表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラッシャー  作者: Mark.Ⅵ.
人生の中で多分2番目くらいに大変だった訓練編
5/5

『覚悟』2 & 力を使った護身術

俺の戦う意味、覚悟、決意。

クラッシャーズとしてではない、クラッシャーとしての俺の覚悟は何だ…?

覚悟が無ければ戦ってはいけないのか?

覚悟を決めなければ、戦わなくて良い…?


“ それは諦めるということか? ”


違う…人を殺す覚悟が出来ない、だけだ…。


“ それは諦めることとほとんど同じ意味だ。 ”


だから、出来ないだけだって…。


“ 出来ないならクラッシャー以外の道を進め。覚悟を決めたなら、クラッシャーとして生きろ。 ”


だって、クラッシャーズには人殺し以外の仕事があるだろ…?それをすれば良いじゃないか…。


“ 黒にそんな仕事など一つもねぇよ。黒が宿った限りそれは、我らの主から与えられた宿命なんだ。 ”


俺が望んで入れたわけじゃない!お前が、黒威が入ったせいで、俺は!こんな訳のわからない人生を歩むことになったじゃないか!


“ 実質、俺も望んで入った訳じゃない。望んで入ったとしても、宿主が拒むと追い出される。でも、追い出されなかったという事は、お前の心の中の何処かでそれを認めてるからなんじゃねぇのか? ”


望んで入った訳じゃない…?拒むと追い出される…?どういう事だ…?


“ 話しすぎるのは駄目だが、少しだけなら教えてやる。まず、俺は正確には本体の一部ではない。本体が枝分かれした力の一部だ。そして、クラッシャーは今世に生まれ変わる前の一部の人間の魂にクラッシャーになるかどうかを聞いて、了承した魂がクラッシャーとなる。大体は未練を残した者、強い意志や魂を持つ者だ。

それ以外にも数々の条件が揃って、お前はクラッシャーになる資格を得た。つまり元々のお前はクラッシャーになることを強く望んでいたのだ。 ”


前世の俺を黒威は知っているのか?


“ YESともNOとも言える。話はここまでだ。さっさと起きねぇと、木刀振り下ろされるぞ。 ”


木刀…?

と思った瞬間に、頭部が急激に熱くなり思わず手で押さえる。


「いッつぅ!?」


なんだ、何が起こった。

さっきまで黒威と話していたはずだ。


「ここは、どこだ…?」

「やっと起きたね。おはよう纓君。」


声が聞こえた上を、恐る恐る見上げた。

微笑みながら木刀を持った廉栄が纓を見下ろしていた。


“ いきなり部屋に入ってきたと思ったら、笑いながら躊躇なく木刀を振り落とすんだ…流石に俺様も引くわ…。つか、怖ェ…。 ”


黒威の言葉に少しばかり恐縮しながらも、笑顔を取り繕って言う。


「お、おはようございます、廉栄さん…。」

「おはよう。さぁ昨日やった事は覚えているかな?」


昨日やったこと…無理矢理池に顔突っ込まれて溺死するところだったのだが…。

無論そのまま伝えるわけにはいかないので、少し丁寧に言う。


「池に顔を突っ込まれました。」


うん、自分でも分かる。

少しどころか全く丁寧じゃない。

まるで心の声が漏れ出した感じだ。


「そうだね、私は纓君の顔を池に突っ込んだ。

どうするべきだったか、一度あの時のことを思い出して考えてごらん。」


どうやら言い方は水に流してくれるらしい。

それよりも、あの時どうするべきだったか。

黒威がくれたヒントは”クラッシャー“だったと思う。それを踏まえて考えるなら…。


「廉栄さんを倒すことですか?」


廉栄は横に首を振る。

では何だ?


“ 疎いお前にもう少しヒントをくれてやる。確かに俺は、クラッシャーなら、と言った。だがこうも言った。“クラッシャーなら一日水の中にいる事だって可能”とな。それでもう少し考えてみろ。分からなければ俺はお前を脳無しと呼ぶぜ。 ”


黒威はなんやかんや色々手助けしてくれる。

黒威が言ったことを踏まえてもう一度考えた。


「確かに、考えてみれば押さえつけてる人を殺す前に殺されるのが先だ…。クラッシャーなら一日水中にいることも可能…。水中で酸素を取り込む方法は…。」


一般人には出来ず、クラッシャーなら出来る。

つまり、一般人には持っていなくてクラッシャーには持っているものが鍵。

それは何となくわかっていた。

鍵があっても扉は開かない。

鍵を差し込む鍵穴は…。


「力の使い方…威圧で空気の通り道を作れば良い…!

そうだ、そういえば威圧って風とほぼ同じなんだ!掴む事は出来ないけど、風も威圧も力として使うなら刃に出来るから!」

「そうだ、纓君の言っている事はまぁ合っている。纓君にはまず、力を使った護身術を学んでもらう。」

「力を使った護身術?」


護身術って、不審者から身を守るための格闘技みたいなものだよな?それに力を使って威力を増させるってことか?


“ さっきの解答は概ね良かったんだが、やっぱお前は脳無しだ。 ”


誰が能無しだ、不法侵入者!


“ 不法侵入ではないと言ったぞ俺様。やっぱ脳無しは馬鹿で阿呆で脳無しだ。 ”


んなこた知るかよ!

心の中で言い争っている纓と黒威を知らず、廉栄は坦々と続けた。


「力を使った護身術…纓君には力でバリアを張る、と言った方が分かりやすいかな?

クラッシャーズの仕事をするにあたり、もしくは階級昇格をするにあたり宿っている者の力同士で戦うことが必ず出てくる。

大体の攻撃は避ければ良いのだが、当たる時は当たる。その時、ダメージを少しでも緩和するために瞬時に、反射的にバリアを張れるようにするのだ。」


確かに、力を使った攻撃は普通に殴られるよか致命傷になりやすそうではある。


「クラッシャーが扱う力の使える量は基本的に無制限だが、使っている分疲労は蓄積しやすい。

そこは休息や健康的な生活を送っていればすぐ回復する。だからまず、寝ている間はずっとバリアを張ることを纓君にはしてもらおう。」

「……は?」


纓はゴクリと固唾を呑み、黒威に聞く。

オイ黒威、これが普通なのか?


“ そんな筈は、なかったと思うぞ…確か…。 ”


纓と黒威は、2人揃って密かに戦慄を覚えるのだった。いろんな意味で…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