64/日
感想でも頂いたので、あらすじ変更してみました〜
ちょっとう○こにこだわり過ぎて新規の人に逃げられそうだったらまた見直しますww
それに伴って題名の(仮)外しました!もうこれで行きます!迷ってたのはサブタイ付けるかどうかだけなので
感想頂いた方々、貴重なご意見ありがとうございました!
重い瞼を開く。
俺はどうなったんだったか。
薄ぼんやりする頭で考えながら、しかしそんな思考を全て放棄するように目を奪われる。
光が溢れるその光景はまさしく…。
「天国…」
「おっと、目が覚めたようだね!おはよう!」
〈プレイヤーで初めて異界を開放したボーナスにより、AP30・SP30を獲得しました〉
〈精霊界〔スピリタス〕開放ボーナスにより、AP12・SP6を獲得しました〉
〈【MP自然回復】LV.4に上昇しました〉
〈【MP回復速度上昇】LV.7に上昇しました〉
〈【器用強化】LV.10に上昇しました〉
〈スキルレベルが一定に達したことにより、SP1を獲得しました〉
〈【魔人化】スキルを取得可能になりました〉
〈【精霊化】スキルを取得可能になりました〉
〈【幽体離脱】スキルを取得可能になりました〉
〈【魔力暴発】スキルを取得可能になりました〉
〈【MP増加】スキルを取得可能になりました〉
〈【MP貯蓄】スキルを取得可能になりました〉
〈【根性】スキルを取得可能になりました〉
〈称号【精霊界に迷い込んだ者】を獲得しました〉
〈称号【境界を越えし者】を獲得しました〉
〈称号【最速異界到達者】を獲得しました〉
《匿名 が初めて異界へと到達しました》
《一部情報を解禁します》
《MLでは、現在プレイヤーの皆様が過ごしている人間界の他に、天界や魔界、精霊界など、様々な異界と呼ばれる別の世界が存在しています》
《最も一般的な異界はダンジョンと呼ばれ、人間界にも様々な場所に扉があります》
《異界では人間界の時間の流れとは異なり、時間は通常の4倍に引き伸ばされていますが、取得経験値は100分の1となっております》
《そこでしか得られないアイテムやスキルもあるため、是非様々な場所を冒険して探してみてください》
《詳細はヘルプからご確認ください》
精神と時のなんちゃらみたいなナニカ。
もう何が何やら、頭が追いつかない。
「人の子…、名前はレンテだったかな?よろしく、わたしはウンディーネ。人間界では母なる精霊女王とか、四大精霊とか呼ばれてるけど、特別にディーネって呼ぶことを許そう!」
深い青の瞳に青の髪。常に流動的に波打つような長い髪は、目の錯覚なのかどうなのか。繊細な髪質に見えるが、海のようにも思える不思議。
美形揃いのMLのNPCの中で輪を掛けて可愛い。美人というには幼なすぎる可愛い系で、精霊が成長するのかは分からないが、将来大人になればきっと美人さんだと確信できる、王女連中に並ぶ美形だ。
「俺の名前はもう知ってるのか…。よろしく、ディーネ、ってもしかして聖域ってディーネ、なのか?」
俺のPNを既に知ってることといい、この声音といい…。
話し方が大分違うから自信は無いが、そんな気がする。この幼女が母親なのだとしたら、運営は少しお巡りさんのお世話になった方がいいと思うが。
「おお、よく分かったね!ほら、妖精達の前だったし厳格なイメージは保っておかないとね!精霊にとってイメージって大事なんだよ?重要なんだから」
「そ、そうか。じゃあ、ディーネが助けてくれたんだな、ありがとう」
「いいよいいよ。妖精達と仲良くしてくれてるし、そのお礼だと思ってよ」
「母なる精霊女王って言ってたし、妖精達のこと気にかけてるみたいだし、もしかしなくても本当に妖精達の母親なのか?」
「うーん、精霊は人間みたいな繁殖はしないから、多分レンテが思ってるお母さんとは違うよ?妖精はね、微精霊の集合体が物質界に堕ちちゃった種族なの。そして微精霊は、私たちみたいな精霊から漏れ出した魔力から産まれるから、正確には分け御霊みたいなものかな」
なるほど、運営は黒から黒よりのグレーで留まっていたみたいだ。
自らが産んだわけではないけど、そのルーツは自分にあるから子供のように想っていると。
話を聞いているうちに少し頭も冷静になってきた。まず、なんだ…?訂正、まだ冷静になれていないようだ。
ああ、ここは何処かの確認からか。
まあディーネが何者で、ログに残っている獲得したらしい称号を見れば答えは出ているようなものだが、一応確認だ。
「ディーネ、ここは精霊界って場所で合ってるか?」
「場所っていうか、人間界とは世界が違うかな。本当なら正規の手順を踏まないと世界の境界は越えられないんだけど、レンテは精霊と相性が良いからね!」
私が同化して無理矢理境界を超えちゃった、とディーネ。
テヘッ、とやるディーネだが可愛いから許す。
最近髭もじゃのジジイに似たようなことをされたが、可愛さというファクターはこんなにも大事だったのかと再認識させられた。
それに、境界を無理矢理越えることが悪いことなのかの判断は俺にはつかないので、許すも何も無いわけだが。
助けてもらっているし。
…いや、本当に助かっているのか?
