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そんなことないわ

そんなことないわ

作者: ぺいた
掲載日:2026/06/22

夕方のファストフード店。女子高生らしい2人が会話しているのが聞こえる。


「私ってほら、かわいくないから…」


「そんなことないわ」


「太ってるし…」


「そんなことないわ」


「頭だってよくないし…」


「そんなことないわ、私を見てよ、かわいくないし、太ってるし、頭も悪いわ」


「……そんなことないわ」


「ほんとにそう思う? 私に向かってかわいくないとか太ってるとか頭も悪いとか、よく言えるわね? ぜいたくだと思わないの? 『そんなことないわ』って言われたいだけなんでしょ? あなたの『かわいくなくて太ってて頭が悪い』という評価が基準だとしたら、私の評価は『バケモノみたいに不細工で巨大でうすのろばかまぬけ』よ?」


「そ…そんなことないわ…」


「じゃあ答えて。私とあなたとでは、どっちがかわいいと思う? 客観的に見て」


「お…同じくらい? ほら、かわいさにもいろんなタイプがあるし…」


「へえ。じゃあ私とあなたとでは、どっちが太ってると思う?」


「……ちょっとだけ、あなたのほうが太い…かも…」


「そうね。じゃああなたより太ってる私に向かって、『私は太ってる』って言う意味は何? 『私のほうが太ってるわよ』って言わせたいの? 『いえいえ私のほうが』って茶番がやりたいの?」


「そ、そういうわけじゃ…」


「私はこないだの期末考査で下から4番だったけど、あなたは?」


「それは…もうちょっと上だけど…」


「要するに、自分より下の人間に向かって『私ってあなたよりこんなに上だけど、謙虚なのよ』って思わせたいの?」


「そんなことない。そんなつもりじゃないのに…ひどいこと言わないで…」


「じゃあどういうつもりなの。本気でわからないから教えてよ」


「……白鳥さんが…かわいいんだもん」


「うん?」


「スタイルもいいんだもん。頭もいいんだもん。だからだから、きっと高木くんも、白鳥さんみたいな人が好きなんだろうなって思って!」


「……」


「私なんかが期待しちゃだめって思うんだけど好きで! それで、それで、そうよ、『そんなことない』って言われたかったのよ! 悪い? ちょっとぐらい、自信つけてくれたっていいじゃないよお! わーん!」


「そっかそっか、なるほどねえわかったわ。意地悪言ってごめんね」


「ひっくひっく、ううん私こそ、愚痴っちゃってごめんね」


「いいのよ、私で良かったらいつでも相談にのるわ」


「ありがとう! じゃあさっそく相談にのってくれる?」


「もちろんよ! なんでも話して!」


「私にもさ、白鳥さんに勝てるところ、いっこぐらいあるよね…?」


「そんなとこないわ」

タイトルですでにオチバレしそう。

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