マヤの方をはと覗いてみると膝を折りへたり込んだままだった、無理も無いずっと徒歩で三枝に補助してきたのだ。
今襲われでもしたら、呆気無くマヤは捕まり三枝の方は恐らくは……。
最悪の事態を頭に描いているうちにふと、マヤ対しての疑問が再び湧き上がってくる、さっきも高瀬の体に何かをしようとしてた様にも取れた。
そもそも、博士よりこんな少女を何故に優先して捕まえようとするのか?。
《いったいどんな秘密が有るって言うのよ?》
思惑気味にじっと見ていたら、マヤが顔を起こしこっちを見る。
マヤ ん、あれ?なんだろ?
なにか用かな?
両手付いて上半身を向けようと……。
バキッン……… カサカサ……。
小枝を折って、何かが近付いている。
マヤの動きを片手で止めて、懐から銃を抜く、スライドアクションの響き。
カシャン
ガサガサガサ!
音の主が姿を見せた!
同時に銃口を向ける!
「あ!やっぱり人が居た!って!うわあ━━━ぁっ!」
目の前に向けられた銃口に慌てふためく若い男、迷彩服は着ていない。
「ぶっはっ!ご、ごめんなさい」
「それ!って!本物?」
《いけない!、この人一般人だ!》
慌てて三枝は誤魔化す。
「あ!これねっ!、あはぁ!ごめん…これエアガンなの!
仲間とサバゲーしてたらさぁハグレちゃってさぁ………!
捜してる内に足滑らせて…と、ご覧の通りなの……」
「ふ-ん、よく知らないけど、最近のサバゲーて迷彩着ないんだ?」
「ええ、普通は着てるかもだけど… 」
《ちょっとっ、く、苦しいかなぁ?》
三枝の足を見て近寄る、そっと下に手を入れ腫れ具合を診る。
「酷く腫れてるし…これだと歩けないでしょ、おばさん」
マヤ あ!!それ、やばあ━━━ぁ!
ビシッ!っと何か切れた音がした気がする………。
「お、オバッ!!!、このっぉ…… っ痛っあ!」
「ほらぁ、そんなんで動けないって!」
男はしゃがんで背を向けている。
「近くに何時も寄る小屋があるから、そこで簡単な手当てなら出来るから」
そこまで背負って連れて行ってくれるらしい。
腹が立っていたが、状況を考えたら彼の好意に甘えるしかない、マヤも手伝いながら背中に乗る。
「あ!けっこ軽いんだねっ」
っと嬉しい事を言ってくれる。
マヤ あっ!上手っ
< お、よぉし!まぁ今ので、さっきのは帳消しかなっ >
当人、知ってか知らずにか…どうやら引っ叩かれずに済んだようだ。
「じゃあ、取り合えず小屋いくね」
とんだ処で、意外な救助が現れ事なきを得る事となる。
女を背負った若い男は、小屋へ到着するまでマヤの方も偶に振り向き、気を配るのを怠らなかった。
マヤ この人…優しいぃ
15分後…一同は古い造りではあるが無事に山小屋に到着した。
この時、この若者が大きな存在になる事を二人はまだ知る由も無かった。
読んでくれてありがとう ございましたぁ
出来れば、感想等を ボソボソ