表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

惣菜パックと母の隣

作者: ななな
掲載日:2026/01/06

なななのフィクションとノンフィクションのお話です。

死んだら、宇宙を見に行きたい。


常日頃、そう思って生きています。


「あんたを育てられない」とあんたのママは婆ちゃんにあんたを託したのよ、と婆ちゃんに言われた小学3年生最後の日を、未だに覚えています。

私の母はアルコール依存性患者です。成人するまでの期間に、母と共に暮らした年月は、幸せな一般家庭と比較すれば短いものでした。

その反動からか、私は成人した後も母に執着しています。現在は私にも家庭ができ、別居はしているものの母の病状が落ち着いている為、親子仲は良好です。むしろ、甘えすぎなくらいに甘えに行っています。ご飯作ってもらったり、泊めさせてもらったり。

しかし、今で言う高齢出産に足を踏み入れて生まれた私は、ふと母との死別を想像して泣いてしまう時があります。


私は、私自身の死には恐怖心がなく、むしろ早く死にたいです。そして死の先を観測したいと思っています。願わくば、霊体となったら宇宙の端を見に行きたいな、なんて。


そんな妄想を、たまにしながら人間として生きています。


こうき(夫)「ただいまー」

私「おかえりー」

こ「……」ショート動画グルグル

私(腹減ったも言わない、風呂入れと言わなきゃ動かないしそのまま寝る、くだらない会話も無い、なんなんだろう)

私(タバコ買いに行こ…)


歩いて15分、ネックウォーマーはしてきたけど、イヤーマフもほしい。

私「えーと、タバコの86番と87番1つずつください」

店員さん「袋お入れしますか?」

私「大丈夫です」

店員さん「1100円です、お支払い方法こちらからお願いします」

ピッ

店員さん「ありがとうございましたー」


店を出て、ラッピングを外し、ポッケからライターを出した。人気のない道まで行ってから、1本出して火をつける。ターボライターありがたい。


ついて、ライターをポッケに入れながら一吸い。吐いた白い息が、眩しくなった。




………………………………




真っ白なんだか、真っ黒なんだか、何も見えない。見えないものが視界を覆っている。

なんとなくわかった。私の肉体が死んで、私が固体の個体で無くなったと。

驚きもなく、理解した。理解したら、心が冷たくなったような気がした。こんなものか、と。いや、理解する前も後も、この感じてる心の冷たさは変わらないか。いや、そもそもこれは冷たいと言えるのか?温度が感じられないこの感情が。 いや、というか死んだんやん。死んだから脳が止まってるやん。感情を作り出す機能止まってるやん。それだけの事だわ。


1つ納得すると、淡々と色々なことが分かってきた気がした。何も見えないのは目が無いから。驚きも悲しくもならないのは脳が無いから。なら今語っている私は?喜べ諸君、魂ってやつは本当にあるらしい。ただ私は、己の姿が見えないし、知覚できない。心霊写真や某テレビのお姉さんみたいに、全員が全員、生前の姿になる訳では無いらしい。ただ、どれだけ生きていた頃に生きていた時の姿に思いを残したかで変わるらしい。私は、人の姿を捨ててでも宇宙を見に行きたいとか思ってたから、人型魂にはならなかったようだ。道理で科学で説明できない心霊現象は現実だったし、幽霊で世界が飽和することも無い訳だ。

分かった気がした、と言ったのも、そもそも理解する脳が私にはもう無い。だけど、分かってるんだ。分かっていったのでもなく、分かっていた。ただ分かっていることを整理し理解するのに順序を追っただけ。


ごめん、まとめる。

タバコ吸いながら帰ってたら縁石乗り上げて突っ込んできたpーーーに轢かれて死んだ。死んだら、生前願ってたモノになれた。



ーー死んだら、宇宙を見に行きたい。ーー


見えてないけど見えるんだ。熱くも寒くも無いんだ。なんというか、タバコの煙みたいにふわーんとしてる感じ。生前日本人だったから日本語で残してるけど、これはごめん、どの言語でも表現できないわ。強いて言うなら「I'm概念」!!


知らなかった頃に比べたら、知れたことが沢山あって、無いはずの心が少しだけ跳ねてる気がする。

私が生きている年代前後の人類は光速を越えられないから、同じ年代を生きてる別星の生命体のと交流はやっぱり叶わなかったね。ただ肉体の保存ができるようになってから、何百光年の旅もできるようになって…まぁ保存されてる間の人類のアップデートは無いから「同じ時を生きた年代の」別星生物と言えるかは置いておいて…まぁどうせ、時間かけて移動しようが、光速の壁越えて移動しようが結局両者同じ軸の時ってのは無理だしね。交流できる技術まで行ったのがお互いすごいよ。無駄というか、無に帰すけどね。太陽も地球もその他の星も、宇宙船も無限じゃないから…。

でも、その営みは繰り返されてる。また、ぶつかって、熱が冷めて、いい感じのとこに水ができて、生まれて、終わって。


なんだろう、意外と、普通だ。

そりゃ感情が無いから、感動もしないしガッカリもする訳ないのだが、なんというか、生きてた時に想像してた範疇範疇(はんちゅう)だった。まぁ、生きてる時に実際に見てた訳でもない真実が分かっただけ、ありがたいか。


それよりも、私は生前楽しみにしてた事があるじゃないか。


そう、宇宙の端!