それに精霊と相性が良いって…?
一つ疑問が浮かぶと止まらなくなってしまった。
「俺って精霊と相性がいいのか?」
「精霊は魔法生物っていう、物質的な肉体を持たない種族なの。だから、そもそも魔術士と精霊は相性がいいんだよね!それに…」
「それに?」
「ううん、それに属性に偏りが少なかったのがよかったよ。この精霊界は、属性が偏り過ぎてると弾かれちゃうから」
「この精霊界?」
「精霊界に限らず異界っていうのは、一つや二つじゃないの。火の精霊は火属性が強い場所を好むけど、私たち水の精霊は水属性が強い場所を好むから、精霊によって好みの環境の精霊界に住んでるかな」
周りを見渡す。
瞼を開いた瞬間は光溢れる場所だと思ったが、ここは彩り豊かな自然溢れる場所のようだ。少し先には大きな湖も見える。
光が溢れているように感じたのは、人間界よりも魔素に溢れているから魔力感知が働いた結果そう見えたのだろう。
「そしてここは、私たち精霊王が守護する、すべての精霊の始まりの地スピリタス。改めてようこそ、レンテ。ここを訪れた人族はエルフを除いて初めてだよ!」
でも、とディーネは話を戻す。
「でも、あんまり無茶しちゃダメだよ〜。今シルウァヌスが治してるけど、レンテの身体はズタボロなんだから!」
「そ、そんなにか…」
今の自分の身体を確認しても何処か異常があるようには感じない。
精霊は物質的な身体を持たないとか言ってたし、もしかしたら俺も幽体離脱的な何か…、いや、さっきそれっぽいどころか、まんまなスキルが取得可能になってたっけ。
シルウァヌスさん、俺の身体お願いします!
俺の最後の記憶は、全身黒くひび割れて燐光を放っている自分の身体を確認したところで途切れており、そうじゃなくてもすごい音を立てて内側から身体が破壊されていく感覚は、今でも少し恐怖を覚えている。
「特に酷いのは、魔力回廊。魔力の通り道のことなんだけど、最初は細い管みたいなものなんだよね。それを徐々に慣らしていくことで管の穴を広げて魔力の巡りをよくするのが人族では一般的な筈なんだけど…」
こうなると知っていれば、修行と拘らず、もう少し情報収集をしたのだが。
いや、なんか知らないけど棚ぼたで異界に辿り着いたらしいし、ディーネには悪いが結果オーライなのか?
「あの状況で他にやりようが無かったとはいえ、無理矢理こじ開けるように魔力流しちゃったから、魔力回廊はボロボロ。傷口が塞がるまではこっちで安静かな〜」
「そっか。本当にありがとう、あのままだと妖精達まで巻き込んで自爆するところだった。俺の本体が治るまでの間お世話になるよ」
あまりガツガツ攻略ってのは性に合わないけど、他のプレイヤーが誰も見たことがない景色というのには心が躍るのも本心。
妖精達には心配を掛けたままだが、どうしようもないのでピクシーフィッシュをたらふく食べさせて許しを請わねば。
誰かを呼んでくると言って出ていったディーネを待つ現在。
案内されたのは、巨人でも住めそうなほどに巨大な、サイズ感を間違えたと錯覚しそうな精霊宮殿の一室。
一枚岩のような虹のクリスタル、精霊結晶で造られたというこの宮殿は、俺の拙い語彙力の前では幻想的の一言に全て飲み込まれてしまうほどに、MLで見た景色の中で世界樹と並ぶ非現実だろう。
世界樹といえば、ここから見える中庭にも精霊大樹なる立派な巨木が生えているが、サイズでいえば世界樹には到底及ばないな。
まあ、あの炎を纏ったリンゴだとか、風を纏ったナシだとかは充分ファンタジーしてるけどな。いや、炎とか風ってより属性を纏っているのだろう。多分土属性を纏っている栗は、土や砂を纏っているのではなく、茶色のオーラのようなものを纏わせているからな。
ともかく、一人になっている今のうちに色々と確認しておこう。
久しぶりに頭が痛い感じのログのオンパレードだが、見ないふりをするわけにもいかない。
まず、開放ボーナスとかいうアナウンスだが。
これは、俺には関係ないと思って詳細は流し読み程度だったのだが、ヘルプにも載っている既出の情報だ。
なんでも、初めて町を開放したパーティに配られるボーナスだとか。開放した時のパーティ人数で等分され、割り切れない場合は切り捨てらしい。
今回はソロなので全部俺に入ってきたが、本来6人フルパーティならスピリタス開放でAP2・SP1、初異界開放でAP・SP5ずつが入ってきていたのだろう。
