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50/土

ちこくちこく〜


後書き加筆してたら時間過ぎてたorz


しかし、この奇妙な魚は何なのだろうか。


これで50匹目、軽く爆釣状態である。


ここまで使い道が定かではないアイテムも珍しいが、そこそこな量が手に入るということは、メタ的な思考にはなるが、数が必要なアイテムなのかもしれない。


ところで、一向に使い道のわからないこの[ピクシーフィッシュ]だが、三つ分かったことがある。


まず一つ目、個体毎に色が違うということ。


十中八九属性の色なのだが、そう判断する理由もあって、光の魔石を餌にすれば白のピクシーフィッシュが釣れるし、闇の魔石を餌にすれば黒のピクシーフィッシュが釣れるのだ。


そして二つ目だが、魔石粉が撒き餌になることだ。


撒き餌とは、釣りをする際に魚を寄せるために撒く餌のことだが、魔石が餌になるならと魔石粉を撒いてみたら明らかに食いつきが良くなった。


それに、無属性の魔石だと基本属性からランダムだったピクシーフィッシュが、属性付きの魔石粉を撒くことで大凡偏らせることができた。


つまり、属性付きの魔石を使えば、その属性のピクシーフィッシュが釣れ、属性付きの魔石粉の撒き餌と無属性の魔石で釣れば、魔石粉の属性のピクシーフィッシュの釣れる確率が大アップということだ。


そしてこれを踏まえて三つ目、属性付きの魔石と、魔石とは違う属性の魔石粉を使って釣りをすると、派生属性のピクシーフィッシュ確率が小アップだ。



「今釣れてるのは、群青色の氷属性と、橙色の溶属性、黄色の雷属性の3種類だけか」



割合的には10匹に1匹くらいの確率なので、そうそう数を揃えられそうにないが。


でもこうなってくると、用途が気になるな。


俺が知っている限りでは、属性を持つアイテムは魔石に続いて二つ目だ。


先に進めば属性持ちのモンスターとかも出て、その素材アイテムに属性がついてたりもするのかも知れないが、ここはまだ始まりの町プリムスの隣のエリア。


四方向あるうちの未だ攻略されてない高難易度エリアに隣接する隠されたエリアとはいえ、序盤で安全に手に入れられるアイテムで属性付きとなれば生産職には涎物のアイテムかもしれない。



「ただなぁ、どうみてもただの光の玉なんだよなぁ」



フグみたいに膨らんで丸くなってるとか、元々丸い魚が光を発しているとかではない。


比喩でも何でもなく玉型の光に羽と申し訳程度の尾が生えており、掴めるのは羽と尾のみ、光の玉の部分はいくら掴もうとしても貫通してしまうのだ。


もはや生き物かどうかすらも怪しい、どうやって魔石を食べているのかも謎である。



「おっ、ピクシーフィッシュじゃん!人間それくれよ!」


「わぁぁ、あたいも欲しいな欲しいな!」


「じゅるり…」


「釣れたてピチピチだー」



聴こえてきた声に振り向くと、空飛ぶ翅の生えた小人…妖精たちが舞っていた。


このゲームにおいて、妖精や精霊の違いがまだ分からないが、これはもしかしたらもしかするかもしれない。



「妖精…?お前たちこれが欲しいのか?ってか、食べれるのか?」


「うめぇぞぉ〜、それ食べたら他のものじゃ満足出来ないくらい美味い!」


「人間は食べられないけどね!」


「ごくり…」


「えー、ボクは甘いものの方が好きだな〜」



まあ人間は羽と尾以外は触ることすら出来ないんだから、そりゃ無理だよな。


もしかしたら何か方法があるのかも知れないが、今のところさっぱりだし欲しいなら渡してしまってもいいかもしれない。


もちろん打算もありありのありだ。


数だけは面白いように釣れるしな。



「じゃあ並べー、ちゃんとお行儀よく出来たやつだけピチピチのピクシーフィッシュを食べる権利をやろう!」


「おー、さすがだぜ人間!ふてぇやつだ!」


「あたいはずっとやる奴だと思ってたよ!」


「……」(ダバー


「みんなを呼んでくるー!」


「え、ちょっ!?」



おいおい、お前たちだけじゃないのかよ。


こりゃ、足りるかな…






それから三時間。


のんびりというよりわちゃわちゃな時間が過ぎていったが、悪いことばかりでもなかった。


あのあと数えるのも億劫になるほどの妖精たちがやってきたので、仕方なく足りない分は釣りながら渡していったのだが、妖精たちがお礼にとくれるアイテムが何やらピクシーフィッシュより使えそうだった。


