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146.礼竜の祠③幸せいっぱいの食卓

「もうっ、ホントに」


 まだ魔力の残滓が残り、細かな輝きを纏う杖をナノが振り上げる。

 そして、逃げるガンクに避けるイルマ。


「あぶねー、あぶねーって!」

「うっさい!」

「痛って!

 や、やめろって。もう忘れたから!」


 ナノは記憶でも消そうとしてるのか、尻から二人の頭へと攻撃目標を変えたようだ。


「逃げてないで、ガンクもイルマも大人しくそこになおれ」

「うっ、おおっと。

 てゆーかだ、もう忘れた!

 いや、何も見てません! なぁイルマ?」

「いつもお前はそうやって俺にふる。な、なぁランドよ」


 えっ、イルマ、オレに話をふる?


 オレは巻き込まれた側なんだからな。それに何か鳴いてナノの気を逸らしてくれ、とでも言うような目!


 あぁもう、ガンクと二人してチラチラとこっち見ないでくれ。オレ、ナノの宥め役なんかヤダからな!


 でも三人とも固かった雰囲気が解れたようだな。ナノも段々と怒ってんのか笑ってんのか曖昧な表情だし。ガンクは分かり易いとしても、イルマも楽しそうにオレには見えるぞ。





 みんなの声と水を跳ねる賑やかな音が洞窟内を支配するように木霊している。

 光りを発し続けるこの湖がある洞窟内、ここには入り口まで壁から地面天井までそこかしこに及んでいた粘着物が一切無いからなのか残響が出来るようだ。


 それもこれも、ついさっきまで淵の壁も削るような渦の中だったんだから。


 慌てたぞ、特にオレとコルテが。


 ナノが大きな洪水を魔法で起こしたのだ。同じ様な事が前にもあった気がする。それに三人ともどこか手慣れたひと騒ぎみたいにこなしている節があるような。

 仲がいいってことだな。



 オレは濡れて重くなった水玉のキャットドレスを脱ぎ捨てると、屈んで首輪の中央に付いたアイテム袋へと近付けて吸わせた。

 煩わしかったけどこれで身軽だ。



 未だガシガシ叩かれながら、男二人はそのまま夜営テントを持ち上げ、内部の水を落とし流したり水浸しになった毛布に衣類を絞ったりしている。器用だなぁ。




 一方コルテはというと。


 不意の洪水に溺れかけていち早く退散すると、ビックリしてパニックになっていた魔化コッコー達の気を沈めさせたコルテ。

 今では何か魔法でもかけたのか魔化コッコー達は揺蕩う湖面の上で泳ぎ、遊ぶなり羽根を休めるなり思い思いに寛いでいる。

 その姿、まるでアヒルだ。



 そして一仕事終えたコルテは、さっきまではガンクたちとナノのやり取りをどこ吹く風といった具合でケラケラ愉快そうに笑っていたけれど。

 あれ、コルテどこ行ったんだ。


 ん、いた。彼女は何かに気付いたようだ。


「あれれ? ちょっとみんなこっち来て。ここおかしい。

 前には何も無かったのに、何か出てきてる」



 彼女が示したその場所は、先程カルクスが立っていた辺りだ。もちろん、その周辺は奴が忽然といなくなった後で調べ、何かしらの痕跡みたいなものが残っていやしないか入念に探索したはずなんだけれど。




 未だ引ききっていない水の上、バシャバシャと地面を蹴りながら、全員で集まりもう一度その場所を見てみる。


 なんだなんだ?


