私の家族
初めまして、冬と珈琲と申します。
初小説で拙い部分が目立つと思いますが、どうか優しい目で読んでもらえると幸いです。
「その目が腹立つのよ!!」
そう言いながら私のお腹を何度も蹴る母を私は視界に入れながらいつものように気を失った。
☆
「うっ、、、。」
「あ、やっと起きた〜。もう、こんな所で寝ると風邪ひくわよ?」
意識が戻るとヒステリックに叫ぶ母は消え、いつもの優しい母に戻っていた。
「ほら、そろそろ晩御飯ができるからお風呂でも入って来なさい。」
「う、うん。」
返事をすると共に、私は痛むお腹を抑えながらお風呂場へ向かった。
☆
脱衣場でゲロまみれになった服を脱ぎ、お風呂場に入った私は、お風呂場に設置された鏡で自分のお腹にできた新しくできた青アザを見ながらホッと安堵のため息をついた。
「今回のは、痕に残らなそうだな、、。」
自分でも、感覚が狂っているのは自覚している。しかし、新しい青アザの近くにあるおびただしい数の紫色に変色した痣を見た後であれば、誰でも今回の痣はまだマシだと思うだろう。
(腕とかと違って染みて痛いな。)
小心者の母は、学校などで私の痣が発見されるのを恐れ、痛めつけるのはいつもお腹や背中といった箇所だった。
☆
くだらないことをお風呂に入りながら長々と考えていたせいで気づいたら結構な時間がたっていた。
(やばい、早く出ないと。)
そう考えながら急いでお風呂を出てリビングに戻ると、母はお風呂に入って来なさいと言っていたあの優しい顔から、般若のような恐ろしい顔に変わっていた。
「遅い。いつまで入ってるのよ。晩御飯ができるって言ったわよね!!」
「ご、ごめんなさい。」
「うるさい!貴方も私を裏切るのね!!やっぱり、その目も態度もあのクソ野郎そっくり!!」
間に合わなかった。そして、また私の目と態度を母を孕ませたと知ったらどこかにトンズラした父と似ていると言っている。
「クソクソクソクソ、そんな目で見るな。来るな。クソクソクソクソ。」
だんだんと、目の終点も合わなくなっていく母。今日は、また一段とヒステリックだと思いながら私は覚悟を決め、お腹を守る様にうずくまる。
しかし、今日は2度のヒステリックで相当おかしくなっていたのか母は、近くにあったTVのリモコンを普段は狙わないはずの顔や腕に叩きつけ始めた。
ガッ、ガッ、ガッ、ガッ。
普段狙われたことのない箇所をやられ私も痛みと戸惑いで混乱したのだろう。何年かぶりに痛みで泣いていた。
「あは、あはは、あはあはあははははは。泣いてる。泣いてる。いいザマだ。あは、あはは。」
母も、泣いてる私に気づき笑い出した。そして、それが引き金になったのだろう。
ガッ、ガッ、ガッ、ドゴン!!
リモコンを捨て、私の顔を持ち上げ思いっきり床に打ち付けたのを脳の振動と共に感じながら私は、今日2度目の気を失った。