それがこちら、[妖精鱗粉の塊(火)]だ。


どうやら妖精はその髪の色と属性が一致しているらしく、求めるピクシーフィッシュも同じ属性のものが好みのようだった。


そしてそれと連動するようにお礼の鱗粉も同じ属性で、基本属性の鱗粉はかなりの数が溜まっていた。


これで色々実験してみるのもいいし、少しくらい雑貨屋えびすに流して金策するのもいいだろう。


なにせ餌で魔石を使いすぎて、もう底をつきそうな勢いなのだ。


餌代、もとい魔石代を稼がなくては。



「ほら、これで最後な」


「ぐすっ、あ゛りがどう゛ぅぅ」


「ヨシヨシ、ほら、涙拭いてから食べな」



そして一つ問題が発生していた。


魔石を餌にする場合と違って、魔石粉で属性を寄せようと思った場合が狙った属性が確実に釣れるわけではなく、確率でしか釣れないことだ。


妖精を横に二つ並べても入りそうな大きさのピクシーフィッシュを、全ての妖精が一人3匹ずつ食べやがったのだが、あの身体のどこに収まったのか、今日一番の謎である。


全くユズみたいな奴らだな。


ともかく、一人3匹求めること自体は構わなかったのだが、派生属性のピクシーフィッシュが釣れないこと釣れないこと。


特に沼ったのが空間属性のピクシーフィッシュだ。


あからさまに確率が低くて軽く絶望したね。


空色の妖精は一人しかいなかったのは助かったが、それでも泣き出しちゃうくらいには待たせてしまった。


運営さん!可愛い妖精さんを泣かせるなんて罪ですよ!確率の見直しを求めます!



「しっかし、アホみたいに釣りしたおかげでもう【釣り】スキルLV.12って…。キャラのレベルも二つ上がったし」



一番レベルの高いスキルが【釣り】だという事実…


そして、狙い通りの瞬間は唐突に。



「おう人間!オイラたちが契約してやるよ!」


「取引よ!力を貸す代わりにピクシーフィッシュを貢ぎなさい!」



期待はしてたが、まさか向こうから契約の話を持ち出してくるとはな。


ただ、条件ピクシーフィッシュなのかよ…



「毎日3匹とかは流石に無理だぞ。俺も釣りばっかりやってられないからな」


「ちぇ〜、漁師じゃないのかよ〜」


「仕方ないわねー、週に1匹!それ以上はまからないわ!」


「うーん、じゃあそれでいいよ。あとはーー」


「「「契約成立!!」」」


「ーーおいおい!?」



百以上いた妖精たちが一斉に光に包まれ輝きだす。


待ってくれ、もしかしてこの数全部と契約してしまったのか!?


それに他の条件はどうした!?雑!!雑だよ!!


そしてこれまた唐突に何処からか声が聞こえてきた。



「(人の子よ、神なる世界を身に宿す逸脱した者よ。選ぶが良い、我らの子供達の棲家たる形を)」



脳内に直接聴こえるような不可思議な声に反応する暇もなく、共に選択肢が映し出された。


混乱している頭に怒涛の追い打ちをかけられている気分だが、もう後戻りは出来ないのだろうか…


このままだと毎週100匹貢がないといけなくなるんだが。 


と、思い悩みつつも画面をスクロールする自分がいる。


正直、パーティ単位で一匹ずつしか召喚出来ないのに、属性が多少違うとはいえ同じ種族と100人も契約する意味がないと思っていたのだが、さっきから言い方が気になる。


妖精たちが言っていた“オイラたち”と契約という言い回しだけだったらその可能性にすら思い至らなかったが、聖域だろうこの天の声さんが言うように“子供達の棲家”という表現、それに加えて100人以上と契約する割には選ぶ棲家は一つときた。


これは妖精100人以上一纏めで一枠、あるのでは?



それにしても種類多いな。


ユズが選んだといっていたペンダント型が属する首回りのアクセだけでもネックレス、チョーカー、ペンダント、ドッグタグとあり、さらにそこからデザイン違いで種類がある。


リング、ブレスレット辺りが無難だろうか。


イヤーカフなんてアクセ初めて見たぞ。


そもそもMLのアクセサリーってどういう仕様だったか…


五つまでだったら干渉し合わず装備することができて、それ以上は見た目装備として設定するか、そうじゃなければ性能が少しずつ下がっていく…みたいな仕様だった気がする。


取り敢えず装備すら雑貨屋えびすで買った間に合せ装備のままだから、当然アクセなんて装備しているはずもなく。


ぶっちゃけ、どれ選んでも困らなそうではある。



「んー、じゃあこれにしようかな」



なので感性に従って選んでみた。


色んな宝石が散りばめられたバングルタイプのやつだ。


煌びやかなバングルは、正直自分に似合うとは思えないが、各種宝石が色んな属性の妖精を象徴しているようで、単色系のアクセよりこっちの方がイメージ的にしっくりきたのだ。


