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140/日

今日は有名なあの日なので、お昼の12時にSS投下しまふ!



うん、カルボナーラ美味い。


旅の道中はストレージに突っ込んでいた串焼きみたいな片手間に食べられる料理で腹拵えしてたから、余計に美味しく感じるな。


馬車での満腹度のための食事って、戦闘は起こらなかったからバフが意味を成さなくて、ちょっと勿体無いと思ってしまう。



「おかしいと思ってたんだよ。この前もわたしや友則先輩には行き先を聞く癖に、自分のことは言わなかったし」


「いや、聞かなかったじゃんか」


「国外移動ってことはもっと前から準備してたんでしょ?」



はい。意図的に黙ってました、すみません!


だって正規の行き方なんて知らなかったし、場所の把握だってシルフに聞く以外の方法は分からなかった。さっき聞いた話では、ルクシアもある程度の場所なら分かるらしいが。


ヴェルム神聖国への正規ルートは、各国から許可を貰って国家間転移らしいぞ。


セントルム王国の国家間転移陣は教会にあるのは聞いていたが、他の国も辺境の教会に設置されているのだとか。


どの町に設置するかは各国それぞれの判断らしいが、教会に置かれているのは、その主たる用途が神聖国への転移だからで、とある理由から殆どのNPCは人生で一度は必ず神聖国を訪れるらしい。


ともかく、何か聞かれても何も答えられそうになかったので、聞かれることもなかったし黙っていたのだ。



「それで、ヴェルム神聖国ってどんなところなの!?」


「都市国家だけど、国の中枢はヴェルム教だから、町の中心にあるのも城じゃなくて大聖堂だな。ちなみに教皇猊下はショタだった」


「へぇ、他の国と違って、町ひとつしかないんだ。でも、お兄ちゃん金曜日まで王都にいたよね?そんなに近い場所にあるのに、なんで掲示板では所在不明なんだろ?」



いや、よくよく思い出せばNPCの噂として掲示板にも載っていた気がする。


とはいえ、NPCにしても街中からじゃ空に浮いてることなんて確認する術はないし、町民NPCでは真実ではなく噂程度に止まっているのも致し方ないのかもしれないな。


結局は掲示板でも真偽不明で嘘認定されていたが、確信できる情報を握っていたプレイヤーが黙っていた結果が、今まで場所や行き方が発見されなかった理由だろう。



「それは空にあるからだよ」


「へ…?」


「空島、浮遊島、空中都市、スカイタウン、(そら)の国、柚子の好きな呼び方でどうぞ」


「ど、どういうこと!?セントラリスから二日の距離に浮遊島なんてあったら、目撃情報あるはずだよ!」


「なんか常に移動してるみたいなんだよな。それに、島を覆う巨大な結界で外部からは見えなくなってるんだよ。俺も実際に体験したけど、いきなり巨大な島が現れたのには驚いたな」



ディーネ達が世界一と評するだけあって、島はかなりの大きさだ。セントルムの王都であるセントラリスの5倍は大きいし、町自体もざっと1.5倍はありそうだった。



「そんな見えない場所にどうやって辿り着くのさ」


「シルフが風の聖霊王の権能使って場所を割り出したんだ。なんかその結界ってかなり高性能らしくてさ、感知系スキルじゃ見つけられないらしいぞ」


「待って!次から次に変なこと言わないで!」


「変なこと?」


「権能なんて聞いたことないんだけど?」


「あー、そっか。そういえば誰にも話してなかったかも」



スキルよりも便利で汎用性も高いチートの権化みたいな性能してるっぽいんだが、俺も詳細は知らない。


軽く聞いた感じでは、コストはHP・MP・EPのどれでもなくて、その上限りなくコストが小さいらしい。


知ってるのはその程度だ。



「特別なNPCが使える特別な力ってイメージだな。ディーネの水辺への無制限転移、シルフの風の流れを読む超絶広範囲状況把握、ルクシアはダンジョン内を昼のように明るくしてたな」



ダンジョンで時々使ってた魔術じゃない攻撃や防御も、多分権能だと思っている。


シルフの権能なんて、超絶広範囲なんて言葉では生ぬるい大陸全土の状況把握すら出来てそうな異常な力は、どういう理屈で可能になっているのか理解できてないが、本人達が風の流れ云々言ってたし、多分大きくは違ってないと思うが、チートよりチートしてそうだよな。



