森での出会い
時間が余ったので残りのポーション用材料を探してしばらく…
「どうだろう。大分集まったと思うんだが」
「はい!これだけ集まれば十分です!」
エリアが何かあった時用に持ってきていた折り畳みバッグにキノコと魔力草がぎゅうぎゅうに入っている
「よし、集める物も集めたし、少し休憩してから帰るか」
「そうですね」
少し開けた場所で周囲を警戒しながら、座って休憩をとる
「ヨースケさん、今日はありがとうございます」
「ん? いや、こちらこそ。一緒に組んでくれてありがとうな」
「はい。エヘヘ」
かわいい。こんな子とパーティが組めてよかったな
エリアの笑顔に癒されていると、近くの草むらから「ガサガサ」と近づいてくる音が聞こえた
「エリア!俺の後ろに!」
「は、はい!」
腰の刀に手をかけ、戦闘態勢をとる
さて、鬼が出るか蛇がでるか…
そうして草むらから出てきたのは…
「お…お前は…」
少し際どい格好をしたトラ耳のかわいい少女だった
皮で作られたビキニアーマーのような装備をしており、目のやり場に困る
腰の両脇にククリナイフを提げている。珍しい武器を持ってるなぁ
「お?わりぃわりぃ、休憩中だったか?」
「い、いや、大丈夫だ」
「そうか。すまねぇがオレもここで休ませてもらっていいか?」
オレっ娘か。いいね
「おう、いいぞ」
「それじゃあ失礼して」
よいしょ、と俺たちの前に座る
ちょ、胡坐をかくな。目のやり場に困るだろ
「あ、オレはタケミナって言うんだ。よろしくな」
「あ、これはどうも。俺はヨースケだ」
「…エリアです」
ん?エリアのヤツ、タケミナのことを睨んでどうしたんだろう?
「二人はここに何の依頼で来たんだ?」
「ん?ああ、俺たちは薬草採取の依頼で来たんだ。そっちは?」
「オレは森イノシシの討伐さ」
「森イノシシ?」
「え?森イノシシを知らないのか?」
「あ、ああ。遠い所から最近この辺に来たばかりでな」
「そっか、それじゃあ仕方ないな」
「普通のイノシシと違うのか?」
「ああ。通常より大きくて、凶暴なヤツでな」
「へぇ、そいつは怖いな」
「つっても、ただのデケェイノシシだから、そんなに怖くはねぇよ」
ナハハと笑って話すタケミナ
ヤバい、この娘もかわいい
「むぅ」
「いてててっ」
エリアが俺の脇腹をつねってきた
…え?もしかしてヤキモチ?
「ナハハッ、二人は仲がいいんだな!」
「えっと、まぁ、それほど「はい、そうです!」」
エリア、めっちゃ食い気味に返事するやん…
「さて、それじゃオレはそろそろこの辺で」
タケミナが立ち上がってここを去ろうとした時だった
少し離れた場所から何かが近づく音が聞こえてきた
「この音は…」
「しっ。近くに森イノシシがいるんだ」
全員草むらの方を警戒すること数秒、すごい速さで大きなイノシシが突っ込んでくる
でかい!車くらい大きいぞ!
「危ないっ」
オレはエリアを抱えて横に飛んで回避する
「タケミナは!?」
周囲を確認すると森イノシシの上にタケミナはしがみ付いていた
「くらえ!」
片手でしっかりとしがみ付いたまま、タケミナはククリナイフを森イノシシの眉間へ突き刺した
だが、傷が浅いようで森イノシシはタケミナを振り落とそうと暴れる
「タケミナっ!」
なんとか手助けをしたいけど、 凄く暴れていて近づけない
「僕に任せてください!バインド!」
エリアが森イノシシに魔法をかけると、動きが止まった
「サンキュ、エリア!」
動かなくなった森イノシシへ駆け、首元をできるだけ深く斬る
「ブモオゥ」と一鳴きして、森イノシシは倒れた
「あっ、やべっ」
「えっ?」
森イノシシが倒れる際、バランスを崩してしまったようで、タケミナが俺の方へ落ちてきた
気付くのに遅れた俺はタケミナともつれ合ってしまう
「よ、ヨースケさん、大丈夫ですか!?」
エリアが心配して駆け寄ってくれるが、俺はそれどころじゃなかった
俺は重大な真実を知ってしまったからだ
タケミナが落ちて来て、俺ともつれた時に体が触れ合ったから分かった
タケミナ…こいつ、男だ