依頼と仲間
Fランク用の掲示板に貼られた依頼を見る
近くの森で薬草や木の実集め、草食動物の狩り等あまり危険性が少ない依頼が多い
さて、どれにしようか…
「あの…すみません」
「…ん?」
どうやら俺に声をかけたらしく、声のした横を見るといかにも魔法使いな見た目にエルフっぽい耳をした少年?少女?がいた
「あの、さっき見てたんですけど、お兄さんって初めて冒険者になったんですよね?」
「ああ、そうだが」
「あの…ボクも冒険者になりたてで…よかったらパーティを組んでくれませんか?」
あまり人に声をかける事になれていないのか、モジモジと恥ずかしがりながら声をかけてくる
「お、俺でいいのか?」
やべ、かわいい子と話すことにあまり慣れてないから、少しどもっちまった
「はい。その…ボク…最近冒険者になったばかりで…同じような人はいなくって…」
「他に組んでくれる人はいなかったのか?」
「えっと…ボク…強い魔法が使えないから…皆組んでくれなくて…」
い、いかん。泣きそうな顔してきた
「え、えっと…俺でよければ組んでほしいな」
「ほ、本当ですか?」
「ああ。実は最近この辺に一人で来たばかりでな。誰か一緒にいてくれると安心できるんだが」
「安心…ですか」
よかった。とりあえず泣き止んでくれた
「そう。だから、むしろ俺と組んでくれないかな?」
そういって手を握手するように差し出す
「はい!お願いします!」
元気を取り戻し、笑顔で手を握り返してくれた
おおぅ…手が柔らかい
「あ、俺は陽介。よろしくな」
「ボクはエリアって言います。よろしくお願いします、ヨースケさん!」
オゥ…笑顔が眩しい…
「そ、それでどの依頼をしようか?」
ちょっと恥ずかしくなったので、話を逸らす
「えっと…近くの森で薬草集めとかどうでしょうか?」
悩んでる顔もかわいいな…
おっと、いかんいかん。依頼内容は…ギルドからで薬草を最低5束で買い取り、持って来る数により報酬上乗せありか
「そうしようか。そういえば、パーティって組んだら何か申請とかあるのか?」
「どうでしょう?ボクも分からないです」
「じゃあ、受付に聞いてみようか」
「はい!」
掲示板に貼ってある依頼を取って受付へ向かう
「すみません、この子とパーティを組みたいんですけど、何か申請とか必要でしょうか?」
「パーティですね。こちらの規約を読んだうえで、用紙へ記入をお願いします」
渡された用紙には、簡単にまとめると「パーティ内で何かあった際は連帯責任になるから気を付けて」と言うことが書かれていた
続いて書く内容だが、メンバーの名前とランク、パーティ名だ
パーティ名…パーティ名かぁ…どうしよう
「エリア、パーティ名どうする?」
「そうですねぇ…」
「もし、何もなければ、俺の出身地の名前でいいか?」
「出身地ですか?」
「ああ、『ヤマト』って名前なんだが」
「『ヤマト』…なんだかカッコいいですね!それにしましょう!」
「おう」
賛成してくれてよかった
用紙に名前とパーティ名を記入し、提出する
「はい、確かに受け取りました。ではギルドカードの提出をお願いします」
二人のカードを渡す
受付嬢は、登録した時に使っていた箱へカードを入れて何か操作をした
少しすると箱からカードが出て来て返された
「お待たせしました。こちら、お返しします」
確認すると【パーティ:ヤマト】という項目が増えていた
「改めてよろしくな、エリア」
「はい、ヨースケさん!」
こう…名前で呼び合うのって、ちょっと照れくさいな
「それと、この依頼を受けたいんですけど」
依頼書を渡す
「薬草採取ですね、かしこまりました。頑張ってください」
受付嬢から応援と笑顔を受け、俺達は外へ出る
「よし、頑張るか!頼むな、エリア」
「はい、よろしくお願いします!」