63/日
そろそろサブタイでも付けて、仮題から正式タイトルにしたい…でもいいの思いつかない…ネーミングセンスぅ!!
この慌ただしいようで、ある意味では実りのあった一週間も今日で終わり。
スプラに関しては一旦俺が出来ることは終わったし、脳筋王女に任せきりなのは少し不安だが、セレスティア殿下もいることだし、大丈夫だと信じたい。
次に俺の出番があるとすれば、スプラが一通り生産のイロハを覚えたあとだろうな。
イベントに出品する生産品のための素材集めくらいは手伝えるはずだ。
取り敢えず、今日からしばらくはのんびりプレイに勤しみたいわけだが、やりたい事としては三つほど。
一つは、急激にレベルを上げてしまった弊害であるスキルのレベリング。
ユズ曰く、特化型プレイヤーのメインスキルは、キャラレベルより上なのだとか。
俺は万能型というか、器用貧乏まっしぐらなので、せめてキャラレベルと同じくらいまでは魔術のレベルを上げておきたい。
二つ目はキャラのレベリングだ。
一つ目と同時進行で進められるが、本当の目的はSPを稼ぐことであり、派生魔術も狙うとなると少々心許ないのが現状だ。
きっと魔力操作のスキルにも魔力感知と同じようなSPを持っていかれるだろうから、樹魔術の例を考えても、今のままだと派生魔術は三つしか取得できない計算になる。
ともかく、スフィルロックみたいなのがいればまた違うが、そうじゃないならスキルレベリングと並行して勝手に上がるだろう。
三つ目に、修行のような何かだ。そろそろ修行パートがあってもいいじゃない、ということで今日の本命だったりする。
さっさと魔力操作を取得してしまいたい。
でないと、魔術と魔法のシステムが分からないのだ。
魔術と魔法はスキル的に別枠なのか、別枠だったらSPはどのくらい必要になるのか、同じ枠だとして進化あるいはそれに類する何かをする場合のSPは必要なのか。
今後どうするにしても、これをクリアしないと決めるものも決められない。
ということで、一人ゆっくり修行出来る場所を求めて、プリムス大森林の聖域を訪れていた。
師匠の家でもよかったんだが、流石に家の中で修行は気が引けたのでこっちを選んだのだ。
早速始めていきたいのだが、今のところ俺に出来るのは、魔力を堰き止めて、一気に開放するくらいであり、魔力を巡らせることについての解決の糸口は見つかっていない。
なのでプランとしては、取り敢えず魔力を限界まで堰き止めてみようと思う。
身体が固い人が柔らかさを取り戻すためには地道な柔軟運動が必要なように、魔力の流れも徐々に解していくものなのかもしれないが、まずは試せることからやっていこうと思う。
だって詰まり始めたらピクリともしないんだもの。胸筋が無いのにピクピクさせようとしても、動かす感覚すらよく分からないアレに似ているかもしれない。
筋トレとかは現実でも苦手だ。長期的自己実現というか、少し忍耐力が足りてないのかも、と自己分析をしてみる。
閑話休題。
魔力を堰き止めることによって、当然だが俺の魔力は堰き止められた場所に集まるので、他の場所に流れる魔力量は少なくなる。魔力というのは身体全体を常に循環しているだけだからだ。
しかし、長時間堰き止め続けていると、薄くなっていった魔力量が増える瞬間があるので、これは自然回復しているのだろう。
つまり堰き止められている間のその魔力は、自身が保有する最大MPとは別枠で存在していることになる。
それを証明するように、ステータスを確認しながらやれば、堰き止めている間はMPが減って、開放して流せばMPは元に戻る。
これにどんな意味があるのかはよく分からない。だが、溜め込んだ魔力+自然回復した魔力は当然最大MP量を上回るので、その余剰分で溢れた魔力は、魔力感知スキルによると体外に漏れ出してしまうようだ。
てなわけで、実験その一。MPを回復させつつ、魔力を限界まで堰き止めてみようのコーナー!