 どうやら洞窟広場のゴツゴツした黒い岩肌が見え、非常に薄く発光しながら青色をした紋様みたいなものが地肌に画かれていることが窺い知れた。


 きっとナノが、永い年月で堆積した土砂を洪水の魔法で洗い流した結果から見えたものだろう。




 ナノが起こした水が湖に流れ落ちていく。魔化コッコー達も目を微睡ませながらゆっくり休んでいる様子だ。

 ハックバール遺跡内部の洞窟内に静寂が再び満ちていく。




 屈んだ姿勢で慎重に残った砂土を手で払いのけるイルマ。そのまま訊く。


「どう思うコルテ。見る限りやはり転移陣かその類だろうか」

「うん、合ってるよ。たぶんこれって転移魔法陣。

 ……、

 ……うーん、作られたのが古過ぎだよコレ。流石のあたしにもちょっとよく分かんない部分はあるけれどさ。

 ん~……、ちょっと解読時間かかるけど待っててね。

 ……ここがこーなって、あっちいってるから、……アレが働くと……」




 地面に画かれた魔法陣とにらめっこするようにしゃがんでしまったコルテ。

 相当難解らしい。

 顔を歪ませ、頭を振り、線から線へと指を指してなぞっていく。


 オレには何が何やらちんぷんかんぷんだ。

 でもエルフ族(エルフらしからぬ印象酷めだけど)のコルテなら魔法陣を判別して罠とか見抜けるらしい。尻尾を振りながらオレは応援した。がんばれ!



「おい、どーなんだよコルテ」

「はーい、ちょっとガンクくん! 今忙しいから黙っててね~。

 ……あー、うん。分かった分かった!

 このあたしでも仕組みクラシックで最初謎ってたけど、えーっとねこれ、この下へ繋がる回路だわ」


 長寿だって聞くエルフ族にとってみても古い仕組みの魔法陣らしい。つまりこの遺跡はかなり古いってことだな。




 昇降機みたいな単純作用に複雑過ぎる回路組み込むなっちゅーの、と喚きつつ、「糖分糖分」とアイテム袋をまさぐるコルテ。


 オレはみんなの中で一番後ろに、控えるようにしていたナノを見やった。

 ふと感じたことは、もしかしたらナノは既にこの転移魔法陣に気付いていたんじゃないかな、ってことだ。


 考えすぎかな。


 みんなへ知らせるために魔力で影響規模を引き上げて、敢えて強めの洪水を引き起こしたんじゃないかなぁ。

 でもその場合、気付いていたなら何故最初に調べた時に教えてくれなかったのか、って疑問が残るのだけれど。


 だって、ナノにしてみればガンクたちがいたテントを吹っ飛ばすなりすればいいんだもん。


 まぁいっか、と話し始めたガンクにオレは顔を向ける。



「つまり、消えたと見せてカルクスはこの下に降りたってな訳だな」

「そうなるな」


 思案顔のイルマは頭の中で色々と想定していそうだ。顎に手を置き眉間に皺を刻む。


「さて、進むが吉か……」

「ま、黒マントがこの先であたし達をお待ちかね~、つーことよね。

 あそーそー。あと二つ注意点があるからよく聞ーといて」


 コルテが言うには、この転移魔法陣は二人までしか一度に運べないこと。なので順番を考慮すべきなのと、もう一つは魔法陣が弱っているらしい。「供給元が生物で例えたら死にかけ状態、魔石で言えば割れかけ」とのことだ。


 この魔法陣に魔力を供給しているものがマズイ状況ってことだな。




 コルテの提案で、魔化コッコー達はひとまずこの湖で休息させてやることになった。

 メールプマインからずっとオレたちを運んでくれて体力の消耗もあるし、湖水に魔力が行き渡ったのか回復効果を含むようになったらしい。


「これも巫女様の御力ね」

「茶化さないでよ、コルテのバカ」

「んん? 別に茶化してないぞぉ?

 照れてもなんにも良いことないよ、ホラ勇気出して色気も出して」


 両の掌をわしゃわしゃと開け閉めするコルテに杖を構えるナノ。


 もう、やめろよな。





 ガンクとナノ、オレとコルテ、最後にイルマの順に魔法陣に乗っていく。


 青く発光している魔法陣はガンクたち二人が乗っても消えても、色にも魔力にもその強弱等の変化は一切見当たらなかった。その上を覆い隠せば気付くことすら不可能だろう。



 そして二人が消える姿を見て後に続くオレたちは、やはりカルクスはこの下へ移動したに違いない、と断定出来るほど同じ消え方だった。







 目を開けたその場所は、野原だった。目の前には先に転移魔法陣に乗った二人がいる。

 それとアイツは……。



 振り向かず、気配で察知しながらガンクが語りかける。


「来たな、ランドにコルテ。イルマもすぐ後だな」

「えっ、ここって……、本当にあの下なの?

