表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
推しがライバルなんだが!!?  作者: 櫻木サヱ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/26

14話本番前夜

夕焼けに染まる校舎の影が、グラウンドの端まで長く伸びていた。

ステージ設営の音と、スタッフの声が交錯する中、空気には独特の緊張感が漂っている。明日は――ついに、本番。


「ねぇ、葵……ちょっと、顔、こわばってるよ?」

笑顔で話しかけてきたのは、幼なじみであり、そして今ではライバルにもなってしまった蓮。

その何気ない一言に、葵の胸の奥がきゅっと締めつけられた。


「べ、別に……緊張なんかしてないし!」

強がって笑ってみせるが、手のひらの汗はごまかせない。

ステージの本番は何度も経験してきたのに、今回は――違う。

相手は、自分の“推し”だった人。

同じ夢を追う、もう一人の主役。


「ふふ、葵がそんな顔するの、珍しいね」

蓮の優しい声が、夜の冷えた風と混じって心にしみる。

その声が好きだった。ずっと、応援していた。

でも今は――ライバルとして、越えなきゃいけない相手。


「……あんたにだけは、負けないから」

葵の視線が蓮の瞳と交わる。

夜空に浮かぶ星たちが、まるで二人の行方を見守っているようだった。


蓮もまた、静かに頷く。

「わかってる。でも、俺だって、絶対に勝つ」


ふたりの距離は近い。

でもその間にあるのは、甘い空気じゃなく――確かな“火花”。


そのとき、グラウンドの反対側から仲間たちの声が響いた。

「おーい、リハ始めるぞー!!」


一瞬だけ、蓮が笑う。

「行こっか、本番前の、最後の夜に」


葵も、息を整えて頷いた。

ここから先は、もう迷わない。

負けたくない――彼に。

そして、自分自身にも。


夜風が二人の背中を押すように吹き抜けていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