MPの回復には、大量に買い込んできたMPポーションを妖精達に定期的に俺に対して使ってもらうことで対応しようと思う。
やはりお金が手元にあると良くない。
現実では大事に貯金できている筈なのに、こっちではその反動かあるだけ使ってしまう病気にでも罹っているのか、高品質MPポーションの数を揃えるのはなかなかのお値段だった。
クールタイムを考えると、どうしても高品質なものじゃないと効率が違いすぎる。
「じゃ、お願いな」
「「「あいあいさー!」」」
さ、限界にレッツチャレンジ!
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
やばい…。
気づいたらどうしようもないくらい魔力が膨れ上がっていて、未だMPポーションを使い続けてくれている妖精達を止めようにも、口を動かすだけで堰き止めた魔力が溢れ出してしまいそうだ。
微動だにできない。
魔力を堰き止める位置もやりやすい場所とやりづらい場所とがあって、起点たる心臓の逆位置の場所に近ければ近いほどやりやすいのだが、逆に手先だったりは結構難しい。
なので、心臓の逆位置に魔力を堰き止めていたのだが、気を抜いたら魔力が暴れ出して身体が破裂してしまいそうだ。
俺がデスするのは構わない。しかし、契約している妖精達がデスしてしまうのは復活できるのかも分からない以上避けなければいけないし、そもそもこんなことで死なせたくない。
どうすれば…。
「妖精達、その手を止めよ」
「んだよ、シルウァヌス〜」
「これはアタイ達の仕事だぞー!」
「邪魔しようったってそうはいかないぜ!」
なに!?シルウァヌスさんが!?
やばいっ、少しでも意識を逸らすと持ってかれる…!!
「違う、よく視るのだ。お前達の友は魔力暴発一歩手前、それ以上薬を使えば死ぬぞ」
「えっ、や、やべぇじゃん!ど、どうしよう…!?」
「わたしたちが吸い取れば…」
「こんな膨大な魔力吸いきれないよぉ〜」
シルウァヌスさんのお陰で妖精達は止めてくれたみたいだが、どうやら解決策は思いつかないようだ。
「聖域よ、いけるか?」
「(聖域越しの力では、根本をどうにかするのは厳しいでしょう。一度隔離して暴発させます、子供達よ離れなさい)」
「レンテは助かる…?」
「おいら達が悪いんだ!」
「頼みごとされてつい嬉しくなってしまったのさ…」
妖精達…。
ごめんな、あとでいっぱいピクシーフィッシュ食わせてやるからな!
「(心配無用です。母を信じなさい、子供達)」
「「「あい!!」」」
堰き止めることだけに集中している現在、妨げになる視界は閉じているので妖精達の姿は窺いしれないが、不安にさせてしまっていることだけは伝わってくる。
「(人の子よ、空間を断絶し完全に隔離しました。ゆっくり、ゆっくりと枷を開放しなさい)」
ゆっくり…。
くっ、ダメだ!少し綻びができただけで濁流のように流れ出してしまった!もう止められない!
ブチブチ、ビキビキと嫌な音を立てながら、全身を巡る魔力の奔流は、加速度的に勢いを増し、身体を破壊し尽くそうとしているのが感じ取れた。
集中しておく必要が無くなって、久しぶりのように感じる視界を開く。
目に飛び込んでくるのは、全身の至る所が薄く紫にひび割れ、様々な色の燐光が溢れ出している自分の身体。
「(一度眠りにつきなさい、人の子よ。目が覚めたら向こう側で会いましょう。『共鳴同化』)」
向こう側で…?
その疑問が口から出されることはなく、俺の意識はそこで途絶えた。
前話までは大きく時間経過したり、場面移動する際は、行間を五行開けていたのですが、試験的に⭐︎を入れてみました。
作者的には少し分かりやすくなったかな?とは思っているので、今後は⭐︎を導入していこうと思うのですが、行間を開けるだけの方が分かりやすいや、⭐︎で分かりやすくなったなどあれば感想で頂けるとありがたいです!
また、普段微動だにしないTwitterでアンケートでも載せておこうと思うので、感想に書くのは面倒だと思う方で気が向いた方は、ポチッとお願いしますm(_ _)m
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