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よし、完成!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

PN【レンテ】

LV.1

[AP:0][SP:0]


HP:100/100

MP:100/100


STR:10

VIT:10

INT:18[+1]

MND:10

DEX:12

LUC:10


スキル

【水魔術】LV.1

【真・樹魔術】LV.1

【MP回復速度上昇】LV.1

【知力強化】LV.1

【発見】LV.1


控え


称号

【無謀に挑む者】

【友好を築く者】

【我が道を往く者】

【『終焉の魔女』の弟子】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ちなみに、APがステータスに振れるポイントで、SPがスキル取得に必要なポイントだ。


配布されている初期ポイントは、APが10、SPが5。


レベルアップで得られるポイントはAPが2、SPが1らしいのだが、二日目にしてレベルが上がっていないので確認はまた今度だな。


それにしてもなんともまあ、貧弱なステータスだこと。


現時点でトップ層とどれくらい差があるのか。


取り敢えず、ステータスについては語ることは少ないだろう。


魔術の威力に直結するINTを多めに、あとはターゲティングやり易くなるらしい器用値を表すDEXに少し。


レベルが上がって、少しでもポイントに余裕が出てくれば、物理防御のVITや、魔法防御のMNDに振るのもありかもしれない。


それでも、物理攻撃のSTRと、よく分からないLUCに関しては今後も振ることがあるか疑問だ。


さて。


ステータスなんて前座だ、前座!


MLのスキルはかなり豊富で、初期スキルだけでもかなりの数にのぼる。


初期スキルはどれも取得に必要な消費SPは1なので、五つまで取得が可能だった。


構成としては、師匠に言われた通りに魔術を二つ、魔術を補助するためのスキルを二つ、そしてMLを始める前から気になっていたスキルを一つって感じで取ってみた。


初期スキルは正式リリース前から公式サイトで公開されてたからな!


ただ、魔術のうち【真・樹魔術】は見たことがない。


これは初期スキルとは別枠にあったので、多分何か条件を満たして取得可能になったスキルだと思われる。


ログを見返してみると、思い出したくもないう◯こ事件の時だったので、原因はうん◯、もしくはあの異常なまでの巨木か。


まあ、巨木を視界に収めただけで取得解放とはならないと思うので、消去法的に──。


気分が悪くなってきた、思い出すのやめよう。



「ようやく、選び終わったようだね」


「師匠は俺のスキルが見えてるんですか?」


「そういうスキルがあるんだよ。さて、早速訓練さね」



師匠はそう言いつつ杖で床を叩くと、空色の魔法陣を展開。


水魔術なのか?そんな疑問を抱いている間に、光に包まれる。


次の瞬間、視界が切り替わった。






森だった。


僅かな木漏れ日が差し込む暗い森。


周りの景色くらいは確認できるが、森の奥の方は暗くて何も見えなかった。



「師匠、ここは?」


「忘れ去られた森さね」



忘れ去られた、か。


明らかなプレイヤーの未到達フィールドに少しばかり息を飲む。



「なんか危険そうな感じがするんですけど、俺生き残れるんですかね…」


「自分から死のうとしたアホが何言ってるんさね。まあ、まずは見て学ぶことだね」



その言葉の後、四方から飛び出してくる四つ腕の猿のモンスターたち。


数は…六匹だ!



「師匠!」


「こんな雑魚に慌てるようじゃまだまださね!」



師匠は素早く水魔術の初期魔術である『ウォーターボール』と、なにやら尖った枝のようなものを空中に展開した。


一番最初に飛び出してきた猿に向かってウォーターボールをぶち当てる。


衝撃で後ろに吹っ飛ぶ猿を横目に、別の猿三匹に展開された木の根の針でそれぞれの頭を射抜いた。


どれも倒し切れてはいないものの、すぐに襲ってこられるような体制ではない。


しかし、残る二体の猿は未だ速度が衰えず。


師匠の左右から四つ腕の爪を立てて襲ってきた猿を、敢えて右の猿の懐に入ることで間合いをずらし、猿の脇をすり抜けざまに頭部を杖で殴打。


ダメージこそそこまで入っていないようだが、猿はたたらを踏んだ。


そして、寸前の挟撃という状況下、その猿の行動は左の猿からすると邪魔者以外の何者でもなく…。


いきなり正面に現れた同族を躱すことが出来ずに衝突。二匹揃って尻餅をついたところで、師匠が詠唱していた『ウォーターカッター』が完成。


二匹纏めて、その首を刎ねた。



そのあとも終始圧巻の立ち回りだった。


四つ腕も頭数も、手数で勝っているはずの猿は何もさせてもらえず、杖一本の師匠が圧倒する。


魔術だけではなく、詰められた時の体術だって流麗な動きで、経年の技がそこにあった。



「こんなもんさね」



そう言いながら、最後の一匹を樹木の鞭で弾き飛ばす。弾き飛ばされた猿は光の粒子となって空中に霧散した。



「ここまでやれとは言わない、まずは自分に出来ることを理解することからさね」


「なるほど」



樹木関係の魔術が分からないが、推測は出来る。多分あれは樹魔術だと思う。


とすると、今の戦闘は俺のスキル構成に合わせて戦っていたということなのだろう。


水魔術はウォーターボールも、ウォーターカッターも序盤で使えるようになる魔術だ。


威力から考えて、樹魔術の方も序盤の魔術なのだろう。


短い間だが、師匠は強い。


これは推測というより、確信めいたものが自分の中にあった。


その師匠が、未知のモンスターとはいえ、倒すのに数発掛かったのは弱い魔術だったからではないだろうか。



「己が使える魔術のことを理解しな。発動までの時間、再発動に必要な時間、他の魔術との兼ね合い、有効距離、苦手な間合い」


「多いですね…」


「こんなものまだ序の口さね」



一端の魔術士への道は遠いということか。


まあ、それは魔術士に限らないんだろうけども。



「そして、魔術を鍛えることも怠っちゃいけないよ。使える魔術が多ければ、それだけ戦術の幅が広がるからねぇ」


「そしてまた、それを理解する…」



無限ループだ。


今の師匠が見せてくれた戦闘の中に、魔術士の一つの完成形があった。


それは魔術士が魔術士たるために、魔術士を極めるためには、どこかで近接戦を余儀なくされる可能性の示唆。


それはソロ魔術士の限界。



「まあ、レンテは取り敢えず、レベルを上げるところからだね。そんな貧弱な魔力じゃあ、勝てるものも勝てないさね」



なんともまあ、当然の帰結に自分に対して呆れるしかなかった。

※済

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― 新着の感想 ―
[一言] 首を撥ねる、だと読み手が思い浮かべるイメージがブレるので常用的な首を刎ねるでいいかなと思いました
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