リングでも良かったのだが、各種属性の色があるアクセとなると、リングでは小さすぎるのかイメージに合うものがなかった。



そして選んだ瞬間、右手首あたりが光に包まれる。


光が霧散すると、そこには選んだ通りのバングルが存在していた。



「やっぱり派手だな」



普段はローブに隠れているから問題ないか、と納得していると妖精たちがバングルから飛び出してきた。



「自由に出てこられるのかよ」


「聖域の中だけな!」


「ここはあたいらの領域よ!」



まあ確かに棲家が変わったとはいえ、元は聖域が棲家だっだのだからおかしな事ではないのか?



「それより契約忘れんなよな!」


「これで毎週ピクシーフィッシュだよ〜」


「じゅるる…」


「はいよ。仕方ない、週に一日は釣りの日を作るか」



〈【妖精達の大行進(フェアリーズパレード)】と契約が結ばれました〉

〈称号【妖精達の祝福】を獲得しました〉



妖精達の大行進(フェアリーズパレード)】か。


やっぱり一人一枠じゃなくて、全部で一枠説が有力になってきたな。


取り敢えずステータスだけ確認しときますか。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

PN【レンテ】

LV.13

[AP:6][SP:3]


HP:220/220

MP:220/220


STR:10

VIT:10

INT:30[+3]

MND:10

DEX:18

LUC:10


〔契約〕

妖精達の大行進(フェアリーズパレード)


〔スキル〕

・魔術スキル

【火魔術】LV.7

【風魔術】LV.7

【水魔術】LV.7

【土魔術】LV.7

【光魔術】LV.7

【闇魔術】LV.7

【真・樹魔術】LV.6

【魔法陣】LV.2

・生産スキル

【調合】LV.5

【細工】LV.2

【模写】

・補助スキル

【MP回復速度上昇】LV.4

【知力強化】LV.2

【発見】LV.1

【釣り】LV.12

 

〔控え〕


〔称号〕

【無謀に挑む者】

【友好を築く者】

【我が道を往く者】

【妖精達の祝福】

【地形を利用する者】

大物喰らい(ジャイアントキリング)

【“終焉の魔女”の弟子】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



うーむ、やっぱり【釣り】スキルが一番レベル高いのが何だか複雑なんだが…


まあそこは時間を見つけてスフィルロックで魔術レベリングでもすればいいか。


取り敢えずそろそろ夕飯の時間だ、一旦落ちるかな。


契約の裏設定です。

興味が無い方は読み飛ばしてもらって大丈夫です〜。


契約について。

精霊然り、妖精然り、神獣然り、出会いは一期一会です。

契約相手が求めたものをその場で用意できなかった場合は、契約不成立となりその場から去ってしまいます。


また、他のプレイヤーの力を借りることはNGなので、求められたものを即座に用意できるかは運の要素が強いです。


一応、種族によって傾向があったりするので、事前にリサーチできていれば、ある程度は予測が立てられたりはします。


今回の主人公の場合で言うと、【妖精たちの大行進】は100人以上の妖精で一枠扱いなので、もし空間妖精のピクシーフィッシュを用意できなければ契約は不成立になっていました。


契約には、“巡り合うこと”、“友好度を稼ぐこと”、“契約内容”の三つにそれぞれ難易度があり、主人公の場合は一つ目と二つ目が難しいタイプです。

対象的に、ユズたちが契約した護国獣クエストの方は、一つ目と二つ目が簡単で、三つ目の条件が多く設定されるタイプです。


シルウァヌスは契約に友誼は大前提として主人公に説明しましたが、実際はそんなことはなく、ユズの例を見ても分かる通り、聖域の管理者に認められるだけで契約出来たりする場合もあります。


しかし、“友好度を稼ぐこと”と“契約内容”は密接に関係しており、友好度をどれだけ稼げたかで、契約内容が変わってきます。


“巡り合い”は運要素は大きいですが、スキルや、ステータスによるマスクデータによって左右されるため、誰もが同じことをすれば同じように出会えるわけではありません。


また主人公の契約内容は、一見数が多く難易度が高い様に見えるかもしれませんが、【妖精達の大行進】の妖精の数はランダムなため、その数が多ければ多いほど条件も比例して多くなっているだけなので、一人当たりのコストは安価な方です。



以上、多分作品の中では触れないであろう契約の裏設定でした。


もしこれ以外で、作品内のこの単語の意味が分からない、分かりにくかった等あれば、ネタバレにならない範囲で後書きに載せますので、感想でご意見ご感想お待ちしておりますm(_ _)m

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[一言] 100人分はまぁ時間がとられるね、とだけ(不運
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