第11話 不穏
「あ、マカちゃん!いらっしゃい」
マカ……ちゃん?どんな関係なんだろうか。
「そんな変な顔をするなよ。俺の親戚のおばあちゃんの子だよ」
「おばあちゃんの子?」
「拾われたんですけどね、おばあちゃんに」
そういって、僕にその少女は微笑みかけた。
「さぁ、入ってください。マカちゃん今日はどうしたの?」
僕たちにお茶を出す準備をしながら、そう少女はマカヌケさんに問いかけた。
「そうだそうだ。忘れてた。カンジ君をここに留めてほしいんだ」
「カンジ君?ああ、あなたカンジ君ていうのね」
腑に落ちて、明るく晴れきった顔で僕のほうに向いた。
「はい、自己紹介が遅れてしまい申し訳ないです」
「いいえ、私こそ自己紹介していなかったわね。私は、サユキっていうの。よろしくね」
この人は、笑顔が素敵だな。
「どうだ。頼めるか」
マカヌケさんが再度聞く。
「おばあちゃんに聞いてきますね」
というと、奥の方に消えていった。
しばらくすると、杖を突くカツンという音が聞こえてきた。
「またマカヌケか」
これがおばあちゃんの第一声だった。
「そんな冷たいことは言わないでくださいよ。彼がカンジ君です」
僕が軽く会釈すると、おばあちゃんは
「いいだろう。でも、手伝いはしてもらうよ」
最初見たとき、怖い人かなと思ったがそうでもないかも……しれない。
マカヌケさんが帰っていくと、早速僕に仕事が来た。それは、僕用のベッドメイクだった。
やっと終わった。そう思ったとき、こんなにゆっくりもしていられない。まず、旧京都を目指さなければ。という使命感がわいてきた。
「カンジーごはんですよー」
サユキの明るい声が響く。
久しぶりだな。こんなに安心して、休めるだなんて。
ベッドの上に倒れこむ。
平和っていうのは重要だよな――
ん?
寝てしまったようだ。外で誰かが騒いでるのか?
金属がぶつかり合って鳴る音。
それに、銃声……?
僕は、驚きというエネルギーによって弾かれたように部屋、家を飛び出した。目の前に映った光景は、奴隷と思われる人々が王家で見た騎士たちと戦っているものだった。
一体何が……。
僕も銃を構え、心の整理をするために裏路地に入った。すると、誰かに肩を持たれ一気に建物の陰に引き込まれた。
「誰だ!」
銃を構え、振り向くとそこにはサユキがいた。
「ちょっとしまってください。私は、あなたを攻撃するつもりはありません」
「す、すみません」
サユキによると、今日未明奴隷が一斉に王家の屋敷に乗り込んだということだった。それらの手には、木の棒のような殺傷力の低いものではなく、剣や銃などのちゃんとした武器が握られていた。そのことが、不思議らしい。いったいどこから手に入れたものなのか。
今回の戦闘で、少なからず負傷した一般人が数百人出ている模様。
その戦闘は、まだ続いている。武器の関係などで、奴隷側が今は優勢のようだ。
この戦闘は、何を残すのだろうか――。




