宿屋で・・・
「いやぁ、飲んだ飲んだ」
「ジュースとかあってよかったな」
「はい、おいしかったです」
周りの男たちから嫉妬の視線を向けられる以外は何事もなく、飲み物を飲んで終わった
まぁ、全員ジュースだったんだが
「お。ここだ。ここがオレが泊まってる宿だよ」
ギルドから少し離れた通りにそれはあった
結構大きな建物だ
「おじさーん、帰ったぜー」
「おー。お帰りー」
カウンターにはぽっちゃりしたトラ耳のおっさんがいた
「おじさんって親戚の店なのか?」
「おぅ。小さい頃からよくしてもらってんだ」
「ん?タケミナ、そいつらは?」
「えっと、俺は「こいつはオレの番いだ」」
俺が何か言う前に言われたよ
「そうか!お前にもとうとう番いが出来たか!」
「おぅ!どうよ!」
「小さい頃からやんちゃでガサツだったお前に番いができるなんてな」
「余計なお世話だよ!」
「こんなお転婆だが、コイツの事よろしく頼むぜ、兄ちゃん」
「ちょ、やめろって!恥ずかしいだろ!」
「で、こっちの…嬢ちゃんは?」
「こいつは番い仲間だ!ちなみに男な」
「こ、こんにちは」
「おう。嬢ちゃんって言って悪かったな」
「い、いえ。大丈夫です」
おっさんの反応を見るに、同性カップルってのは普通に受け入れられてるんだな
「あ、おじさん。この二人と一緒に泊まりたいんだけど」
「それはいいけど、代わりの部屋がな…」
「オレら番いだし、今の部屋で大丈夫だよ」
「そうか。あ、ついでに番い割りしとくな」
「おぅ、サンキュー」
「番い割り?」
「まぁ、身内割りみたいなもんだ。内緒な」
「あ、ありがとうございます」
番い割りって名前がアレだが、安くなるのはありがたいな
「さ、部屋へ行こうぜ」
「お、おう」
三人で部屋へ向かう
「ここだ、ここ」
中は小さいベッドが一つの小さな部屋だった
「おい、ベッドが一つしかないんだが」
「え?オレら番いなんだから、一緒に寝ればいいだろ?」
「え?」
「そうですね。三人でくっつけば大丈夫ですね」
「え?」
「そうと決まれば、飯にしようぜ。腹減ったよ」
「いや、ちょ」
「そうですね。ボクもペコペコです」
「あの」
「なんだよ、さっきから?」
「マジで三人で寝るの?」
「そうだが?」
「もしかして、迷惑でしたか?」
その上目遣いは反則だって
「ふ、二人はいいのか?」
「ボクは大丈夫です。むしろ、ぜひ!」
グイグイ来るようになったね、君
「オレも問題ないぜ。むしろ何が問題だ?」
「え…と…」
男女で一緒に寝るのは…って思ったけど、よく考えればコイツら男だった
「あ、汗臭くないかなって」
で、結局出てきたのがコレって…
「た、確かにそうですね」
「じゃあ飯の前に水浴びすっか。今なら誰も使ってないだろ」
え、水浴び?
「ふ、風呂とかないのか?」
「風呂?風呂なんて高けぇモン、あるわけねぇだろ」
あー…そういうタイプね
「水浴びはどこでするんだ?」
「庭に井戸があるから、そこで水を汲んで体を拭くんだ」
「体を拭くのか…あ、タオル持ってねえ」
「たおる?」
「たおるって何ですか?」
「えーと…体を拭く布の事だよ」
「ああ。それならサービスで桶と一緒に借りれるぞ」
「そうなんだ」
「おぅ。じゃ、行くぞ」
「え?」
「ヨースケさん、行きましょう」
「ゑ?」
タケミナとエリアに腕を捕まれ、連れられる
「ちょ、一緒にするの!?」
「おぅ!裸の付き合いってヤツだ!」
いやいや、一緒に水浴びって…って、そうだ、コイツら男だ!
見た目が美少女だから、つい勘違いしちまう!
「なんだかワクワクしますね」
俺はドキドキするよ!
「ちょ、じ、自分で歩けるって!」
「照れるな、照れるなって」
「さ、ヨースケさん。行きましょう」
こうして俺は、二人に水浴びへと連行されたのだった