「それってスキルとは別なの?」


「俺も使えるわけじゃないし分からないけど、違うんじゃないか?あまりにもスキルって枠組みから逸脱してる気がするんだよな」



それともスキルを鍛えていけば、いずれあの理不尽な力に変わっていくのだろうか。



「うーん…じゃあ、他のプレイヤーじゃ浮遊島に行くのは難しいのかな。でも、国っていう一大コンテンツを一部のプレイヤーしか遊べないようにはしないと思うんだけど…」



なんかすっごいメタ的考察をしてらっしゃるが、今のところ精霊界スピリタスに辿り着いてるのが俺だけという事実が、その考察の前提条件ひっくり返してると思うのだが。



「いや、今いる国に一定の信頼を築いて許可さえ貰えれば、国家間転移で神聖国に転移出来るらしいぞ。正規ルートはそっちらしい」


「えー、じゃあセントルムに戻った方が可能性高そうだね」



なんか神聖国側からも条件的なものはあるらしいが、教会で神様に7回祈ったことがあるとかそんなのばっかりだったから、そっちの達成は難しくないと思われる。


ちなみに7回というのは、主なる七柱にそれぞれということらしい。


教会に足を運んだことすらないのがバレないように、神様関連の話が出た時は、ニコニコと黙って聞く側に回っていたのは内緒だ。



「それが無難だな。転移じゃなくて無理矢理空飛んで行ったら、教皇猊下にも少し怒られちゃったし、もし行くなら正規ルートで行くことをオススメするよ」


「教皇猊下にも(・・)?」


「ああ、基本的にあの結界って外部からの客を考慮して作られてないから、迎撃機能も完備されてるらしい。訪ねてきたのが聖霊王じゃなかったら、問答無用で撃墜してたってさ」



それを想像してぶるったので、ディーネ達には今後そんな危険な手段に俺を巻き込まないように厳重注意しておきました!



「そうじゃなくて!言われるとそっちの方が気になるけど、他の人にも怒られたの?ってこと!」


「入国して早々に懲罰室みたいなところに閉じ込められたんだけど、その時にルクシアを嫌ってる天使族の男から延々と小言もらってたんだよ」



もはや小言ってより悪口だったけどな。



「天使!天使族が遂に見つかったの!?可愛い?可愛かった!?」


「ちょ、落ち着けって!箸を振り回すな!」



漸く理解した。ヒンメルが誰かに似てるとは思ってたが、暴走した時の手の付けられない我が妹にそっくりなんだ。猪突猛進気味なところが特に似ているな。



「男しか見てないから可愛いかどうかは知らんけど、イケメンではあったな」


「女の子は居なかったの!?」 



欲望に忠実なオヤジか!


あのイェレミエルもかなりの美形だった。性格が終わってて近づきたくはないが、優男風のイケメンだった。



「じゃあ女の子見つけたら配信してよ!」


「やだよ、なんでそんなことで不特定多数に観られる配信しないといけないんだ。スクショでいいじゃんスクショで」


「勿論スクショも貰うけど、動いてる姿が観たいじゃん!」



いや、スクショもれっきとした盗撮だが、ここはゲームということで一つ許してほしい。


妹様の横暴を躱すために必要な犠牲なのだ。


それにプレイヤー相手だと無断でスクショ出来ないようになってるしな。


動画やスクショの映り込みに関する設定項目があって、そこに全面的に許可するのか、フレンドのみ許可か、指定プレイヤーのみ許可か、許可しないか選べるようになっている。


許可されてない場合は、ランダムなNPCに置換されるので、あまり不便なことではないけどな。



「明日から三日間の晩ご飯当番でどう?」


「明日と明々後日は柚子の当番だから、俺が得するの実質明後日だけだろ却下」


「来週全部!」


「レトルトで誤魔化さずにちゃんと作るなら」


「ぐぬぬ…ちゃんと可愛い子いっぱい見つけてよね!」


「おかしな条件を後付けするな!それだと俺が他のプレイヤーに白い目で見られるだろうが!」


「いーじゃん、ケチ!」


「良くないわ!」



この妹は兄をどうしたいんだろうか。


まあ、兵士以外の天使族って町中には少ないみたいだから、そうそう見かけることもないだろう。



「ま、もし天使族の女の子を見掛けて、状況的に許しそうな場面だったらな」


「そんなフラグ建てて、本当は配信したいんじゃないの?」


「馬鹿言え」



配信って割と気を遣うから疲れるんだよな。


それにログアウト前にイェレミエルという爆弾を放置してきたので、ログインしたらどうなってるか…。


配信なんてしている余裕は無いだろうな。


お昼に投稿予定のSSですが、内容()本編とは無関係です!

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― 新着の感想 ―
[一言] 有名なあの日は、午前中が仕込みで、午後ネタバレする時間ですぞーw
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