結論から言うと、無くはない。有る。ただ、私が知覚できる限りを日本語で表すとすると、明確な境界線がある訳では無い。

2次元的な視覚で表すと、水彩画で絵の具を水の上に垂らしてできる円、みたいな感じ。そしてその端の外には、仮称外宇宙という空間がワンクッションあって、また別の宇宙が点在してる感じ。

それが無限に、縦横ななめ、上下左右、外内に繋がってる…繋がってると言えるのか?これは…。


まぁいいや、で、その別宇宙の中身なんだけど、まぁ元いた地球のあった宇宙とほぼ一緒。95%のダークマターの詳細の地球上での名前なんて当てられなかったから、細々解説は出来ないけど、要は電子陽子中性子、原子分子がどの宇宙にも存在してて、並びが同じになればどの宇宙も同じ物質になる。呼び方はそれぞれの星の生命体によるけどね。


同じ構成物質の似たような内容量が、同じようなパッケージで存在していたよ。

スーパーの惣菜コーナーに並ぶ惣菜の光景と、混ざった気がした。


そうそう、もう1つ私は干渉できないけど、感知はしてるんだ。言葉で言うなら可能性、並行世界ってやつ?その並行世界の宇宙でも、特段大きな違いって言うのは無いよ。多少太陽が早く生まれて、木星が生まれなくて地球に生命体が生まれなかった〜とかその程度。


やっぱりさ、小っ恥ずかしいけど、自分が初めて歩いた時のホームビデオとかって見たくなるじゃん。あんな感じで、地球は気になるんだよね。何より、生きてる私を俯瞰で見るのは、概念ながらに面白いわ笑

理想の人生歩んだ私も、散々な人生歩んだ私も、平凡だけど幸せに生きた私も私だから、私に関しての体験は私視点でも覚えてる。概念となった私が生きてる私を俯瞰するって、パラドックスにも思えるよねー。まぁ今の私が干渉できないから、存在してないも同義って感じらしいけど。


そして、飽きた。

色んな可能性の宇宙見るのも、大きな違いもない似たような世界を眺めてるだけ。強いて言うなら、めちゃくちゃ離れればポテサラとタラモサラダくらいの違いが出るかなーくらい。

そう思ったら、生物の方が同じ種族のくせに個性があって多種多様だったなー。結局死んでも見てて楽しいのは人間観察なのかもな。

人間に限らず、言語と感情を併せ持つ生命体はやる事が突飛で面白かったよ。まぁこの辺は、私が語らなくても今の君たちが、歴史や心理学なんかを、勉強すれば同じことを思えるだろう。


人間出身の私としては、地球の人間観察が1番暇を潰せた。ちょっとした感情のズレや、麻酔のオクスリの容量で道が大きく分岐する。他人様の色んなパターンを知るのは不躾だとも思ったけどね。

……そういえば、あの時の、あの時を生きた私はどう生きてたんだろうと気になった。知ってたけど、改めて見つめ直してみた。

順風満帆な人生を歩んだ私は、大体死後人型になって大人しく成仏してる。宇宙の端を見たいとか言ってる現の抜けた私はいなかったね。ろくでもない人生だった私は……よく頑張ったよ…

その中間にいたような、私。本家本元近辺の、私。大体どの私も、宇宙への憧れと母との死別の未来に泣いてた。

その人が、どんな家庭環境で育ってきたかで、おおよその人間の思考回路の偏りが生まれてる事が面白く感じた。

本家の私は、愛して欲しい時期に愛されなかった嫉妬と、成人してから普通に関われるようになって親子愛に執着している不安定性から、母との離別が本能的に悲しくて仕方ないようだ。わかる、わかるよ私…


もし、今私があの私に干渉できるなら…死んだ結果の私を生み出す人生を歩んでくれてありがとうと、伝えたい。そして、あなたの母は死んでも、何かしらの存在になって幸せにしてるって、伝えたい。だから、そんなに不安にならなくていいよって…伝えられたらな…

けど、知ってる。干渉できないのに、干渉した可能性も、今の私は知ってる。

伝えても、それでも泣き虫な私は、明日も同じように泣く。朝起きて、ゴミを出し、昼間に家事をダラダラとやり、半額シール惣菜戦争に向かう。

来年のおせちは、母と分担して作るんだって言ってたろ。だからどうか、私がいつか、宇宙の端への探検に出るその時まで、母を想って泣きながら、母に甘えて長生きしてね。


おやすみなさい。


深夜テンションで書きました。創作の才能が無いのに、こんな変な妄想してるから、吐き出せない脳が疲れるんです。妄想を文にも絵にも吐き出せなくて辛かったのですが、稚拙ながら吐き出させていただきました。お目汚し失礼しました。ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