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あの空を目指して  作者: 白波
壱章 犬の国編
6/12

1.第一村人(犬)

 我が国の独立から早10年…。


 かつて、この国は、多くの国民の意思に沿って独立した。


 しかし、それをまた脅かそうとしているものがいるのだ!


 さぁ立ち上がろう! 我らの未来のために!


 御犬歴1830年 チワワ王国宰相ポチの演説より






 画面が暗くなると、磯貝博士は天井を開けた。

 美空が周りを見回すとそこは、うっそうとシゲが生い茂るジャングルの真ん中だった。


「磯貝博士…ここは、どこですか?」

「ここか? ここは、私がドックランドと名付けた世界だ…仮の名称だから現地の人に合わせるつもりだが、まぁ私の呼び方で決定だろう。」


 この人の助手になったのは、やはり、間違いだったかもしれない…


 美空の考えが原点に立ち返っていたその時、茂みから一匹の犬が出てきた…


「おーハチ君じゃないか! 元気にしていたか?」

「磯貝博士ですか…ご無沙汰しております! 私の方は相変わらずです? そちらは?」

「あぁ…ほら、美空君! 名乗らないか!」


 その瞬間、美空の思考は完全に停止していた、目の前に二足歩行で服を着て日本語をしゃべる犬が現れたのだ。当然と言えば当然の結果なのだろうが、異世界だからと言ってしまえばそれまでなのであろう。


「えっえーと、海花美空です。よろしくお願いします。」

「私は、この近くに住んでいるハチです。どうぞお見知りおきを…さぁさ、磯貝博士、それに美空さん! こちらへどうぞ! 村へ案内します!」


 ハチは先ほど来た茂みの方へ歩き出し、美空と磯貝博士は、その後ろについていく形となった。


「博士…磯貝博士…。」


 私は、小さな声で磯貝博士の名前を呼んだ。


「なんだね?」

「磯貝博士は、以前この世界に来たことあるんですか?」

「まぁな…この世界は安定しているし、我々に友好的だから、最初に行くにはもってこいだという判断からだ…。」


 なるほど…その辺の常識はあったんですね…


 美空は、失礼なことを考えながら磯貝博士の後ろについて行く。

 しばらく歩くと、開けた土地に出て下の方に集落が見えてきた。


「あれが、私たちの村です。」


 ハチが集落を指差してそう言った。


「へーあれが…。」

「はい。それと、先ほど言い忘れましたが、あなた方の訪問は、村長を通して国に連絡してあるので問題ありませんから、ご安心ください。」


 やっぱり、どこの世界にも政府とか国とかあるものなんだ…


 この時、美空はそう考えていた。

 視界いっぱいに広がる大草原とその中にぽつぽつと立っている家…よく目を凝らすと遠くに王宮のような建物が見えた。


「しかし、このあたりは相変わらず景色がいいな…。」

「ありがとうございます…。」


 ハチは、歩きながら頭を下げた。

 どうやら彼は、ずいぶんと礼儀正しいようで、磯貝博士はおろか、美空に対しても敬語で話しかけていた。


「あれから何か変化はあったのか?」

「はい、国王様がなくなられまして、皇太子さまが王位を継承されました。ですが、皇太子さまはまだお若いので、(まつりごと)は、宰相のポチがやっていると聞いています。」


 「王様」と言う単語が出てきたからには、おそらくここは、王国か何かなのだろう…


「そうか…あのポチがな…えらくなったものだな…。」

「はい。磯貝博士がお帰りになられてから随分と時間が経っていますから…。」

「ハチさん?」


 美空は、なんだか、彼の顔に影が差しているように見えていたので、心配の声をかけようとした。


「いっいえ…何でもありません! あっ村が見えてきましたよ! もうすぐ着きます!」


 どうやら、話をしているうちに村についていたようだ。

 上から見ただけではわからなかったのだが、この村の建物は、基本的に石造りが多く、石造りの道をたくさんの人(犬?)が歩いている。

 少し外れの方に目をやれば、牧場や畑があって、たくさんの犬たちが農作業に精を出している様子がうかがえた。


「ここは、王都のほど近くにありながら、のどかな風景が広がっている街として有名なんですよ。」

「へー初めて来た私としてはいろいろと驚いてますが、のどかでいい風景ですね…。」


 確かに、のどかな田舎町と言った風景なのだが、美空は複雑な気持ちでその景色を見ていた。



 読んでいただきありがとうございます。


 今回から「犬の国編」となります。


 これからもよろしくお願いします。

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