 あ、でも遠くに森と、ん、前に見たことあるような遺跡に、あれ? あんたカルクス!!」

「どうも。待っていましたよ」


 コルテが指差した先に、何やら不満顔といった表情のカルクスが佇んでいた。


 オレたちが乗った魔法陣の先には、側に小さな森と、以前に停泊した砂漠地帯のある意味オアシスだった大きな四つ岩の祠に似た遺跡があった。

 そして案の定カルクスもいた。けれどどこか前に見た時と雰囲気が違うような印象を伴って。


 さらには森の奥に、かつて街だったものと思われる幾つもの遺跡も存在しているようだ。



 遅れてイルマが姿を現した。それを確認してカルクスが再度口を開く。


「やあやあ、皆さん。

 引き戻ってしまわれたのでは、と少々心配していました。湯あみにしては些か時が経ち過ぎたもので」

「俺達を待っていたのか」

「ええ勿論。

 先に話しておくべきでしたが、やや込み入った事情を抱えておりましたから。それに食事も用意していたのですよ」


 怪訝な顔を向けるオレたちにカルクスはホスト染みた笑顔で微笑む。


「歓待しようにも上で待っていては無粋でしたでしょう。お嬢さん二人にとっては」

「歓待だと? 一体何を企んでいる」


 後ろからイルマが声を発した。

 カルクスは滲み出る不気味さを弱めたつもりなのか、身振り手振りも交えてフランクさを醸し出そうとしている。でもそれが逆に不気味にも感じられるのだ。



「企むだなんて。前にも言った筈、争う気は無いと。

 いえ、この際はっきりと述べておきましょう。私達と協定を結んで頂きたいのですよ」


 カルクスは黒いマントの首元の止め金を外し、身動きする度にその内部を露にしていた。


 カルクスの衣装は上下白黒で、印象としては中世の貴公子を連想するような気品あるものだ。そう、衣装なのだ。戦闘向きの出で立ちじゃなく来賓を迎するために誂えたような。



 でもえっと、どういうことだろう。


 つまり協定って、オレたちとカルクスとで相談して何かを決めるってことか?


 ……何を??


 イルマは返答に窮しているらしい。

 訳が分からない、といった表情のまま頭を掻きながらのガンクが尋ねる。


「歓待に、それに協定だって?」

「ええ」

「あのよ、俺にはさっぱり理解できやしねーんだ。もうちっと詳しく話して聞かしてくんねーとパニック起こすぜ」

「そう。そう言われるだろうと思い、そのためお食事も用意しました」


 なるほどな、と唸り声のイルマ。


 胃袋で釣るつもりなんだろうか。

 カルクスはもはや相好を崩してしまいニコニコと笑顔になってしまっている。造形良くて笑えば好青年だから、本物の好青年そのものといった調子の豊かで爽やかなキラ星スマイルを向けている。


「経緯が経緯ですので、毒見してもらって構いませんから。

 ほら、あちらです。祠内に用意しました。

 私が腕に縒りを掛けて準備した料理です。ごゆるりお寛ぎなさってお話しましょう」



 しばしその場で固まり逡巡しているオレたちを、「さあ行きましょう。あちらですよ」と促し、てくてく歩き始めたカルクスだ。



 四つの巨岩が開けた咥内からは鼻腔をくすぐるとても芳しく美味しそうな匂いが漂ってきている。近付くに連れ全員が頭の中の様々な迷いを打ち消されそうになっていく。


 ヤバイ!


