表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラッシャー  作者: Mark.Ⅵ.
人生の中で多分2番目くらいに大変だった訓練編
3/5

学校では習わない大切かつ基本的な知識

目的地に着いた纓は、かなり大きい和風の屋敷の門の前に立っていた。

刀の扱いが上手い一族と聞いていたので、予想はしたが、予想より遥かに大きい。


「俺…死ぬんじゃね…?」

「流石に訓練では死なないさ。」


“ 本当には死なないが、これは纓なら死ぬな ”


黒威さんもよーく分かっていらっしゃるな。

これは確実に、


「“ 死ぬ ”」



案内されるがままに屋敷内へと入っていって、お茶と茶菓子を出されたのでありがたく頂戴する。

冷たい緑茶と赤福という餅が餡に包まれている和菓子だった。

味わって食べていると不意に襖が静かに開き、1人の男性が挨拶をして入ってきた。


「その子が例の?」

「えぇ。黒を冠する異名の持ち主でね。」

「纓君、この人はこの家の当主、」

今永(いまなが) 廉栄(れんえい)だ。君は…纓君で良かったかな?」

「藤林 纓。よろしくお願いします。」


廉栄は50代後半辺りと思われる容姿を持ち合わせており、纓からしたらとても刀だけの使い手ではなさそうだった。


「それにしても、まさかこのような逸材が施設にいたとは驚きですな。」


黒威は黒い竜…動物と色の強さでみれば1番と言っていいほどの能力を持っていることになる。

つまり訓練や実戦や階級を積んでいけば、最上級の超特級零特級も夢では無いのだ。


「そういえば、黒威という名は初めて聞きますな。」

「過去に威圧的能力を持ったものは存在しない、纓君が初めてだ。」

「どういうことだ?」


全く話についていけない纓はどういうことか不思議に思いながら聞いた。


「さっき『クラッシャーは人間が生まれてくる前に世界の守護者が入る者を選定し、宿る』と言ったのは覚えているね?」

「あ、あぁ…。」

「クラッシャーが死亡した時、世界の守護者は元に戻って再び宿る人間を探すんだ。」

「だから過去に持っていた人の能力と同じ能力を持った人間が生まれてくるってことか…。」


世界の守護者は世界の核がある”世界の間“の守護と現世の守護をしている。

弱い守護者は大体現世に駆り出され、宿主が死亡して世界の間に戻っても再び現世に戻される。

名に黒の名を冠する強い者はお遊び感覚で宿ることが大半である。

故にほとんどの名に黒を冠する者の大体の名は知れてるはずだった。

黒威の気分なのかも知れないが、クラッシャーズとしては少し問題になるような案件だった。



“ 俺様が宿ったのはただの彼奴のキマグレだ ”



(余談だが、害悪な人間を殺すのはあくまで「肉体に宿らせてもらってるお代」として許容されている。

その代わり、現世で世界の危機に瀕した災害が起きた場合はクラッシャーズは全力でその危機を回避させなければならない。)


「それじゃあ、纓君。威圧の能力を見せてもらえないかな?」

「あぁ。」



道場のような、いや実際に道場なのだろうところにやってきて、道場の真ん中に立つ。


「それじゃあ、いきます。」


纓にとって良い思い出がない、今まで押さえ込んでいた威圧を解放する。


「成程、普通に威圧だね。攻撃出来るなら攻撃してみてくれ。」

「了解…。」


どう攻撃するか、どうやったら攻撃出来るかを少し迷ったが、ふと刀が脳裏に浮かんで、空を斬るような攻撃を考えたままに黒炎火に向かって出してみる。

すると黒い斬撃が生み出され、黒炎火に向かっていった。


「自由自在に姿形を模すことが出来るのか。

万能型ではあるが、未熟故に威力がまだ弱いな。」


黒炎火は一瞬で炎剣を生み出し、纓の生み出した黒い威圧の斬撃を”斬った“。


「威圧を、斬った……。空気を斬るようなもんじゃないのか…?」


“ 刃物の使い手なら大体出来る基本的な術だ ”


「刀を使うならばこれを習得しなければクラッシャーズのデビューすら果たせないと思っておいた方がいい。

今から相性が良い武器を探すために様々な武器を使ってもらう。まずは刀。」


そう言って黒炎火は木刀を纓に差し出す。

纓はそれを受け取り、股を少し開かせ両腕で真っ直ぐと構えた。


「重心が右に傾いている、もう少し均等にどっしりと構えるんだ。」


今まで黙って見ていた廉栄がそう指摘する。

言われた通りのことをなんとなくでやってみる。


「こう、か?」


さっきより何か安定しているような感覚がある。


「そんな感じでいい。纓君、そのままゆっくり木刀を振り上げ、力を入れずに重力に任せて木刀を振り下ろすんだ。手でやるんじゃなく、腕で動かすんだ。」


言われた通りにゆっくり腕を上げ、力を抜きながら自然になるように木刀を振り下ろした。

自分でもわかるくらいに、おかしなくらいに動作がぎこちない。


「先程言ったことを意識してかつ、自分が思う自然体で同じ動作をしろ。」


再びゆっくり腕を上げ、刀を振り下ろす。

何度も繰り返し、繰り返し。

でもやっぱりぎこちないのは変わらなかった。


「黒炎火、纓君は刀との相性が悪い。」

「刀全般難しそうか?」

「そういうわけでもないが…双短刀であれば可能性は低くないが…。」


一刀であれば様々な攻撃のしようはあるが、二刀になるだけで戦術というものは一刀の時よりも攻撃の仕方が少なくなる。つまり、刀が二刀流だとほぼ単発的な攻撃しかできないのだ。


「…難点は多々あるが、まずは相性を見るべきであろう。1番相性が良いとなれば、その時に対処方などを考えればいい。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