表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

霧の中日々の中

作者: タマネギ

今朝は霧が深くて、

路地の向こうも、

見えずにいた。

霧の中を歩いた。


するとウグイスが、

鳴いたのである。

それもとても、

とても上手にね。


霧の中のウグイス、

美しく感じた。

思わず誰かに、

伝えたくなった。


早朝から、

ねえ、霧の中の

ウグイスがねと、

気軽に話せたら。


それから、また、

考えてみた。

霧の中のウグイスの、

見えない鳴き声を。


ウグイスは何故、

霧の中で、

あれほど美しく

鳴いているんだろう。


霧を仲間に伝える、

ここにいるよと伝える、

みんなどこと探している、

何故だろう。


何かしら

あるのだろうけれど、

人が聞いているとは、

考えてはいないだろう。


人だってそうか。

日々は先が見えずに、

霧深く朝を迎え、

その中を歩き続ける。


なんとなく、

願うことはあっても、

確かなものは、

何もないだろう。


ウグイスの鳴き声は、

人に例えれば何か。

人は霧の中でも、

美しく鳴けるだろうか。


誰かが聴いていると、

考えたりせずに、

ただ、丁寧に、

優しく、美しく……


誰かが聴いている。

誰かが探している。

心うたれている。

誰かに伝えようと。


霧の中、日々の中、

丁寧に、優しく、美しく、

鳴いてみたいなぁ。

あのウグイスみたいに。


ただ、一生懸命に、

霧の晴れ間を求めて、

生きてゆくけれど、

鳴くことも生きること。


そうすれば、誰かに何か、

良いことを、幸せを、

渡せるかもしれない。

渡せるかもしれない。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ウグイス好きです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