表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/24

16 アードラー王との、交渉決裂。

 フォルクハルト達がアードラーに到着すると、ものものしい甲冑に身を包んだアードラーの騎士たちに取り囲まれた。

 イルザもフォルクハルトも腕を後ろ手に縛られ、引っ立てられる形でアードラー王と対峙した。


 豊かなあごひげを蓄えた、鋭い目をした恰幅の良い男。それがアードラー王だった。


「余の可愛い姪に、ひどい仕打ちをしたそうだな。これは報いと知れ!」


 アードラー王が怒りの矛先をイルザとフォルクハルトにむける。


「カサンドラは、配下の者に命じて人を殺していました。いくら貴方の姪とはいえ、それが判明したからには、罪人として扱ったまでです」


 フォルクハルトが答える。


「それがどうした! 我がアードラーとの友好を続けたければ、フォルクハルトよ、お前の妃として迎えるがふさわしかろう!」


 アードラー王がすっと手を上げる。


 部屋の奥からカサンドラが現れた。


「……形勢逆転ですわね、フォルクハルト殿下」

「カサンドラ!」

「最後に聞きますわ。殿下。あたくしを妃に迎えてくださります?」

「断る! 人殺しをしてまでのし上がろうとする野心溢れた者と結婚などするはずもないだろう!」

「アードラーでは、そのくらい当然ですわ。殿下への愛と受け止めてくださって良ろしいですのに」


 カサンドラが扇で口元を隠しながら笑い声をあげた。


「愚かな奴よ! 我が姪を受け入れれば、貴様の国も安泰であったというのに」


 アードラー王が呆れた表情を浮かべる。


「アードラーの傀儡(かいらい)となるつもりはない!」とフォルクハルト。


「連れてゆけ! ハーズのように、貴様の国も我が物としてやろう!」


 騎士たちに連行され、イルザとフォルクハルトは、城の牢へと繋がれた。


「さて……これからが肝心ですね」


 イルザはフォルクハルトに微笑んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