ソロで無茶をするよりも堅実に数を開放した方が美味しいというのが攻略組の認識らしく、如実に他と差を付けられる要素な為、攻略組のモチベーションの一つになっているという。
今までにグレディ、セントラリス以外の町も幾つか開放されているが、一番ボーナスが大きかったのが初首都開放ボーナスの3ポイントらしいので、初異界開放ボーナスはそれ以上のようだ。
次に見たことも聞いたこともないスキル。
当然初期スキルに無かったスキルばかりで、唯一【MP増加】はひとつの行動中に自分の最大値以上のMPを使うことで取得可能になるらしいことが最近明らかになったばかりのスキルだったりする。もちろん【HP増加】も存在し、こっちは一撃で最大値以上の攻撃を受けて生きていることが条件らしい。
あれ?だとすれば【HP増加】取得可能でもおかしくないよな…?ということは、戦闘中じゃないとダメとか、別な条件があるのかもしれない。違うな、攻撃受けたわけじゃないからか。
他だと、【魔力暴発】はなんとなく理由は分かるが、名前が不穏だ。
まあ、他のスキルは取得可能になった経緯は分からないが、有用そうなのでそのうち取得するかもしれない。詳細はその時でもいいだろう。
そして称号。
称号【精霊界に迷い込んだ者】は、正規の手順以外で精霊界を訪れた者の証だとか。
効果は、精霊や妖精との相性が少しだけ良くなるらしい。
ここに来て相性とかいう新要素な上にマスクデータぇ…。
次に称号【境界を越えし者】は、テキストから獲得条件を予想できるような文言は書かれてないが、多分異界と呼ばれる別世界に足を踏み入れれば獲得できるのだろう。
効果はマップにターゲティングと書き込み機能、地点登録機能の追加。
マップは基本的に、プレイヤーがよく利用するような施設や、重要な施設しか記録されないので、行きつけの店だったり、プレイヤーの拠点だったりを登録できるようになるのは便利だし、フィールドマップに出現モンスターを書き込んだりも出来て使い勝手が良くなりそうだ。
三つ目の称号【最速異界到達者】は、呼んで字の如くプレイヤーで初めて異界に足を踏み入れることが条件だったのだろう。
効果は異界での制限緩和(微)とスキル熟練度補正(大)。
これは最後に触れようと思っていたワールドアナウンスとも関連するが、どうやら異界では取得経験値が100分の1になってしまうらしい。そんな制限を少しだけ緩和してくれるようだが、100分の1が99分の1に変わるとかその程度だろう。
そしてもう一つのスキル熟練度補正。
異界というのは多分、スキル熟練度を稼ぐための場所なのだろう。この称号のメイン効果はこちらだと思われる。これで少しはキャラレベルに見合ったスキルになるだろうか。
ただ、こっちのスキル熟練度の方は異界関係なく効果が働くので嬉しいかもしれない。
と、ここまでで大分お腹いっぱいだが、最後に残った大問題がある。
その大問題とは、異界では時間が四倍に引き延ばされているということだ。
掲示板なんて見なくても阿鼻叫喚の地獄絵図だろうし、何より問題なのは、異界に正規手段で訪れる方法が分からないことであり、どれだけ掲示板が荒れようとも終息させられないことだろう。
これについては運営が何とかしてくれるのを祈るしかない。
きっとお問合せが嵐のように舞い込んでいるだろうから、何か対応策を講じてくれるだろう、うん…。
前書きでも触れましたが、感想ありがとうございます!
⭐︎などで区切るのは視点切り替え・場面切り替えの印象が強いとのことなので、一応Twitterのアンケートの締め切りを待ってから最終決定しようと思いますが、それまではこれまで通りの行間5行で執筆しておこうと思います。
黒いひび割れに違和感を持たれている方もおられたので補足を。
作者的には、暴走した魔力で魔力回廊がひび割れているイメージで書いていたのですが、前話ではまだ未登場ワードという…
なのでもう少し区別できるように、魔力暴発の際のひび割れた色を黒から紫に変更しました。
なんというか、体内でエクスプロージョン寸前だったんです!属性ごちゃ混ぜの破壊魔術の魔法陣が紫なので、そっちで想像してもらえたらと思います!
ここから下、テンプレートというものを学んだので載せてみたり…
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