 岩の祠の中には香辛料を分段に使った手の込んだ料理が並び据えられていた。それは野宿が主体のオレたちには町の料理屋にでも入らない限りお目に掛かれないものばかりだ。


 光ってる。光って見えるぞ!


 じゅるり、じゅるりと涎が口の中から湧いて出てくる。

 息を飲み圧倒される見事な食卓の光景に足が竦みそうになってしまう。見上げれば、誰もが魔法に掛けられでもしたかのような可笑しな表情になり顔中をひくひく動かしていた。


 そんな全員をさも面白そうに見渡しながら、にこやかに微笑んでカルクスが掌を差し出す。


「さあ皆さん、そんなところでいつまでもお立ちになってないでお座りなさってはいかがですか。せっかくの料理も冷めてしまいます!」

「し、しかしだ。道理が……」


 言いながらイルマも前のめりになりつつ飛び出しそうな勢いのガンクとコルテを掴む。


「放せ!」

「放してよ、イルマってば。いいじゃんお呼ばれしましょ。

 ……うん、毒気もないよ?」


 手を開きコルテは何かしたのかな。たぶん毒見かな。

 イルマの、「真だな?」の疑念の声に頷いて見せるカルクス。


「ほら放してったら。

 あたしこの席取っぴっ。いっただっきまぁ~す」

「くぉらっ、ずりーぞコルテ!」

「おいコルテにガンク! チィ、仕方無い」

「あ、アタシもっ」


 イルマの手から逃れ席に着くコルテとガンク。遅れてナノもイルマも着席しちゃった。

 あ、ちょっとみんなズルいぞ!!


 動くより早く飛び掛かってしまったコルテは別として、優秀なウェイターさながらに椅子を引きナノを座らせたカルクスは、最後にどうすべきか迷ったままのオレのためにと椅子の上に木枠をあてがってくれた。


 良かった。これでちゃんとした格好で食べられる。テーブルに飛び乗ってがっつくの抑えて正解だった。


 みんなに負けじと眼前にある皿に乗った料理へとかぶり付く。


 うまぁ~い!!



 一心不乱に貪り付くオレ達の姿を満足気に捉えながら、カルクスは微笑んだらしい、が、もはやオレたちには映らない。


「どうです、なかなかの出来でしょう?

 実を言うとここまで手を込めた調理は街を出て以来なもので、しかしどうやら頑張った甲斐がありました」

「……」

「……」


 今オレたちは夢中だった。コルテが言うように毒は入ってないみたいだ。

 カルクスは続ける。


「辛くはありませんか。薄くもありませんか?

 料理はね、『光夜烏』三姉妹がなかなかの美食家でしたので独学ですが覚えるのに苦労したんです。

 食材は全て私が調達しました。この階層には魔物も小動物の類もおりませんが地上にはいくらでもいますからね。あ、でも毒性の魔物やゴブリン等は使っていませんよ、勿論。強い魔物が多く捕れるので長旅で酷使された皆さんの滋養強壮にも良いだろうと思います。香辛料等は森の草花から採取しています。

 この場所だけでそれなりの生活が成り立つ程度に整った地、ということなんですよ」

「……」

「……」

「……野宿ですとこういった大掛かりな調理はなかなか難しいでしょう。特殊な道具でも無い限りは食事はどうしても簡素になりがちですからね。ほら、このような遠く人里離れた僻地まで移動する場合なんて、特に」


 カルクスも料理を口にしているけれど、みんな彼の言葉以上に料理に夢中になっている。


「……」

「料理には精を出したのですが、調度品迄には気が及びませんでしたね。質素かもしれませんが間に合わせでも大丈夫でしたでしょうか」

「……あっ、ガンクそれアタシのお肉!」

「うるせー!早いもん勝ちだ。

 ……ぐぼっ、イルマ水っ」

「自分で取れ。

 ランドも先刻から溢し過ぎだ勿体無い。見たところ希少なレッドストーンオクトパスだろう。貴重だ、残さず平らげろ」


 へー、タコだと予想した通りだ。でも茹でてあるのに何だこのシャキシャキ感。すっごい締まってる。

 それにこの付け合わせのソース、これ磯だよな磯風味。何で砂場に磯の味わいが、何でなんでー。


「聞いとらんかったか、こらランド」

〔分かったってば。イルマちょっと黙ってて〕

「まぁそう慌てずにケンカせずに。

 ほらランドくんも鼻に吸盤着いてますよ」

〔あ、だから鼻がフガフガしてたのか〕


 鼻に引っ付いたレッドストーンオクトパスの吸盤はなかなかに強固で、ペロペロと舌を使っても取れないから手を使ったら吹っ飛んだ。対面のコルテの前のスープの中に飛沫を上げて落ちていった。跳ねたスープがカルクスにも被害を及ぼして。


 ごめんコルテ! 睨まないでそんなに。

 ああ、カルクスにもスープかけちゃってごめんなさい。



 めげないカルクスは、スープの跳ね返りをハンカチで拭い気を取り直したような調子で言う。


「あ、そうそう忘れてました。音楽もあるんです。何が良いでしょうか。

 探したのですが古遺跡には古いハープが遺っていまして、数曲なら私にも奏でられますよ。

 しかしこんなことなら街から出る際にもっとましな楽器を幾つかアイテム袋に放り込んでおくべきでしたね」

「ちょっとガンク、あんたなんでさっきからあたしのサラダ食べてんの。肉だけ食ってなさいよ男子でしょ」


 ガンクの皿からサラダを奪い返すついでに肉やら他の品も摘まんでいくコルテだ。


「それにイルマ。アタシのワイン勝手に飲まないでよ」

「酒はそのロリエルフの見た目にはそぐわぬだろう。俺に譲れ」

「ハァ?

 今何つった? アホッ、イルマのアホッ!」

「あれ? 俺の肉ねーぞ」


 そこかしこに飛び散る色々な粒を片付けつつハープを準備するカルクス。「まあまあ」と宥めているけれど、もはや誰に言っているのか果たして全員だろうか。


「返せ酒泥棒!」

「既に腹の中のものをどうやって?」

「へぇ?

 売られたケンカはお買い上げする主義だけど!?」

「おいっ、肉泥棒はどいつだ!」


 腕を振り目を光らせ、コルテがテーブルの上に飛び上がる。これに今度はナノが大被害だ。ガンクも席を立つ。


「コルテいい加減にして!」

「えっと、みなさん。聞いてます?

 曲なんですが、弾いた方がいいんですよね?」

「あーあー、聞いてる聞いてる。何でもいいよ。好きなようにやってくれ」


 ガンクの不躾な言動にも全員がお構い無しの状況にも、一旦目を瞑ることにしたらしい。

 凄まじい喧騒を前にして一つ大きめの息を吐き、カルクスは一同を見渡す。


「……分かりました。騒がしいのは嫌いじゃない方なんですよこう見えて。

 とりあえず適当に数曲弾きますから、ゆっくりお召し上がりを……」



 どう見ても騒々しいのは苦手とっぽいけどな。


 幾分残念そうな顔になったまま祠の隅へ移ると、彼はそこに立て掛けてあったハープをおもむろ奏で始めた。

 古めかしくかなりの年代物のように思えるその楽器は、彼自身で丁寧に修復したのか磨き上げたのか、気付いた時には見事な旋律が紡ぎ弾かれていた。

 それは耳に優しく、古い遺跡での食卓をより優雅なものへと代えていくように響いていく。主に今は遺跡の外の方へ。


 曲も何もオレは良く判らんけどね。





 暫くして、不思議なくらい食べることに専念していたオレ達は自ら呆れる程に膨らんだお腹をそれぞれ擦りながら、何とも言えない至福の一時に全身を浸らせていた。


 椅子の上で寝転がり、オレは思う。


 あー、たまんない。幸せだ。

18.12,25呼称中心に一部改稿。表題に副題追加

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